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13話・ノームに会いました



「坊ちゃん、坊ちゃん」

「……! 小人?!」


 翌日。ノアールと調査の為に出かける為に玄関前にいたら、足元から声がした。何かと思って、その声の方を見て驚いた。そこには体長15センチくらいの赤い帽子を被った老人がいた。唖然とする私とは違ってノアールは平然としていた。しかも声をかけている。


「久しぶりだな。ロージイ」

「坊ちゃん、大きくなって……」

「その坊ちゃんは止めろ。ノアールと呼べ」


 ロージイと呼ばれた小人の老人は、ノアールを仰ぎ見た。それが異様に可愛らしい。そのような存在から「坊ちゃん」と、呼ばれておろおろしているノアールがおかしく思えて、思わず笑ってしまった。だからだろう、慌てて彼がロージイに止めろと言っていた。


 そこへ出かける支度が整ったアコダ達もやってきた。


「ロージイ。久しぶりだな。元気にしていたか?」

「おおっ、アコダさまも。それに麗しのカルロッタさまもご一緒とは」

「ロージイ。相変わらずお世辞がうまいのね」


 ロージイの言葉に、カルロッタは気を良くする。この小人と皆、顔見知りのようだ。どのような知り合いなのだろう? 気になっているとロージイと目があった。


「坊ちゃん、こちらのレディーは?」

「こちらはサーラ。私の仕事の助手をしてくれることになった。サーラ、こっちはロージイ。ノースデン山に住んでいる妖精のノームで、ノームの長だ」

「はじめまして。サーラです。妖精さんに会えるなんて思ってもみませんでした。お会いできて光栄です」


 童話の世界だけに存在すると思っていた小人との、まさかの出会いに感激した。



「ほ──っ、ほっほ」

 

 そう笑いながらロージイは、私の周囲を一周した。


「これは珍しい御仁じゃ。竜人の血と人魚の血を引いてなさる」

「さすがロージイだな。分かるのか?」

「勿論ですじゃ。無駄に長生きはしておりませんからな」


 そうでした。忘れがちだけど私も一応、竜人と人魚の血を引いている混血児だ。自覚はないけれど、見る人が見れば分かるらしい。アコダが膝をついて手を差し出すと、その掌にロージイはひょいと乗って来た。見た目は老人でも、動きは機敏のようだ。そのロージイは神妙な顔つきになって言った。



「ここにはお願いがあってまいりましたのじゃ。話を聞いていただけますかの? 坊ちゃん」

「だから坊ちゃんじゃなくて……、ああ。もういい。それでロージイ、どうした?」

「最近、ノースデン山に頻繁に人間がやってきては、我らが住む鉱山を勝手に掘り起こしていくのですじゃ。我々は生活を脅かされておる」

「それはおかしい。今のノースデン山はアイオライト公爵家の私有地となっていて、公爵からの許可がないと入れないようにしていたはずだ」


ロージイの告白に、ノアールが不審な顔をする。何やら私の知らない話が続いて行く。ノアール達の話を聞いて何となく分かったことは、ノーム達の住むノースデン山は、アイオライト公爵家の私有地となっていて、許可なく関係者以外の者は入れないということ。それなのに入ってきている人がいると言うことは、不法侵入?


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