波乱の事前交渉?
――――?
あれ、どうしてこうなった?
※微エロ要素があるので閲覧注意。
メレッセリアの郊外に終結し、休息を取るルンバ・ララ隊。
そこから少し離れた森の中――悠理は眷属姉妹を召喚し、お使いを頼んでいた。
「――って訳なんだ。レーレ達に伝えてくれないか? あと、見付かると面倒だからこの人もついでに持ってってくれ」
姉妹へ渡したのは拘束された一人の男。これは彼が敵の中へ潜入する際に気絶させた風貌の似た男である。似ていると言ってもそっくりさんでもない。唯単にどちらかと言えば似通った風貌の男と言う軽い認識で良い。
悠理の能力で自由を奪われた男は、今まで街にあった巨大樽に閉じ込められていたが、忘れたままになりそうだったので回収してきたのだ。
『……ショウガナイワネ』
『アーイ、イクゾー!』
「――――! ――――!?」
彼女達はレーレとの繋ぎ、悠理がコトを起こした際には直ぐに動ける準備を頼んでおいた。彼自身はまだやる事があるのでここを動けないのだ。
「さて、それじゃあ俺は――――」
遠ざかっていく眷属達を見送って踵を返す。部隊に戻って仕込みをしなくてはならない。
――ルンバ・ララ隊を一方的に一網打尽にする仕込を……。
「あの侍女さんと話をつけてくるか……」
隊長のルンバに気に入られた悠理は、グレッセ王国第一王女セレイナ姫、その直属の侍女“ヨーハ・ヨーハ”の世話を一任されていた。
――彼女は大人しく待っているだろうか?
見張りも立てておいたし、大人しくなる様な仕掛けもしてあるのだが……。
微かに不安を抱きつつも、彼はヨーハの居るテントへ急ぐのだった。
――――――
――――
――
「気分はどうだ?」
ヨーハを捕らえてあるテントへ戻ると、見張りを頼んでおいた兵士が顔を赤くしながらそそくさと立ち去って行った。
それも仕方ないのかも知れない。何故なら――。
「んー! んーっ、んーッ!」
「――いやぁ、目隠しにボールギャグってのは鉄板だよな!」
――そう、彼女は両手足を椅子に拘束された上に、目隠しとギャグボールを着用させれらていたのだ。
口から漏れる荒い吐息と零れ落ちる唾液、顔は紅潮し、視覚を封じられている性かプルプルと震えている。侍女服のエプロン――そのスカート部分には彼女の口から零れた唾液が大きなシミを作っていた。
こんな姿を見れば殆どの男は興奮せざるを得ないだろう。言動は残念でも身体つきは女のソレ。一歩間違えば見張りに襲われていたかも知れない。
だが、ルンバ隊の面々は顔こそ強面が多い集団でも心はピュアな紳士達だ――――意外なことに。
――まぁ、あの見張りが彼女を襲わなかったのは、そうしないように予めその自由を悠理が奪っていたからでもある。
「これはこれで素晴らしくエロい!――――が、今はそんな事してる場合じゃないよな……っと」
これは勿論、この男の悪知恵。意識を取り戻したらまた喧しく騒ぎ立てるに違いない。そう見越しての判断である。今彼女に暴れられたら悠理も都合が悪い、故に仕方ない――と言う建前の元、趣味に走ったわけであるが。
「――――ぷはッ!? はぁ……はぁ……や、やっぱり、ヨーハにいやらしい事をする気でしたね! この変態! 鬼畜!!」
ギャグボールを外した瞬間に、怒り心頭と言った様子で捲くし立てるヨーハ。
彼女の怒りを体言するかの如く更に顔が真っ赤に染まる――が、果たしてそれだけだろうか?
「ハッハッハッ、でもさ――――好きでしょ、こう言うの?」
廣瀬悠理は女性経験どころか、異性と付き合った事すらない。
だがしかし、アダルトなゲームをかなり嗜んでいる事から経験上この手の相手はMであると確信がある。
――ゲームはフィクション!、と言われたら耳が痛いのだけれど。
「う゛、な、何の事で……んひぃっ!」
一瞬、ギクリとして、だが否定しようと仕掛けた所で、耳に、ふーっと息を吹きかけれる。
するとヨーハは興奮したのかあからさまに身体をビクビクと震えさせた。
「口で抵抗してても身体は正直だな」
彼女からは勿論見えないが、この時悠理は『一度は言ってみたい台詞』を実演出来てご満悦だったのは言うまでも無い。
――と言うかこの男、こんな事をして何を意味があるのだろうか?
頭の中に浮かんだ疑問をヨーハはぼんやりとした頭で考える。当然、それが悠理のちょっとした悪戯――『ドMの女子を見たら責めずにはいられない!』と言う特殊な趣味である事は知る余地もない。
「――ふぅ……ふー、こ、こんなもので、ヨーハは……屈したりなんか――ひぅッ!?」
自分を襲った嗜虐の快感に惑わされまいと、更なる抵抗を見せるヨーハ、だが――。
「い、いや……ぬるぬるが足に……!」
例えフィクションであったとしても、火の無い所に煙は立たず。作り物には必ず何%か真実が潜んでいると悠理は考える。
故に彼はドMの喜ばせ方を熟知しており、ヨーハに抵抗する暇を与えるハズもない。
「おっと、暴れるなよ? でないと危ないからな」
拘束された足の縄を器用に片手で解いていく、もう一方の手はスカートが汚れないように膝の上まで捲り上げていた。
「ひっ、ぬるぬるを足に塗りたくって何をしてるんですか!?」
「さぁ、何だろうねぇ~♪」
この時、目隠しされたヨーハは既に悠理の術中に嵌っていると知らない。
足に塗っているのは――――唯の石鹸。そう、彼は単純に足を洗っているだけ。
何故、足を洗う必要があるのかと訊かれれば、身動き出来ないドMを責める最適な方法だと考えたからで、意味などはない。
――が、視界を塞がれた侍女は何をされているか解りようがなく、そうしたら想像するしかない。淫靡な妄想を……。
「こ、こんな事でヨーハが下ると思ったら大間違いで――――ひぅんっ!!」
普通だったら石鹸の匂いで気付きそうなもの。けれど彼女は間違いなく責められることに喜びを見出す特殊性癖者――――であれば、自分の都合の良い様に解釈する。より興奮し快楽を得られる様に……。
「――や、やぁ、指の股をっ、そん……なに、擦ったらっ……ダメ……れすっ……!」
悠理の指はテクニシャンと言うか、いかにもマゾが喜びそうな触り方をしている。その動きはとにかく執拗。強弱をつけつつ、全体をくまなく弄り弱い部分を見つけては責める。
けれどそれだけではない、一旦責めたと思ったら暫くは放置。先程執拗に刺激した箇所を放っておかれたら辛いだけ。触って欲しくてヨーハは無意識に足をもぞもぞとさせ、懸命にアピールする。
おねだりをしないのは唯一残った理性か? それとももう考える余裕など無い程行為に没頭しているのか……。
(やばい、やってる事は健全なのに全然健全な感じがしない! あと楽しい!!)
生来、ドSの気質を持っていたのは本人も自覚はしていたが、こんな所で実感するとは。
ヨーハのスラリと伸びた足を巧みに責めながら悠理はこの悪戯に熱中していく。
「フゥ、フーっ……、こ、こんなっ! コトを、してぇっ!! な、何が……望みで、すぅ!?」
この時、悠理は当初の目的をほぼ忘れかけていた。だがこれも悪戯と言うべきか、ヨーハの指摘で思い出す――本来ならこんな事やってる場合ではないのではないか、と。
「ん? あっ、忘れてた。実は俺、グレッセ王都の異変を知らせれて、グレフ・ベントナーの使者として解放軍を率いているんだ。今はこの部隊に情報収集の為に潜入してる最中――――つまりは君とお姫様を助けに来たってわけ」
説明しつつも手は決して止めない。むしろ、今まで以上に激しく10本の指を蠢かせ、白い素足へと這わせていく。
「そっ、そんな作り話で、ヨーハを……懐柔でき――んひぃぃぃッ! あ、あぁ、股(指の)を……そんりゃに、激しくしたら――――!」
放置されていた指の股を激しく擦り上げて行く、それと同時に足の裏を刺激しながら、大胆にも脹脛から膝裏までストロークの要領で撫でられる。
「――ん、んひぃぃぃぃぃんッ!?」
ここでついに彼女の感じる快感は限界まで達した。拘束されたままで激しくのけぞり、舌を突き出してビクビクと身体を痙攣させる。その顔は淫らな女以外の何者でもない――――やっていたのは“足を洗う”、唯それだけだったのだけれど。
「まぁ、この事に関しては信じてもらうしか方法はないんだけど……どう?」
「は、はひっ……信じ……まひゅう……らから、もっろぉ……♪」
ヨーハは自身の右足に集中する未曾有の快感に酔いしれ、顔をだらしなく蕩けさせている。
如何にもエロゲーにありがちな表情。まさか、“廣瀬流・足洗い拷問”にここまでの威力があるとは……。
「やっべ、やりすぎたか? まぁ、黙っててもらった方がややこしくならなそうで良いけどさ」
――まぁ、恐らくこれでこんなになる女性もそう多くは居まい。間違いなく彼女が特殊なケースだっただけで。
「――――で? アンタはいつまでそこで侍女の痴態を眺めているつもりだい?」
ヨーハのリクエストに応えて左足を洗い始めながら、悠理は背後に語りかける――。
「居るんだろお姫様?」
――が、首だけ振り向いてもそこには誰も居ない。だがしかし、虹色に輝く悠理の瞳は捉えていた。
こちらに向けて物騒なハンマーを振り下ろそうとしている少女の姿を……!
ハッハッハッ、まさかここで微エロシーンになるとはね。
今回出てきた“廣瀬流・足洗い拷問”ですが……。
――実はファルールが受けるハズのモノだったんですよね。
だけど書いてる内に、する必要性がなくなったのと、リミエリアルの腕輪使って合法的にイチャイチャするシーンが出来たので、いつの間にか消えてちゃったんだよね……。
まさか、ここで復活するとはな……。
次回、セレイナ姫登場!