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後ろに向かって前進だ!3《遅番マン・暫定》
「取り敢えず、外に出てみるか」
逃げる――もとい、後ろに向かって前進すると決めれば、確かめねばならないことがある。
つまり、それはこの城の事だ。ユーリが造ったと言うなら、彼が離れた状態でその存在が何処まで保たれるのか……検証すべきことは幾つかある。
折角大きな的として聳え立っているのだ。後ろへの前進が完了するまでの間、囮として作用してもらわねば困る。と言うか、安全な撤退を目指すならばこれは必須条件。
未だに城の由来は良く解っていないものの、それがユーリの力であるならば、彼としては受け入れるのみ。




