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ネタキャラが強いとカッコいいけど困惑も強い2《遅番マン4・暫定》
「ふむ」
いくら攻撃しても全く揺るぎもしない城を前にして、『どうしたものか』と腕を組み考えること数分。
ジェミカの前には続々と黒光りする全身鎧を着込んだ騎士団が現れ、思い思いにポーズを取ってアピールしていた。それも、筋肉を見せつけるようなポーズを、だ。
女帝ジェミカは困惑こそしなかったが、『どう対処するのが正解だ?』と、思考が割かれたに違いない。
これは驚くべきことだ。戦場において一瞬の思考の乱れが死に直結する。ましてやジェミカほどの強者になれば幾度となく死線を超え、思考における隙はほぼなくなり、動揺と言う機会は経験によって潰されて久しい。
故に彼女を一瞬でも考え込ませたのは驚嘆に値する事だった。




