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試し切り《遅番3・暫定》
――完成した龍素材製のナイフを試し切りするべく、ユーリは深夜王都からこっそりと抜け出し、湖のある森へと来ていた。
「さて……やってみるか」
大振りのナイフを敢えて逆手で持つ。槍の扱いはそれなりに使えるが、それは奇妙な縁で成り立つ技。
護身術や、他武術はもともと習ったことなどない。
けれどもシミズ流の極意は“泥を啜っても生き抜く我流の技”。
――実戦では何が起こるか解らないのだから、臨機応変にやれ。
師匠も先代から、先代も先々代から。口を酸っぱくして言われ続けて来た薫陶だ。




