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有名人の観察《深夜勤務6・暫定》
図書館の管理員を補助する“図書委員”……。
その中でも上位――と言うのは些か表現がおかしいが、図書管理においては学院で右に出る者は居ないと言わしめる生徒が居る。
通称“図書館の秘蔵っ子”。
グレッセ王国一の蔵書量を誇る図書館を管理する7名全員が束になっても敵わない記憶力と知識量を併せ持つ女生徒。
まさに本を読み、管理し、保存する為に生まれてきたような才能の塊である。
「へぇ……なるほどねぇ」
彼女は今、本棚の陰から一人の男を観察していた。
噂の転入生……自分よりも遥かに年上の男子生徒。一見、読書なんてしそうにない粗野な印象を受ける外見と裏腹に、彼は大きな図鑑を手にして頻りに頷いている。




