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召喚者は究極自由人!  作者: 暮川 燦
第一章・召喚されし男とグレッセ王国編
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番外編・四姫ってなぁに?・前編

艦これのイベントしてたら疲れちゃった……。


――と言う訳で、今回はなぜなになで――――的なお話です。

「――ふむふむ、成程なぁ」

 ――時はメレッセリアを出て二日目の夜。

 狭苦しいテントで開かれているのは勉強会。講師はノーレ、生徒は悠理、一応アシスタントでカーニャ。

 何故こんな状況になったかと言うとそれは本人の希望によってだ。

 この世界にやってきて二週間と少しが経った訳であるが、自分はあまりに情報を知ら無さ過ぎる。

 チーフと呼ばれる謎の男についてもそうだが、今後敵になるであろう相手の事はキチンと知っておきたい。でなければいつか必ず足を掬う要素になるだろう。

 教わったのはコルヴェイ軍のこと。基本的には侵略した国の兵士を“祝福”で“契約”させているとか。ついでに言えば彼等は故郷の国民を人質に取られている様なもので、物理的にも精神的にも逆らえないようになっている。

 ただし、リスディアやその子飼いとも言うべき存在であったファルールと白風騎士団に至っては例外。

 彼女達には人質になるような相手が居なかった、と言う。まぁ、騎士団に関してはリスディアの力で束縛されていた訳であるが。


「では、次に“四姫(しき)”の説明をしますね?」

「はーい、ノーレせんせー!」

「えぇっ、せ、先生? ……うぅ、な、何ですかユーリさ――ユーリくん?」

 出来の悪い生徒を装った悠理(実際に出来は悪い)が、ノーレを茶化す。

 そのノリに彼女は予想通り恥ずかしがってはいたが、案外付き合いが良く、本当に彼を生徒と見立てて接してくれる。

 ――補足にはなるが、ノレッセアにも一応教育機関があるらしい。最もそれは良くあるファンタジーノベルにありがちの裕福な家庭に限られた事だ。

「四姫って――何?」

「そ・れ・を、これから説明するんでしょーが!」

 話の腰を折ったしょうもない質問にカーニャが切れ、悠理のこめかみにグリグリと拳を押し付ける。

「イデデデ、スマン、学生だった頃を思い出してつい、さ……」

 ――実を言えば彼は学生時代にそんなアホな質問をした事はない。唯、当時は出来なかったことをやってみようという発想から行動に移しただけ。ちょっとだけ、若い女教師をからかう不良生徒の気持ちを味わえたが――これは楽しいものだ……こめかみをグリグリされるのは勘弁願いたいけども。

「え、えっと、続けますね? 簡単に言うと、四姫はコルヴェイ王の側近――――それもかなり強力な祝福を有する王族、もしくはその末裔で構成されています」

 ――コルヴェイ王の四姫……。コルヴェイ軍の最大戦力とも呼べる四人の少女。

 どういった経緯かは定かではないが、ノーレの説明にある様にメンバーは王族の血を引く者で構成されており、大陸の中でも珍しい祝福を所持しているらしい。


「――えーっと、“神出鬼没のルシアン”に“時の娘ヨウラ”……、残り二人は補充されたのかしら?」

 ここに来て説明にカーニャが加わった。今までノーレに任せっきりだったのに、だ。

「――補充?」

 どうもつい口走ってしまったと言う感じではあるが……この事については彼女も詳しいのかも知れない。何故って口調に迷いが無い。悠理が食いついた“補充”と言う単語も状況を把握している者ならではの自信が感じられた。

「…………、実は数年前に二人行方不明になったらしく、空席になっていた期間が()()()()()んです」

「そ、そうそう、そんな話を聴いた事があってね」

 カーニャの説明を補足するノーレだが、姉を見る目には少しだけ怒りの色。

 それを受けてカーニャも惚けた返答。これは彼女達が自分達の事を隠そうとしている時の光景であると悠理も気付いている。

「へぇ、ノーレはともかくお前がそういう話に明るいなんて意外だな」

 ――が、ここはあえて突っ込まない。いつか話す機会が来るまで信じて待つ、悠理はそう決めていた。

「意外は余計よ! ……で、今はどうなってるんだっけ?」

「“鉄仮面グリキルナ”と“業火牛シャンシィ”――――の二人ですよ」

 その問いに応えたのは第三者、狭いテントの中に構わず入ってきたマーリィの声。

 唯でさえ三人でオーバーな空間に四人目が入るとどうしても肌が密着してしまう。

 ――ちゃっかり、黙って悠理の隣に陣取るのは流石と言うか策士と言うべきか……。

「マーリィさん? 何か用でもあった?」

「……いえ、ミスターが勉強に励んでいると聴きまして、お力になれればと」

「そっか、ありがとな」

 正直に言えばリスディアが寝てしまって暇を持て余しただけで、勉強の手伝いに来た訳ではない。

 ――――悠理と話が出来れば何でも良かっただけで……。

 決して口には出さないがその思いは向けられた本人以外には伝わっている。

 だからなのだろう…………カーニャとノーレが少しだけむっとしたのは。


「ふーん、“シャンシィ”はともかく、“グリキルナ”? そんな子、あの辺りの王族に居たっけ?」

 不機嫌そうな視線をマーリィに向けてながら、カーニャはまた失敗をした。最早、天然を超えた圧倒的事故率。いかに彼女が隠し事に向いていないかを浮き彫りにしたと言える。

「ん? 何だ知り合いかカーニャ?」

 これには突っ込まないと決めた悠理も条件反射で訊いてしまった。

 ――まさか、カーニャ達は北方出身なのか?

 ふと頭の中に過ぎる仮説――いや、かなり高い確率で的を射ている場合は仮説呼ぶべきなのかは解らないけれども。

「えっ? あっ、いや! 何でもないわ、よ?」

「――――――」

 ハッとして妹を見る姉――怒っている……。間違いなく、確実に、絶対怒っている!

「あれ、どうかしたのかノーレ? 眉間に皺寄って怖くなってるけど」

「……何でもありませんよ」

 カーニャの失敗に気付いてないフリをしながら、あえてノーレに話を振ってみたが……悠理から見ても彼女は怒っていると断定できる。

 一種の癖とも言うのだろうか? ノーレが怒っている時、彼女の顔はいつものおどおどした雰囲気がなくなりキリッとした表情になるのだ。今の顔付きはまさにそれ。

 あまりこの状態が長く続くことは悠理にとっても望ましくない。

 ――――であれば。

「ふぅむ……、良し、俺がその皺を取り除いてやろう! ――ちゅっ」

 この状況をひっくり返すべく秘策を繰り出す――――対面に座っているノーレのおでこに。

「……ひゃっ!? ひゃあぁぁぁぁぁっ!!」

 額に悠理の唇が一瞬触れる。あくまで一瞬だけ。しかし彼女にはそれで十分。あっと言う間に顔つきが普段の大人しいものに戻り、自分がされた行為に慌てふためいている。

「人の妹に何やってんのアンタはぁぁぁぁっ!!」

「ぐぅえっへッ!?」

 無論、それを見てカーニャは黙ってはいられない――――主に彼女の拳が。

 叫びを上げた時点で既に繰り出されていたその一撃は回避する猶予を与える事無く悠理の顔面に突き刺さっていた……。

 ――余談ではあるが、こうなる事を予想してノーレのおでこにキスをしたのだけれど、この迂闊な行動が更に場の雰囲気(女性陣の)を重くするとは全く考えていない悠理であった……。


※後編に続く。 

やっぱ一日半でイベントスピードクリアは疲れるよなぁ……。


脳が働くことを拒否ってたから、雑になってしまった。


――オヤスミュー……(このネタが解ったら正直感心する)

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