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プチ世界の終末2《遅番マン2・暫定》
「出迎えご苦労」
尊大なその一言で周囲が一瞬で凍った。その場の空気が、とかじゃなくて、実際に。あっと言う間に出来上がった氷の牢獄に一同、言葉はない。
「よぉ、久しぶ――りッ!!」
「――――ッ!!」
全く動じた様子もなく、自然に挨拶……するフリをしながら斬りかかったフェルタはやはり剛の者と言う事だろう。合わせる様に反対側から斬りかかったフェナンに喋るほどの余裕はない。相手が相手だ、それも無理のない話。
「ぐるぐると回れ。きりきりと締め上げろ」
ハレィピナは両腕に巻きつけた鎖を操作し高速で回転させながら氷の牢獄を破壊すべく、穴を穿ち、蛇が獲物を締め付けるが如く、絡みつかせた。




