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召喚者は究極自由人!  作者: 暮川 燦
第一章・召喚されし男とグレッセ王国編
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ヨーハ、寝ながら悠理に懐く――その時、女性陣の反応は!?

あれ、ここで区切るつもりなんてなかったんだけど……。


珍しく一部の表現に熱が入っちゃったみたい。


そんな訳で、チーフの正体は次回に持ち越しデース。

 ――悠理達が気絶してから約二時間後……。

 騒ぎを聞きつけたカーニャとノーレも作戦会議用テントに集まって、二人の様子を見守っていた――のだが。

「うひひ……すー……すー……」

「うぅっ……ウッ……! ……ふぅ……」

『なぁ、この状況どうすれば良いと思う?』

 突如倒れた悠理とヨーハは抱き合った態勢のまま、その場で眠りについていた。一応、タオルケット位はかけてあるが、基本的には気絶してから彼等を移動させたりはしていない。

 目の前で突然倒れた事にはレーレもセレイナも驚いたが、ただ意識を失っただけだと解れば大げさにする必要も無いだろう。

 この場に居る全員が二人に微妙な視線を送っていた。

 ある者は嫉妬、ある者は羨望、またある者は苛立ち、ある者は慈愛……。見事にバラバラな感情はけれど同じ人物に向けられている。

 見ればヨーハは気持ち良さそうに眠っている。まるであどけない少女が無邪気に遊び周っているかの様な寝顔。きっと楽しい夢を見ているに違いない。それとも抱き枕の性能が良いのだろうか?

 一方、抱き枕――こと悠理だが……。彼は何度か魘され、ヨーハの束縛から逃れようとした。しかし、余程抱き心地が良いのかヨーハがそれを許さない。確りと身体を密着させて首をロック、足も彼の腰に回してガッチリと固定していた。侍女……ひいては淑女にあるまじき破廉恥な態勢ではあるが、相手を捕縛すると言う目的においてこれほど優秀な技は無いだろう。


「ユーリは叩き起こしましょう」

 ニッコリと爽やかささえ覗かせる満面の笑みのカーニャであるが、その拳は硬く握られ、こめかみには青筋が立っているのは隠せない。

「ね、姉さん、それはちょっと――」

 二人を優しげな視線で見つめていたノーレが驚きの声を上げつつも姉を止めに入る。この面子で抱きしめ合って眠る彼等に対し、負の感情を持っていないのは彼女だけ。だからこそ、周囲の冷ややかな、それでいて燃え滾る様な敵意とも怒りとも取れる空気に気付けずにいたのだ。

「待て――――ヨーハも纏めて俺がヘレンツァで……!」

「ダ、ダメですよセレイナ様!」

 自身の所有物とも言える侍女の醜態が見ていられないのか、唯単に幸せそうな寝顔に腹を立てたのかは定かではない。

 ――が、どちらにしろ彼女が自身の獲物を構えようとするのを止め無ければならないのは変わりなく……。

 そうしようとするのがノーレ一人だけであることも変わりないことである。

「――あはっ♪ もぉ……だいたぁん……」

 周りの騒がしさなどそ知らぬ様子で暢気に寝言を呟くヨーハはある意味大物かもしれない。

 相変わらず、ぎゅっと力強く悠理を拘束中である。

「――うーん……か、身体が……」

『おっ、騒いでる間に起きたみたいだぜ? どーよユーリ、調子は?』

 どうやら彼は周囲の騒がしさに反応して目覚めた様だが、まだ焦点は合っていない。

 夢と現実を行ったり来たりしているのか、レーレの言葉を飲み込むのにさえ僅かに時間を要した。


「……ん、レーレ……か? いや、アイツはこんなナイスバディじゃ――」

 直ぐ近くで聞こえた声と、身体に押し当てられる柔らかな、それでいて温い人肌。寝ぼけていた悠理はそれをレーレのものだと一度解釈した。先入観念とでも言うべきか、ここ最近は彼女が夜中にテントへ侵入して来て抱きついて眠っている事が多かったのだ。

 だからつい、今回もそうだと思ってしまった。

 ――しかし、寝ぼけていてもそれが間違いだとは気付けるもの。何故ならあまりにも違う、不憫と言って差し支えないほどに。

 レーレは何と言うべきか……、腕の中にすっぽり納まって抱き心地が良い。体格差も合間って、抱きしめ返せば自分の方がより抱きしめていると言う感覚が半端じゃない。

 肉体の一部分が薄い(極端に)こともあってか、触れ合えば心音がダイレクトに伝わってくるのも大きな魅力――だが、裏を返せば包容力に欠けるとも言える。

 その点、ヨーハは優秀だ。悠理やノーレ程じゃないにしても身長は高く、リリネットには負けるが中々に女らしい発育豊かな身体つきをしている。

 押し付けられた二つの乳房は柔らかいだけにあらず、弾力があり、はりがある。ヨーハが動けばそれは少し形を変え、感触をも変化させていく。時にぐにぐにと、またある時はふよふよと。本来は貧乳好きの悠理だが、おっぱいが嫌いな訳ではない。こうした感触を味わえるのは男として至福と言わざるを得なかった。

 そして何より、同じ抱きしめられるのであっても体格差が与える影響は大きい。

 レーレではどう頑張っても子供が大人に抱きついている様にしか見えず、先程述べた様に抱きしめ返せば体格のデカイ方が一方的に小さい方を覆い隠すことが可能だ。

 つまりはお互いに抱きしめ合っていると言う感覚が乏しい。

 体格に大きな開きが無いヨーハと悠理なら、互いに互いの身体を包み込んでいると言う実感が持てるだろう――――いや、今回は彼女が一方的に絡みついて来ているのだけれども。

 ――とにかく、そう言う理由で寝ぼけた頭の悠理でも判別は効く。でもその性で要らぬことを口走ってしまったのには気付かなかったみたいだが。


『――――うおりゃっ!』

「へぶっ!? ガクッ…………」

 有無を言わさずレーレの拳が悠理の鼻っ面に直撃! あまりの早業に一同何が起きたのやらと唖然。

「な、何やってるんですか! だ、大丈夫ですかユーリさん……?」

 ノーレが慌てて悠理に駆け寄っ肩を揺さぶるが応答なし。再び夢の世界へと帰ってしまったらしい。

 しかし、彼がこうして気絶するのを見るのは果たして何度目だっただろうか? 彼女はどうもそう言う場面に居合わせる事が多い。――いや、数えたところで意味なんかないのだけれど。

『いや、何かスゴく失礼な事を言われた気がしてよ』

「奇遇ね、アタシもよ」

「俺様もそう聴こえたぜ。何にしろ良くやった」

 異世界であるノレッセアでは当然通じない言葉が多くある。悠理は意識してそれらの単語を使わない様に気を使っていたのだが、今回みたいに寝起きのぼーっとした頭では疎かになる事がある様だ。

 しかしながら、直感とは言えその言葉の意味を悟ったレーレは流石というか、悠理の事を良く理解しているというか……。

 何はともあれ、こうしてレーレ、カーニャ、セレイナの三人。

 後に“貧乳同盟”を組む事になるメンバーはこうして絆を深めたのだった。

あー、文字はそんなに打ってないハズだけど疲れたー。


ネマショー!

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