第1話海洋世界アトランティス
俺が目を覚ますと磯の匂いともに広大な海が見えた。
どうやら俺は海辺の砂浜に送り込まれたらしい。
「貴方が海道拓魔さんですね?」
背後からそう声をかけられた。
「そうだが、君は?」
「アクオス様から遣わされました
天使のミカエラフェールと申します
長いですのでミカと呼んでください」
「そうか君が俺の支援をしてくれる存在か
天使とは予想が着いていたが驚いたな」
俺に話しかけて来た少女は確かに背中に一対の羽を持つ天使だった。
見た目の年齢は俺と同じぐらいに見える。
「女の子の年齢をパッと考えるのは感心しませんね」
「ッ、すまない」
「いえ、冗談ですよ
それに私は貴方の何万倍も年上ですよ」
ミカは俺をからかうように笑いながら言った。
「とりあえずよろしくなミカ」
「ええよろしくお願いします、、、私のヒーロー」
最後の方は何故か聞き取れなかったが
お互いに握手をして挨拶を交わした。
それにしてもミカはどことなく俺があの世界で最後に助けた少女と顔がダブった。
「とりあえずこの世界の話しを聞かせてくれ」
「わかりました、それではご説明させていただきます」
そうしてミカが説明してくれた事要約すると
この世界は13番目の世界のアトランティスと言うらしい
この世界は世界の9割が海で出来てるらしく船が日常的に移動手段に使われているらしい。
確かに俺が思い描いたヒーローにはおあつらえ向きな世界だと思った
更に言うなら予想は着いていたがアクオスは海の権能の神だと言う
ただ俺の事故は彼の仕業では無く彼の上の神がわざと彼の権能に関わる事で俺を殺そうとしたらしい
本当にふざけてるクソ野郎を上司に持った奴だな
この世界を滅ぼす事にしたのもソイツが言い出して他の8人の神が賛同したという。
マジでふざけるなと思うがそれに反発したアクオスが
賛同しなかった2人の神に頼み込み勇者を派遣してもらうことになったらしい
そのうちの1人が俺の世界の神様らしい
その話しを聞いて神も捨てたもんじゃないと思った。
神々が決定したこの世界の滅ぼし方は魔王軍を送り世界を滅ぼすつもりだそうだ。
この話しをしてる時のミカはこんな事を本当に実行しようとする神々に対しての軽蔑と憎悪を覗かせた表情をしてた
気持ちは分かるがその表情は怖いって
まぁそれだけ彼女の優しさがつたわるが
そして魔王軍の名前を聞いたら
「海底帝国ガタノゾーアだそうです」
「何!?それは本当か!!」
「ハイ、間違いありません」
俺はそれを聞きある種の運命じみたものを感じた
俺がアクオスに送ったイメージのベルトを使うヒーローは毎年題材が替わるシリーズで
『〇〇ライダー〇〇』となるシリーズだが
〇〇の部分はそのライダー題材と名前がそれぞれ入るシリーズになる
例えば『侍ライダー△△』『騎士ライダー☓☓』
こんな感じだ
その中で俺が1番好きだったシリーズが有る
それが『海賊ライダーバンガード』
海賊という悪党を正義のヒーローにしてしまう
例年でも類を見ない異色のライダーだ
だが海賊という悪党で有りながらライダーとして世界を守る姿がカッコよくてどハマりした作品だった
だから俺はアクオスに言われていの一番に思いついたのがバンガードのベルトのおもちゃとそれの付随するコレクション用の玩具シリーズだった
幼いながらなんとか全部集めきることができた
そんな作品の敵組織こそが海の底から世界を侵略しようと暗躍する秘密結社『海底帝国ガタノゾーア』だった
俺は何故この世界を侵略しようとする魔王軍がその名前を使ってるのかはわからないが話しの続きを聞き続けた
「なるほどなそりゃおあつらえ向きだろうな」
「私は貴方がアクオス様から貰った力の内容は詳しくは聞いてませんがそうなのですか?」
「ああ敵が俺の求めた力の元になった作品の敵組織を語ってるからな
俺がアクオスにイメージを送った時に『おあつらえ向き』って言ったのに色々合点がいったよ」
『なるほどですね
概要は聞いてるのですが海上の船の上で戦うのが得意とはきいてますしそれなら尚更そうかもしれないですね』
そんな話しをしてると俺達の前の海から水しぶきを上げ4つの影が飛び出した。
「まさか!もう私たちがここに来たのがわかったと言うのですか!!」
ミカは敵に俺の居場所がバレたのを驚いたが
俺はそれ所ではなかった。
「!?名前から嫌な予感はしてたが
本当にカイゾーグとカイボーグかよ!!」
「かいぞーぐ?かいぼーぐ?何ですかそれ?」
「あの怪人とその取り巻きの黒尽くめさ
怪人の方がカイゾーグ取り巻きがカイボーグだな」
「なるほどそんな名称だったのですね」
「ちなみにもっと言えばあの怪人は『スパイダーカイゾーグ』蜘蛛の力を使う怪人だ」
「なら私が抑えておきますのでアクオス様に授けられた力のご準備を」
そう言いながらミカは瞬時に飛び出しカイゾーグ達の前まで出るといつの間にか握られてる海賊が使うような銃でカイボーグの脳天を撃ち抜く。
撃たれたカイボーグの割れたガスマスクの部分から魚人の顔が見えた。
「私ではこの黒尽くめしか倒せません!!
何故か怪人の方には攻撃が通らないのです!!
だからお早く!!」
俺の知ってるカイボーグの中身とは違うと思っているとミカが叫んだ。
「ああ、すまない」
俺はミカにそう言いながらベルトとベルトの起動に使う鍵を思い浮かべる。
すると腰にベルトが首に鍵がいつの間にか有るのに気が付いた。
俺は鍵を引っ掴みポーズを取る。
鍵を変身ベルトである『バンガードバックル』の右側に付いてる小さな宝箱の鍵穴に刺して回した。
『トレジャーボックスオープン!!!
舵輪スタンバイ!!!』
鍵を回し終わるとベルトからそんな音声が流れ
俺の前にそこそこデカイ舵輪のエフェクトが現れる
「変身!!!」
俺はそう叫びながら舵輪を回し更にそのままポーズを取った。
『ジャックフォーム全速変身!!ヨーソロー!!!』
ベルトからそんな音声がなりどこからともなく黒い布のエフェクトが飛び込んで来て俺の周りを一回転して背後に広がるとそれが海賊旗なのがわかった。
そのままその海賊旗が俺を包み込み
それを片手でマントを翻すように祓うと
俺の姿が変わっていた。
その見た目は硬質的な鎧に海賊が被ってるような帽子と海賊が着てるようなコートを纏い
コートの腰の所を留めるようにバンガードバックルが付いており、脚はブーツがのような意匠に成っている。
「本当に成れるとはな」
「準備が出来たなら感傷に浸ってないで
コイツ等を倒してください!早く!!」
「悪い悪い、行くぞ!!」
俺はバックルの下に付いてるもう一本のベルトからカトラスとピストルを抜き即座にカイボーグの残り2体を斬り伏せて撃ち抜く。
『お前が魔王様が殺して来いと言ってた勇者だな
お前も俺達みたいに魔王様に改造されてるのか?』
『俺はお前達みたいに改造された人間な訳じゃない
俺はお前達の天敵だ!!』
『フン!!元々俺達は人間じゃないさ
俺は元々モンスターだった!!
俺をあんな下等な奴等と一緒にするなよ!!』
『!?』
『俺達は更に上位の存在になったのさ
例えお前が俺達と同じ力を持てても俺達には勝て無いぞ下等種』
「拓魔さん、その辺の話しは後で話し合いましょうだからソイツを」
『わかった、少し離れてろ!!決めるぞ!!!』
「わかりましたよろしくお願いします」
ミカはそう言って飛んでその場を離れる。
俺はバックルの右側に付いてる小さな宝箱『トレジャーホルダー』からコインを取り出す。
コレは『パイレーツコイン』って言うアイテムで海賊の力が宿る設定でコレクションアイテムとして売り出されていた。
そのパイレーツコインをバックルの左側にある
『インパクトスロッド』に入れ込んだ。
『バンガード全速必殺!!ヨーソロー!!!』
俺は構えて一気に飛び上がる。
『ジャック・ザ・インパクト!!!』
『喰らえ!!!』
俺はスパイダーカイゾーグに飛び蹴りをかまし
スパイダーカイゾーグを海に蹴り飛ばす。
『馬鹿な!?』
スパイダーカイゾーグは海に飛んで行き海面に叩き着けられると同時に爆発四散した。




