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ただのダークマター《遅番5・暫定》
「や――やったわ! 完成よ!!」
歓喜に満ちた声が上がる一方で、家庭科調理室は異様な空気に包まれていた。
どんよりと漂う焦げ臭さはまだ良い。しかしながら、簡単な焼き菓子を作るのにどうして生臭さもするのだろうか?
しかも、満面の笑みのカーニャが掲げるのは……黒い物体だ。
綺麗に整えられた丸型はホールケーキの様でありながら、彼女が皿を動かす度にブルンと大きく震えた……弾力性があるらしい。
一面が黒のみで構成され、ブルブルと震えるそれはどう考えても焼き菓子などではない。断じてだ。




