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召喚者は究極自由人!  作者: 暮川 燦
第一章・召喚されし男とグレッセ王国編
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神の誘拐を企てるのは愚か者か

あー、色々と用事やら片づけやらしてたら執筆時間が……。


明日はちょっと出掛けなきゃならないし、今日の更新は短めになります。

「レディさん……今、何て?」

『レイが死にかけてる、だと? こいつの祝福はそんなにやわじゃねぇぞ!!』

 レディからもたらされた情報は実に衝撃的。この世界の神が死にかけている――そう訊かされてカーニャは盛大に困惑した。悲しめばいいのか、嘆けばいいのか……、いずれにしても見当はつきそうにない。

 対してレーレは信じられないとばかりに叫ぶ。レイフォミアと知り合いなだけに、そう簡単にくたばる存在ではないと知っている。何より、与えられた祝福が破格だ。それを考えると“死”すらも超越してしまうのではないか?

 そこまで思わせる彼女が死ぬ――――やはりレーレには想像もつかない事だった……。

「――事実は事実ですよ。それより、作業に移りましょう」

 食って掛かるレーレに対してもレディは落ち着き払った態度のままだ。

『おい、まだ話は終わって――』

「もたもたしてると廣瀬さんが持ちません。それでも良いのですか?」

「……レーレ」

『……チッ』

 レイフォミアの詳しい容態を聞きだそうとするレーレだが、悠理が持たないと言われたら退き下がるを得ない。カーニャからも『今は争っている場合じゃないわ』と肩をぽんと叩かれ、舌打ちを一つ。

 納得はいかなくても確かに今の状況を考えればモタモタしている暇はないのだから。


「理解して頂いた様で」

『勘違いすんな。訊く順番が変わっただけだ』

「解ってますよ。でもそれは後で本人から訊くと良いでしょう」

「神様から直接?」

「はい、これよりノレッセアに残されし最後の一柱――――レイフォミア・エルルンシャードを誘拐します」

「え、えぇぇっ!?」

 今回天空幻想城へと侵入した目的……、それが遂に明らかになった――――はいいが、作戦内容のあまりの突飛さにカーニャは驚きに声が裏返ってしまう。

『――って言ってもここから出したらヤバイんだろ?』

 彼女達の前に安置されている球体はレイフォミアの生命維持装置。誘拐と言うからには連れ出さねばならないが、ここから出してしまっては彼女の命が危ういのだ。グレッセ王都奪還の切札として必要なのだろうに、対象の命を危険に晒すのは得策ではない。

「その通りです、ですから――」

 言いながらレディはライダースーツの胸元を開けて右手を突っ込む。

「――これに、精神と力の一部を封じ込めます」

 ごそごそとスーツの中を漁って取り出したるは深紅の宝玉。大きさは大玉キャンディより少し大きい位だ。


『おいおい、そんな稀少品どっから……』

 目を開いて驚きを露にするレーレはそれが如何なる物かを知っている。無論、今までのケースから考えてもこれは精霊石に違いない。しかし、今までの精霊石とは純度――とは少し異なるが、質が違うと言うのは確かだ。

 これは大型の精霊石が長い年月を経て、その力を凝縮させ縮小化したものである。精霊石の王様……とでも称するべきかも知れない。レーレの発言どおり、これはとんでもない稀少品……。下手をすれば国が買える額がつく可能性がある代物だ……。

 どうしてそんな物をレディが持っているか?――というよりは、何処から入手したのか?、と言うのがレーレの訊きたい所だ。

「とある所から拝借させてもらいました」

「それって無断――」

「さぁ、始めますよ」

 確信を突いたカーニャの一言を煙に巻くようにレディは球体へと一歩踏み出す。

『始めるたって……どうすんだよ?』

「こう……、するんですよ」

 球体へと無造作に手を伸ばし、ガラス面に手が触れた、その時――。

「て、手が……」

 スゥっと、レディの右手がガラスを突き抜ける。ガラスを貫通した……と言う訳ではない。彼女の手はまるでそこに壁など存在しないかの様に通り抜けたのだ。


「私の力は廣瀬さんと同じく自由を司るもの。この能力を前にして壁など意味を為さない……」

 レディ・ミステリアの能力“自由の証”は、あらゆる制約を無視して彼女の存在を誇示させるもの。

 天空幻想城の結界が意味を成さなかった様に、レディは壁だろうがセキュリティだろうが、異世界だろうがお構い無しに通り抜けられる。

 ――であるなら、こんな強化ガラス程度越えられないハズがなし。

「――レイフォミア・エルルンシャード、貴女の力が必要です。どうかその力を一時お貸し下さい」

 通り抜けた右手を球体の中、満たされた緑の液体に浮く少女――レイフォミアの胸へと伸ばす。願いを囁き掌の精霊石を胸に押し当てれば、淡い、暖かな光を放ち彼女達を照らす。

「綺麗な光……」

 どこかうっとりした様な、あまりの美しさに言葉が自然と溢れ出たカーニャの呟き。しかしその幻想的とも言える光はあっと言う間に収まりをみせていた。

『……成功したのか?』

 光が消え、球体から手を引き抜いたレディにレーレが問う。掌でランタンの火の様に発光を続けているのを見れば、問うまでも無かったかも知れない。

「はい、無事に成功しました。さぁ、廣瀬さんと合流して脱出を――――」

「――悪いけど、そうはさせないよ?」

 ――場に響いた誰かの声に全員が振り返ると、そこに居たのは……。

『――っ!? テメェ、アルフレドッ!』

 ――神の右腕、アルフレド・デディロッソ、チーフと呼ばれる一行の当面の敵であった!

珍しく土日が忙しいので、がっつりとは執筆出来なさそうです。

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