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17話・人違い


「お──い、竜胆! 竜胆いるんだろう? 俺だ。アコダだ」


 固く閉ざされた門扉を前にして、アコダが大声を上げた。すると門扉が勝手に開く。私は、門扉が誰もいないのに空いたことに対してびっくりした。それなのに他の三人は平気だった。


「凄いな。勝手に開いたぞ」

「自動式か?」


 良く分からないけど、ノアールは納得しているようだ。開いた門扉を通り中へ入ると大きな木造の建築物が待ち構えていた。私達が住む王都や、以前私が働いていたボーモン子爵家の石造建築のお屋敷とは全く違う造りだ。まるで他所の国に来たみたいだった。


──こういうの、何と言うんだっけ? えっ──と。子供の頃に父から聞いたことがあるような?


「東洋建築」

「デカいない。木材を生かした建物か?」

「自然と調和しているみたい」


 私が心で悩んで行きつかなかった答えを、ノアールが口にしていた。そうそう東洋建築。そう思っていると、アコダやカルロッタが興味を惹かれたように、建物を見上げていた。そこへ建物の奥から浅黒い肌をした女性が現れた。彼女は、緑髪を緩く編み込んで後ろに垂らし、緑色のドレスを着ていた。ドレスは彼女が動くことに、孔雀石の模様と同じ、目玉のような模様が揺れて見える。異様な美がそこにあった。彼女は縁台からこちらを見下ろし聞いてきた。



「誰? この山に許可なく入り込むなんて? 迷い人?」

「私達は、この国の女王陛下直属の捜査官クリュサオルだ。このノースデン山はアイオライト公爵家の──」

「あなたさまは──?!」



 相手は最後までノアールに言わせなかった。目の色を変えてノアールに駆け寄り飛びついた。



「なっ!」

「青金さまっ。お会いしとうございました」

「違う。俺は青金じゃない。人違いだ。離れろ」

「青金さま、青金さまっ」



 ノアールは嫌そうな顔をして、飛びついてきた彼女から距離を取ろうとした。彼女はノアールの反応など構わず、彼の腕に自分の腕を絡ませる。それを見てまただと思った。スターシャも、ノアールのことを青金と間違えていた。スターシャの時には何とも思わなかったのに、この美女がノアールに抱き着いたのは不愉快だった。



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