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女帝は去る時も派手4《遅番マン4・暫定》
――不満は大きいが得るものはあった。
ジェミカはいくら砕こうとしても決して揺るがない幻の様な城へ視線を向けながら思う。おそらくはその中に居るであろう男の事を考えて。
(ユーリ・ヒロセ、か)
名前や使う能力程度なら情報は集められた。しかし、いくら探っても出身出生を暴けない。
そう、ある日突然そこに現れたのか、或いは――存在そのものを消されたかのような男……。
コルヴェイ王や地下王国などと言うおとぎ話に等しい存在、各地方の一部勢力の肩入れ……。興味深い男であると言わざるをえまい。




