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策士は策に溺れる?《読書2・暫定》
「…………」
午後の実技授業中、ノーレは何とはなしにその背中を目で追った。
息を吸う様に自然に虹色の光を纏って、床を蹴り、一直線に突っ走る男。
対戦相手は――――担任であるレーレ・ヴァスキン。
『何だかアンタと語感が似てるわね』
職員室で顔合わせし、互いに自己紹介した後、姉はそんな事を言った。
実にどうでも良いと思った――が、多少腹が立ったので、“祝福”を使って下着の紐を解く事で報復とした。
そもそもだ。お互いに愛称とは言え、本名を名乗らず、書類ですら偽造している身。
似ていると言っても、ノーレ自身は自分の愛称に興味はない。
――最もそう呼んでほしい方は決してその様に呼んではくれないのだから……。




