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後ろに向かって前進だ!5《遅番マン3・暫定》
「――だぁぁぁっ!? 何やってんだお前ら!?」
両腕を“見えざる外装”で覆った上に更に岩で覆ったガントレット状態で、ユーリは姉妹喧嘩を始めたフェルタとフェナンの間に割って入った。
かなり厚く、更には圧縮までして即席のガントレットとしてはかなりの硬度を誇るそれ。ギャリギャリと悲鳴を上げように削れていく岩肌から、二人の本気が窺い知れる。
フェルタは元より、フェナンだって“四姫”である以上は実力は確か。胸の奥にこびりついた劣等感と言う自信のなささえ払拭出来れば、彼女の剣だってジェミカに届く可能性はあったのだ。十分すぎるほどに。




