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勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!  作者: 雨のち晴れ
拳王とシャドウ・ランサーの姉妹編

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ロックフォールの閃光、二人の幼き転生者

【再び舞台はアギトへと戻る】


ガイ達がレーナと出会うだいぶ前のとある朝、アギトは大輔の家を訪ねていた。


「こんにちは。大輔さん居ますか?」


「おう、アギトか?今日はどうした?」


「あの、実はロックフォール周辺を見て回ろうかと思うんですが、大雑把な地図しか持ち合わせが無く、詳細が書かれている地図をお借りしたくて」


「何だ、そんな事か!ちょっと待ってろ、直ぐに用意してやる。おーい、愛華!この辺の地図ってあるか?」


「地図?あるわよ、どうしたの急に?どこか出かけるの?」


「いや、アギトが使いたいんだとよ!」


「あら、そう!?ちょっと待っててね!直ぐに用意するわ!」


「ありがとうございます」


待つこと5分。愛華が2階から降りて来て地図をアギトへ渡す。


「はい、これよ。でも急にどうしたの?何か気になることでもあるの?」


「いえ。ただ、この辺の地理に詳しくないので探索してこようかなと…………」


「あらそうなの?でも、気を付けてね!街の外は盗賊とか出るみたいだから。何かあったらすぐに戻って来てね!」


「はい!わかりました」


「あはははっ!どうした愛華?まるで息子でも出来たかのようじゃないか!」


「うふふふっ。わかる?私、息子も欲しかったのよ!何なら今からでも作る?あ・な・た?」


【トンッ、トンッ、トンッ】


2階から降りてくるもう一つの足音。雫だ。


雫はすぐさま母親にツッコミを入れる。


「はいはい、昼間っからそんなド下ネタいいわよ、お母さん!アギトさん引いちゃってるじゃない!」


「あ、い、いえ、別に俺は…………」


「はぁ…………」


大きくため息をつく大輔。


「冗談よ♪ふふふっ」


「すまんな、アギト。愛華はいつもこうなんだ。許してくれ」


「いえ、全然構いません。むしろ、賑やかで羨ましいです」


「あら本当?アギトさんさえ良ければ、うちの養子になってくれてもいいのよ?」


「お母さん!それじゃ、私がアギトさんと結婚出来ないじゃない!そんなの却下よ!却下!」


「えぇ…………。良い考えだと思ったのに残念ね」


「もう、話がややこしくなるからお母さんは私と向こうへ行ってましょ!ごめんね、アギトさん!」


「あ、あぁ」


「ほら、さっさと行くわよお母さん!」


「ちょっと雫、お母さんはまだアギトさんとお話しが…………」


「うるさい!ほら早く向こうへ…………」


雫は強引に愛華をリビングへと追いやった。


「相変わらずすごいですね、愛華さんは…………」


「すまん」


「いえ、別に謝る事じゃないと思います」


「そう言ってもらえると助かる。さて、これが言っていた地図だ。持っていけ!」


「ありがとうございます」


アギトが、大輔から地図を受け取った瞬間、突如頭の中に女神の声が聞こえてくる。


「クッ!」


「どうした、アギト?」


『勇者アギト、転生者が来ます。あの子達を助けに行ってあげてください』


「………転生者が来る」


「何だと!?」


「だ、大輔さん、そ、外へ出ましょう…………」


二人は慌てて家の外に出た。すると、遠くの方で光の柱が同じところに2本降り注いでいた。


「何だあの光は…………」


「おそらく、あの光の所に転生者が召喚されたのでしょう」


アギトと大輔は地図を広げて光の柱の位置を確認する。


「ちょうど、この森のあたりだ。で、どうする?向かうのか?」


「勿論です!女神様が、助けろと言っていたので」


「女神様が?声が聞こえたのか?」


「はい!はっきりと…………」


「………なら、俺も同行しよう。森への最短ルートは知っている」


「助かります」


「いいって事よ!んじゃ、愛華達に伝えてくるから少しここで待っててくれ」


そう言って大輔は家の中に戻り、事情を愛華達に伝え一本の剣を持ってアギトの元へと戻って来た。


「よし行くか!」


「大輔さん、剣の心得あるんですね?」


「あぁ、少しな!洞窟へ鉱石を取りに行くときはモンスターもいるし、護身用にいつも持ち歩いているんだ」


「なるほど。では行きましょう」


「おう!」


【転生者が召喚された森】


「おお!何の光かと思ったら、子供が二人いるじゃねーか!こいつはラッキーだな!高く売れそうだ!」


「う………ぅ…………うわぁぁぁん。ママ、どこにいるの?ここはどこ…………?こわいよぅ…………たすけて………ママ」


「………ルナ。大丈夫よ!必ずお姉ちゃん守るから」


「う…………ぅ…………ステラ…………」


そこには、へたり込んで泣きじゃくる妹のルナと、両手の拳を握りしめ妹を守ろうとする双子姉、ステラが居た。


「お!?こっちのおチビちゃんは泣かねーのか?」


「………うるさい、黙れ。ルナには指一本触れさせない」


「おお?やる気か?上等じゃねーか!いいか、お前等手出しは無用だ!このクソガキに思い知らせてやる!」


「「「ヘイ!」」」


「命乞いしても、もう遅せーからな!」


男は、指を鳴らしステラに襲い掛かる。


「大人しく素直に捕まれや、クソガキ!」


「………お断り」


男はステラに殴りかかる。しかし、その攻撃はステラには当たらない。


「………遅い。そんなパンチじゃ私には当たらない」


【ブンッ】


【シュッ】


「なっ!」


「…………くらえ」


【ドンッ】


「う、うわぁぁぁぁぁ。いてぇぇぇぇ」


「…………ふん。口ほどにもない奴」


「す、すまん。俺が悪かった。ゆ、許してくれ…………この通りだ」


男は勝てないとみるとステラに向かって土下座をする。


「………ルナを泣かした。許すはずがない。これで終わり。さようなら」


ステラが男にパンチをしようとした時


「なんてね!そんなへなちょこパンチ効くわけねーだろうがよ!」


男は、ガラ空きになっているステラの腹に思いっきりパンチを浴びせる。


「グハッ…………」


【ドサッ】


その場で腹を押さえて倒れこむステラ。そんなステラの顔を男が足裏を押し付ける。


「おいおい、もう終わりか?あっけねーな。さっきまでの勢いはどうしたよ!あぁん!?」


【ドンッ】


男が、まるでゴミでもける様に思いっきりステラを蹴り上げる。宙に浮いたステラは、腹の痛みから受け身を取れずそのまま地面へと叩きつけられる。


【ドサッ】


「ぐぁぁぁぁぁ」


「………ぅ……う………うわぁぁぁぁん。ス、ステラ…………しんじゃいやだよ…………う………ぅ…………マ、ママ」


「………ル、ルナ…………に、逃げて…………」


「逃がすわけねーだろうがよ!テメー等は俺達がとっ捕まえて売っぱらうって決めたんだからよ!」


男は、横たわるステラを無視してルナの元へと近づいていくその足をステラが掴む。


「………ル、ルナに…………触るな」


「ちっ!しぶてーな、この泣き虫の次はお前をもっと可愛がってやるから安心しろ」


男はステラを振り払い、ルナを掴み上げようとした時


【シュッ】


【ゴンッ】


突然、男の顔面に木刀がぶつかる。


「………ッ。いてぇーな!誰だ!」


そこにはアギトと大輔が居た。


「その子達から離れろ!」


「何だテメーは?」


「もう一度言う、その子達から離れろ外道が!」


「て、てっめぇー!調子こいてんじゃねーぞ!」


「遅い!」


アギトは殴りかかってくる男を軽くあしらいアイテムボックスから出した木刀で、男の頭を思いっきり叩く。


【ボゴンッ】


あまりの衝撃に、木刀がへし折れる。男はアギトの一撃で完全に気絶する。


「まだやりたい奴は居るか?」


アギトは今までに放ったことの無いような殺気で残りの男達を睨む。


「に、逃げろ…………」


男達は、気絶した仲間を見捨ててその場から立ち去る。


「大丈夫か?」


大輔は、泣きじゃくるルナに優しく声を掛けるが大輔を見たルナは再び泣いてしまう。ルナには髭が生えた大輔も、男達の仲間と思い大泣きをする。


「………う………ぅう…………う………うわぁぁぁん」


「え?えぇぇぇぇ?」


「…………ルナは髭が嫌い」


「そ、そんな…………」


「ははははっ!大輔さん、怖がられてますね!」


「わ、笑い事じゃねーぞ、アギト!」


「い、いや、すみません。つい可笑しくて…………はははは」


「………お兄さん。ありがとう、私はステラ、この子はルナ」


「ステラに、ルナか。了解!俺はアギト。こっちの髭のおっさんは大輔さんだ!まぁ何だ、別にお礼何ていいさ!気にするな!」


すると、泣きながらアギトに近づくルナ。


「………う…………ぅう…………」


「お!?どうした?」


「……………抱っこ」


「抱っこ?」


【コクリッ】


ルナは泣きながらアギトに抱っこのおねだりをした。


「しょうがないな…………それ」


アギトは、ルナを抱き上げ抱っこした。


「ふふふっ。お兄ちゃん好き」


すると、抱っこされたルナはアギトの頬にキスをした。


「あぁぁぁぁぁ!アギト、お、お前…………」


「ちょ、ちょっとルナちゃん?」


「お兄ちゃん好き」


「………ルナはお兄さんの事を気に入ったみたい。こうなるとルナはもうどうにも出来ない。髭のおじさんは嫌いみたいだけど。南無」


「おーい!そこ、勝手に終わらせるな!俺はまだ死んでねーぞ!まだ娘の晴れ姿も見てないのに死にたくねーわ!」


「と、とりあえず一度戻って傷の手当をしましょう」


「そうだな。うちに帰るか?そっちの嬢ちゃんは俺が抱っこしようか?」


「………必要ない。歩ける。それに抱っこされるならアギトがいい」


「………(大輔)」


「ははははっ。大輔さん、南無」


「だから俺はまだ死んでねーよ!」


こうして四人は大輔の家へと戻るのであった。

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