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召喚者は究極自由人!  作者: 暮川 燦
第一章・召喚されし男とグレッセ王国編
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決着への道標・中編

昨日よりは執筆出来たけど三分割になってしまった……。


数少ない読者が『おう、あくしろよ』とか思ってないか心配で胃が痛みそう……。

「――つー訳で、敵の状況が未だに解らない上に、王都の民がどうなってるかも不明……。どうやって攻める?」

「真正面から突っ込むしかないんじゃねぇか?」

「はぁ? アンタねぇ――」

「――いいえ姉さん。今回ばかりはそうするしかないと思います」

 悠理とヨーハが大人しくなったのを見計らって再開――ようやく会議を開始させたセレイナ。

 しかしその第一声は、何の為にこうして作戦を立てようとしているのかを根本的に否定しかねないものだった。これにはカーニャも呆れ気味、だが意外なことにノーレはそれを支持しているらしい。

「ミスターならともかく、賢そうなノーレがそう言うとはな……理由は?」

『王都にはアルフレドが居んだろ? だったらこっちの動きは筒抜けだろうしな』

 ノーレに発言を促したセレイナだったが、それを引き継いだのはレーレだった。実は悠理もこの事をちゃんと考えて先の発言をしたのだが……先入観念と言うものが邪魔をして意図を正しく汲み取ってもらえなかった様だ。

 ――今まで散々、独断奇襲や独断潜入等を行ってきた悠理だ。それも自業自得と言えるかも知れない。


「彼女の言う通りですセレイナ様。相手側には神の側近と、その部下が居ると推測できます。そこまでの力を持つ者達に、策や小細工を用いてもその真価が発揮できるとは思えません」

 策というものは強者に立ち向かうべく立てるもの。しかしことその強者との力の差が開きすぎていては話にならない。チーフの手下は最低でもドラゴンの低級クラスと言われている。

 何人の部下を連れてきているかも不明。そもそも彼が戦いに介入してくるかどうかも解らないが……。ここは対策も考えておかねばならない――――と言っても、ノーレが述べた様に現状では策を弄しても大した効果は得られないだろう。

 かといって悠理クラスの出鱈目な力の持ち主もそうはいない。強いて言うならファルールやセレイナに期待するしかないが、神に仕える兵士相手にどこまで奮戦出来るものやら……。

「――それに敵には祝福殺しが居ます。卑怯な手を使ったとは言え、ミスターを退けた強敵が」

「うむ、近くで見ていてぞっとしたぞアレは……」

 マーリィとリスディアは主従揃ってカーネスの存在を危険視していた。セレイナ達からの情報提供で、彼の祝福殺しには以下の特性があると判明している。


 “直接対象に触れなければ発動しない”

 “隔離した祝福は何処かに収納しなけばならない”

 “収納場所は精霊石、自分自身、彼のみが使用できる異次元、のどれか”

 “自分自身への収納は一つまで、収納している間は自身の祝福として使用可能”

 “異次元への収納は最大三つまで”

 “異次元へ収納した祝福の持ち主が死んだ場合、その祝福は消滅する”


 この事から、祝福殺しと言っても大規模戦闘では効果は発揮され難い――――が、カーネス・ゴートライが強敵である所以は例え祝福が無くとも十二分に脅威的なことにある。

 昨日の悠理との戦闘――――カーネスの動きは祝福や精霊石の類に頼ったものではなく、その全てが研鑽に研鑽を重ねて手に入れた身体能力と剣技。生身の人間がその位置にまで届くことは非常に稀。間違いなく彼には強者としての素質があり、そこに至れる天才と生まれて来た。

 確かに昨日の戦いでは悠理にも十分勝機がある様に見えた。だが実際には錬度に置いては圧倒的な差がある。

 それもそうだろう。悠理の強靭な肉体や技術は、もたらされた能力によって無理矢理引き出したもの。

 使いこなしている様に見えて、本人ですら手に余ると感じる時が確かにあったのだ。ただし、レーレ、ファルール、エミリーに勝利した事から、能力を扱うセンスにかけてはカーネスに引けを取っていないハズ。

 しかしやはり二人の間を隔てる壁は錬度――――その一言に尽きてしまう。


「ああ、他にもカーネスどの程に強い奴が居る――となると、ますますノーレどのの言う通り、小細工は無意味」

 そう言いながらファルールが浮かべたのは悔しさ。ここで自分の存在を強く主張できれば良いのだが、故郷を焼かれ“祝福喪失者”となった彼女にはそう簡単に出来る行為ではない。

「――じゃあ、どうする?」

 セレイナもその心境はファルールと同じである。王女としての権限を何一つ持たない彼女……。

 一応は武芸の心得もあり、昨晩はファルールと全力勝負をした結果、決着が着かなかったと言うのだから十分な戦力に成り得るだろう。

 ――――が、果たして未知数の戦力相手に自分自身が何処までやれるか……と言う不安は拭えない。勿論、相手がドラゴンだろうが、神の手下の手下だろうが一向に退く気はないとも。

 だが現実問題として、今回は精神論だけでは解決できない事柄である。

 何とか解決の糸口を探ろうとするが……容易ではない。敵には全てを見通すアルフレド、あらゆる敵を打ち倒す黒き騎士カーネス、と言う強敵が居るのだから。

 グレッセ王都に進軍し、これらを打倒するのなら何か、何処かで彼等を出し抜かねばならないのだ……。


「――――カーネスは俺が何とかする」

 重々しく、だが鋼よりも硬い意思によって悠理は決意を言葉として成す。

 いつもなら『俺に任せとけ!』位は言い出しそうだと誰もが思ったが、今回に限ってそうも行かないのは本人が一番自覚している。何しろ彼は一度負けているのだから、もう二度と負けられないのであれば確実に邪魔の入らない一対一が望ましい。

「しかし獣面、お主は我々の最高戦力じゃぞ? 敵の戦力が未知数な今、奴のお守りを任せたら――」

「他が手薄になってしまいますな……」

 今日はいつに無くリスディアが冴えている。そしてそこに今まで影の薄かったルンバもようやく言葉を発した。

 それを気に場は沈黙。あれもダメ、これもダメ。何をするにしてもアルフレドの監視があるとなればいくらでも先手を打たれる上に、戦力も向こうに分があると推測。

 こちらは大半が“祝福喪失者”の集まり。低級ドラゴンを討伐する感覚で挑むなら戦力不足もいいところ。しかも相手方のドラゴン達の数もよう知れぬ。戦力不足に加えて情報不足。

 戦いに勝利する為に挑む上であって然るべきアドバンテージが何一つ無い状況。これを覆すのは容易ではない――しかし……。

『お困りの様ですね廣瀬さん』

 突如、部屋に響いた声により事態は急変する。

 人は突然舞い降りてきた幸運を奇跡か、神の気まぐれと呼ぶ。

 ――この出来事が後者であると彼等が知るのはこの直後である。

うわーん、予定よりも進行が遅いよぉ……。


――あー、でも今に始まった事じゃないし、ここまで読み続けてくれてる読者ならきっとタフだし、気にしないかな?


とにかく途中で筆を折ることの無きようにせねば!


次回が終わったら、超展開になるかもです(※)。


※いきなり最終回とかにはならないから安心してください。

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