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闇を照らすヒロイン、星屑の裁き

作者: ともだち

夜の街は、静寂と喧騒が交錯する矛盾の坩堝だった。ネオンの光がビルのガラスに反射し、人工の星屑がきらめく。だが、その下には闇が蠢き、静かに牙を研いでいた。

男の名はザイラス。かつて人間だったが、今は「闇の使徒」と呼ばれる異形の存在。漆黒のローブに身を包み、顔の半分を覆う仮面の下で、赤く燃える目が夜を見据える。時計塔の頂に立ち、彼は下界を睥睨した。


「この世界は腐り果てている。偽善と欲望に塗れた人間ども…。俺が全てを闇に沈めてやる。」


彼の手から放たれた黒い霧が街に広がり、触れたものを腐らせ、恐怖を植え付けた。

人々の悲鳴が夜を切り裂く。


路地裏では、幼い子どもが霧に追い詰められ、恐怖に震えながら逃げ惑っていた。

霧はまるで生き物のように子どもの足元を這い、冷たく絡みつく。

ザイラスは仮面の下で冷たく笑った。この混沌こそ、彼の望む世界だった。


路地裏に、長い銀髪の少女が現れた。彼女は恐怖に震える子どもに駆け寄り、優しく肩に手を置いた。


「君は先に逃げて」


彼女の声は穏やかだが、揺るぎない決意を帯びていた。子どもは涙を拭い、頷いて路地を走り去った。

少女は立ち上がり、黒い霧の中心に立つザイラスの前に立ちはだかった。

彼女の瞳には、星屑のような輝きが宿り、夜空を映す深い青が揺らめく。

ザイラスは彼女を一瞥し、仮面の下で目を細めた。


「ふん、ただの小娘か。邪魔をするなら消えてもらうぞ」


彼の手から新たな霧が放たれ、少女を飲み込もうとした。


少女は静かに胸元の星形ペンダントに指を触れ、目を閉じた。

瞬間、彼女の周囲に光の渦が巻き起こる。その光景は、まるで宇宙の誕生を思わせる神聖な一瞬だった。


少女の身体が光の奔流に包まれた。華奢な肩が震え、星の鼓動に調和するように輝き始める。


光はまず腕を覆い、細くしなやかな指先から肘まで、銀色の光の糸が織りなすように絡みつく。糸は透ける白いシルクの袖を形成し、袖口には銀糸で星座が刺繍され、夜空の深い青と紫のグラデーションで縁取られる。


次に、光は脚を包んだ。流れるような脚線美が浮かび上がり、輝く粒子が螺旋を描きながら膝から足首までを這う。まず、深い藍色のニーハイソックスが形成され、星屑のような銀の輝きが散りばめられる。ソックスの裾には、星雲のような青と紫のグラデーションが揺らめく。続いて、光が結晶化し、純白のブーツが足首から膝下を覆う。ブーツには星と月のモチーフが輝き、夜空の青と紫の細いラインがアクセントとして施される。


光は胴体を包み、くびれた腰と優美な曲線を際立たせる。純白のドレスが現れ、胸元には星形の宝石が輝く。スカートは幾重にも重なるチュールで、裾には夜空の深い青と紫のグラデーションが滲み、銀糸の星々と星雲のモチーフが舞う。ドレスの胸元には、星雲のような銀糸の刺繍が施され、夜空の奥行きを表現。


光が手元に集まり、螺旋を描いてステッキを形成。星の結晶が中心に輝き、銀色の柄が形を成す。先端には小さな星が浮かび、宇宙の核を凝縮したように光る。ステッキが完成すると、彼女の手元に滑るように納まり、彼女の指が握ると先端の星の結晶が強く輝き、彼女の意志と調和。


最後に、銀髪が光に浴した。長い髪は彗星の尾のように流れ、星屑が織り込まれたように輝く。風になびき、光の粒子が舞い散り、まるで星々が彼女を中心に浮かぶ。


彼女を包む衣装が完成した瞬間、目を開けた。

その顔立ちは息を呑むほど美しい。高い鼻梁、柔らかな曲線を描く頬、星屑が宿る深い青の瞳は、まるで銀河の深淵を映し出す鏡。瞳には無限の星々が輝き、慈愛と決意が共存する。唇は淡い桜色で、微笑むと夜空に星が灯るような温かさを放つ。彼女の顔は、星の光を浴した彫刻のように完璧で、戦場に降り立つ女神の威厳と優しさを兼ね備えていた。銀髪が額を飾るように流れ、顔立ちの美しさを一層引き立てる。


シュルシュル、

ヒュッ


少女はステッキを軽く回し、しなやかな手首の動きで弧を描いた。ステッキの星の結晶が光を放ち、夜空に小さな星屑が舞う。彼女はステッキを軽く振り、先端の小さな星にそっと唇を寄せ、優雅にキスをした。瞬間、周囲の空気が彼女とシンクロし、一瞬明るく輝いた。まるで星々が彼女の意志に応え、力を貸すかのように、戦場全体が神聖な光に包まれた。その仕草は、星々に誓いを立てる儀式のようだった。


彼女は一歩踏み出し、夜空を見上げ、力強く名乗った。


「闇を許さず、光を導く! スターリア、降臨! 星の裁きを下します!」


その声は、星々が共鳴するように夜空に響き、戦場の空気を震わせた。


ザイラスはスターリアの変身姿に凍りついた。

彼女の銀髪が彗星のように流れ、ドレスの夜空のグラデーションが脈動し、星屑の瞳が放つ慈愛。

その神聖な輝きに、彼の赤い目は見ほれ、動きを止めた。

まるで時間が止まったかのように、彼の心は彼女の美しさに捕らわれた。だが、すぐに彼は我に返り、仮面の下で唇を歪めた。


「ふん、派手な見せ物だな! お前がスターリアか! だが俺を倒せると思うな!」



ザイラスは黒い霧を凝縮させた無数の槍を放った。槍は空気を切り裂き、スターリアに襲いかかる。だが、彼女はステッキを振るい、光の障壁を展開。槍は星屑のように砕け散った。


「そんな攻撃では届かないわ。」


スターリアの声は冷静、銀髪がふわりと舞う。

ザイラスは闇の稲妻を放ち、地面を焦がした。稲妻は雷鳴のようにスターリアを狙うが、彼女はステッキを一閃し、光の波動でそれを消し去った。


「次は何?」


スターリアは微笑み、ドレスの星座刺繍が脈動。


「くそったれ!」


ザイラスは苛立ちを隠せず、地面から黒い触手を伸ばし、スターリアを絡め取ろうとした。彼女は軽やかに身を翻し、ステッキで光の矢を放つ。矢は触手を一掃し、時計塔が揺れた。


ザイラスはさらに力を振り絞り、闇の魔獣を召喚した。地面が裂け、黒い霧から巨大な化身が現れる。

体長12メートルの狼で、漆黒の毛皮は光を吸い込み、剣のような牙と赤く燃える目が憎悪を放つ。


「グオォォォォ」


咆哮は空気を震わせ、地面を砕き、時計塔の石壁にひびを入れる。

爪は地面を切り裂き、尾は空気を鞭のように叩く。魔獣はスターリアを捉えると、雷鳴のような勢いで突進。瓦礫が飛び散り、闇が彼女を飲み込もうとした。

しかし、スターリアは動じなかった。

魔獣が巨大な爪を振り上げ、地面を抉る勢いで襲いかかる。彼女は軽やかに一歩を踏み、まるで星の軌跡をなぞるように攻撃を躱した。

黒い炎が彼女を包み込もうと吐き出されるが、スターリアは身体を滑らせるように移動し、炎の間を縫う。

魔獣の尾が空気を切り裂く速度で振り下ろされるが、彼女は一瞬の隙を突き、宙に舞う。彼女の動きはあまりにも素早く、魔獣の赤い目がその速さに追い付けず、憎悪の咆哮が空しく響く。

銀髪が流れ、ドレスの裾が共に揺れ、ニーハイソックスの星屑が光を放つ。ブーツが地面を軽く叩くたび、星の粒子が舞い、彼女の存在感が戦場を支配した。

魔獣は怒りに駆られ、今度は連続攻撃を仕掛けた。爪が空気を切り裂き、黒い炎が地面を焦がし、尾が雷鳴のように振り下ろされる。

だが、スターリアはまるで舞うように動き、魔獣の攻撃をすべて躱した。彼女の動きは流れる水のように滑らかで、魔獣の速度では捉えられない。

時計塔の頂が震え、瓦礫が宙を舞う中、スターリアはステッキを胸元に構え、目を閉じた。


キュイーン


光の粒子が集まり、ステッキの星の結晶が脈動。ドレスの星座刺繍が輝き、夜空のグラデーションが共鳴。

彼女は星のエネルギーを溜め始めた。銀髪が光を浴し、彗星の尾のように輝く。魔獣が渾身の攻撃を仕掛ける直前、スターリアの瞳が開いた。


「スターリア・クレセント・ビーム!」


スターリアは叫び、ステッキを魔獣に向けた。

彼女の星屑の瞳が輝き、ステッキの星の結晶から三日月形の光の刃が放たれる。


シュッパァァァァ


光の刃は、まるで銀河の弧を描く彗星のように鋭く、眩い輝きを放ちながら魔獣に襲いかかる。その速度は魔獣の反応を遥かに超え、赤い目が光を捉える前に刃が魔獣を両断した。

光の刃は、漆黒の毛皮を真っ二つに切り裂き、憎悪に満ちた赤い目を星屑に変えた。黒い炎は浄化の輝きに溶け、魔獣の巨体は光に浴して崩れ落ちる。

咆哮が途切れ、魔獣は輝く粒子となって散り、戦場の空気を清めた。光の刃は、まるで星々が闇を飲み込むように、魔獣を完全に消滅させた。スターリアのドレスが光に共鳴し、銀髪が夜風に揺れる中、静寂が戻った。



「っっくっ...」



ザイラスは歯を食いしばった。あがくように最後の力を振り絞り、闇の波動を放出した。



ゴゴゴゴゴゴゴ



波動は街全体を覆う規模で広がり、時計塔を中心に空間が歪んだ。だが、スターリアはステッキを掲げ、光の粒子を放った。


パアアアア


光は闇の波動を押し返し、波動は決壊。戦場は再び静寂に包まれた。スターリアの圧倒的な力と美しさ。

ザイラスの心は揺れた。彼の赤い目には、憎しみと同時に一瞬の畏怖が宿った。


コツ


スターリアは一歩踏み出し、ザイラスに近づいた。銀髪が夜風に揺れ、ドレスの夜空のグラデーションが柔らかく輝く。星屑の瞳には、深い慈愛と哀れみが宿り、彼女の顔には慈悲深い柔らかな表情が浮かんでいた。

桜色の唇がわずかに開き、彼女の微笑みは、まるで闇に迷う魂を導く星の光のようだった。彼女の手はステッキを握りながらも、どこか優しく差し伸べるような仕草を見せ、ザイラスの心に微かな温もりを投げかけた。その姿は、裁きを下す戦士ではなく、救済を願う聖女のようだった。



「ザイラス、まだ遅くないわ」



彼女の声は、星の囁きのように優しく、しかし揺るぎない力強さを秘めていた。



「あなたは闇を選んだ。でも、かつてのあなたは希望を持っていた。愛を知っていた。今でもその心は残っているはずよ」



彼女の瞳は、まるでザイラスの魂の奥底を見透かすように輝き、柔らかな頬が月光に照らされて穏やかに光る。

彼女の言葉は、憎しみに染まったザイラスの心に、かつての光を思い出させる優しさで満ちていた。



ザイラスは言葉を失った。スターリアの慈悲深い表情、星屑の瞳に宿る哀れみ、桜色の唇からこぼれる優しい声は、彼の心に刺さり、忘れていた記憶を呼び起こした。

家族の笑顔、友との時間、かつて愛した世界の欠片。彼女の姿は、まるで救いの手を差し伸べる天使のようだった。だが、彼はすぐに顔を歪め、吼えた。



「ふざけるな! この世界は俺を裏切った! 光など幻想だ! 俺は闇そのものだ!」




スターリアの瞳に一瞬、深い悲しみがよぎった。彼女は静かに首を振った。星屑の瞳に涙が光り、彼女の柔らかな表情は一層深い哀れみを帯びた。



「あなたがそう言うなら、私はあなたを止めるしかない。あなたの闇が、この世界を壊す前に」



彼女はステッキを握りしめ、目を閉じた。


心は激しく揺れていた。ザイラスの魂を救いたいという慈愛が、彼女の胸を締め付ける。

彼の瞳に宿る憎しみは、かつての優しさの残滓を覆い隠していたが、スターリアにはそれが見えた。


彼女は信じていた。彼の心の奥底に、まだ光が残っていることを。


だが、ザイラスの拒絶はあまりにも頑なだった。彼の闇は、世界を飲み込むほどに膨れ上がり、彼女の願いを踏みにじった。スターリアの心の中で、優しさと使命がせめぎ合う。

彼女はザイラスを救いたいと願ったが、彼の選択がそれを許さない。


彼女の星屑の瞳が再び開いたとき、一粒の涙が頬を伝い、ステッキの星の結晶に落ちた。


涙は結晶に触れた瞬間、星屑のように輝き、ステッキが柔らかな光を放った。

その光は、スターリアの覚悟と悲しみが交錯する瞬間を象徴し、彼女の決意を静かに照らした。彼女の表情は一変していた。

慈悲深い柔らかさは残りつつも、揺るぎない覚悟が宿っていた。唇は固く結ばれ、眉は決意にわずかに寄せられ、瞳には宇宙の裁きを下す女神の厳しさが輝いていた。彼女の心は、救済の希望を胸に秘めながらも、世界を守るために封印を選ぶ決断を下した。

ザイラスの魂を救う道は閉ざされ、彼女は裁きを下す覚悟を固めた。



「星の裁きを、今ここに」



彼女の声は、静かだが絶対的な力を帯びていた。

スターリアの周囲に、宇宙そのものが顕現した。銀髪は銀河の川のように揺れ、ドレスの夜空の色合いが脈動。ニーハイソックスとブーツが星屑を放ち、彼女は光の中心に立つ。ステッキを胸元に構え、光の粒子が渦を巻く。星形の宝石が脈動し、星図が夜空に広がる。彼女の姿は、まるで銀河の中心に立つ女神。

ステッキを優雅に構え、銀髪が光を浴して流れる様、ドレスの星座刺繍が脈動する光景、そして星屑の瞳に宿る慈愛、彼女の美しいふるまいに、ザイラスは思わず見とれた。

彼の赤い目が一瞬揺らぎ、憎しみと憧れが交錯する。彼女の神秘的な姿は、まるで夜空そのものが彼を裁くために降臨したかのようだった。

純白のドレスは星の光を織り込み、夜空の青と紫のグラデーションが揺らめく。ニーハイソックスの星屑が輝き、ブーツの星と月のモチーフが光を放つ。彼女の星屑の瞳、柔らかな頬、桜色の唇は、宇宙の意志を体現する神聖な美しさを放ち、ザイラスの心を一瞬捕らえた。


スターリアはステッキを天に掲げる。星の結晶から眩い光が放たれ、光は収束し、膨大なエネルギーが集まる。空気が震え、地面が揺れ、星図が輝く。



「スターリア・ノヴァ・ジャッジメント!」



スターリアの声は宇宙の果てまで響く。


彼女がステッキを振り下ろすと、光の柱が天から降り、ザイラスを直撃。

光は闇を一瞬で飲み込んだ。光の奔流は星屑の嵐となり、ザイラスの闇の波動を粉砕。

時計塔の周囲に光のオーロラが広がり、街が星の海に浮かぶ。スターリアのドレスは光に共鳴し、夜空のグラデーションと星座刺繍が輝く。銀髪は彗星の尾を引き、ニーハイソックスの星屑が舞う。

光の柱は天と地を繋ぎ、宇宙そのものがザイラスを裁く。その神秘的な姿は、まるで銀河の女神が夜空から降臨し、闇を浄化するかのようだった。

彼女の瞳は星屑を宿し、唇は静かに祈りを紡ぐ。ステッキの星の結晶は、まるで宇宙の心臓のように脈動し、光の奔流を導く。


ザイラスは抵抗したが、光に包まれた瞬間、言葉にならない叫び声を上げた。


「アアアアーッ!」


その咆哮は、絶望と憤怒が混ざり合い、夜空を切り裂く獣のような響きだった。

叫びは光に飲み込まれ、彼の身体は星形の結晶に閉じ込められた。光の奔流が収束し、ザイラスの姿は輝く結晶の中に封じられる。


キュピーン


封印が完成する瞬間、結晶の表面を一筋の光がきらめき、まるで星が最後の別れを告げるように瞬いた。

その光は、スターリアの祈りが込められた希望の欠片。ザイラスの魂を永遠の牢獄に閉じ込めた。


スターリアだけが知っていた。この結晶は、時間も空間も超越した闇の世界に閉じ込め、永遠に解けることのない封印だった。

スターリアは結晶を手に取り、悲しげに眺めた。美しい顔立ちには悲しみが宿る。

彼女は使命を果たしたが、ザイラスの魂を閉じ込めた重みを感じていた。彼女は封印の真実を知る唯一の存在だった。ザイラスは自身の運命を理解せず、ただ闇の世界に沈んだ。

彼女は呟いた。



「ザイラス…私はあなたを救いたかった。この封印の中で、いつかあなたに光が戻ることを祈るよ…。」



彼女の声は、星々に祈るように小さく震えた。



ザイラスは闇の世界に閉じ込められた。


光も音もない、ただの虚無。


彼は、永遠の牢獄に閉じ込められたこと、その封印の真実を知る由もなかった。


意識は混沌に揺れ、スターリアの神秘的な姿が脳裏に焼き付いていた。銀髪が彗星の尾のように流れ、純白のドレスが夜空のグラデーションと共に輝く姿。星屑の瞳に宿る慈愛、柔らかな頬、桜色の唇。彼女の美しいふるまい、ステッキを優雅に構え、光の柱を導く神聖な姿は、彼の心を締め付けた。


だが、それ以上に、彼女の慈悲深い柔らかな表情が胸を刺した。あの瞬間、彼女の瞳に宿った哀れみ、差し伸べられたような手、聖女のような微笑み。それは彼を救おうとした光だった。




「なぜ…なぜ俺は…」




ザイラスは呟き、闇の中で後悔の念が渦巻いた。


彼女の光に抗ったこと、彼女の優しさを拒絶したこと。希望と愛を知っていた人間だった、かつての自分を思い出し、心が軋んだ。



「スターリア…助けてくれ....俺を…解放してくれ…頼む…」



彼の声は虚無に響き、誰にも届かない懇願だった。


だが、その願いは決して叶わない。彼が永遠に闇の世界に閉じ込められたことを、ザイラスは永久に知ることはない。

彼の意識は、スターリアの姿を繰り返し思い浮かべながら、闇の中で彷徨い続けた。後悔と懇願は、虚無の中でただ響き合い、消えることなく彼を苛んだ。



街は光を取り戻し、スターリアは夜空を見上げ、微笑んだ。だが、微笑みには悲しみが宿る。

「いつか、あなたの心に星が輝く日が…。」

彼女は星屑と共に消えた。

美少女変身ヒロインって憧れますよね。私事ですが、こんな癖を患ったのも幼き頃に、変身ヒロインもののアニメを見たのがきっかけでした。

ちょうどその手のアニメが立て続けにあったのもあって、美少女ヒロインが悪を成敗する、そんな姿を見て自分も浄化・封印されてみたいと思っていました。←まぢ病気、笑。

実は勇気を振り絞って原作本も買ったことありますが、少女マンガってアクションシーンないんですよね。あれは玩具メーカーの策略と気が付くのは後になってからでした。。。

歳を取ったせいか、いつしか美人に色仕掛けされるとか始末される方向に癖が行ってしまいましたが、今でも変身ヒロインものを見るとつい目が行ってしまいます。けどプ○キュアとかって全然見ないですね笑。

今までは現代ものばかり妄想して書いていましたが、帰り道にふと変身ヒロインに封印される物語を妄想、今回一気に書いてみました。

ぜひ楽しんでもらえると嬉しいです。


P.S.スターリアのイラスト、描いてくださる方がいればとても嬉しいです。

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