勇者は魔王軍四天王の強さを思い知る
「しね――――――――――――――――、クソ勇者!」
「いい加減にしろダニエル!」
「うるさい、うるさい、うるさい、うるさい、うるさい!」
ダニエルは我を忘れアギトに向け攻撃を仕掛ける。アギトは避けるだけで攻撃をしようとしない。
「どうした勇者!逃げるだけじゃ、俺は殺せ―ねーぞ!あぁん!」
「ちっ!こんなことしてる場合じゃねーんだがな!」
ここで初めてアギトがダニエルの剣を木刀で受け止める。そして、罅の入った木刀で全力の攻撃でダニエルの顔を目掛け打ち込む。
【バキッ】
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!お、おへの・・・か、かほが・・・・・・・・。」
アギトの渾身の一撃がダニエルの顔を捕らえダニエルの顔が歪む。あまりの苦痛にその場でもがき苦しむダニエル。その様子を見ていたエイモスが、
「所詮はこの程度でしたか。やはり人間というのは弱すぎる。さて、それでは私がそこの雑魚に代わって相手をしましょう。」
「別にしなくても良いんだがな・・・。」
「くっくくくくくく。面白いことを言う勇者ですね。」
「では、行きますよ!すぐに死なないでくださいね!」
エイモスはアギトに向けて魔法を放つ。アギトも負けじとショートボウで距離を取りながら攻撃する。
「くらえ!」
水の矢でエイモスを攻撃し、冷気の矢で凍り付かせて身動きを封じるいつもの戦い方。全身が凍り付いたエイモス。しかし、
【パリンッ】
エイモスは全身を覆う氷を一瞬で砕いて見せた。
「なっ!」
「こんなものですか。がっかりです勇者アギト。では、死んでください!」
「させない!サンダーボルト!」
【バチンっ】
メイの放ったサンダーボルトはエイモスに直撃したが、格上のエイモスにはダメージが無い。
「小賢しい娘だ。死ね!」
エイモスの放った、赤黒い雷がメイを直撃する。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「メイ!」
「う・・・・うぅ・・・ぅうう・・・うぅううう・・・」
メイは一撃で瀕死の状態になる。全身は焦げ火傷だらけだ。
「あなたの勇敢さは認めましょう。格上相手の私に立ち向かったのですから。その勇敢さを認め、あなたにはプレゼントをあげましょう。」
「呪詛、四肢封印」
エイモスは、メイに向かって黒い稲妻を放つ。
「メ――――――――――――――――イ!」
エイモスが魔法を放ったと同時にアギトがメイの所へ走り出す。当然、魔法のが早くメイの元へとたどり着くのだが、アギトが走り出した瞬間、全身が一瞬包まれ、物凄い速さでメイの元へとたどり着き、左腕でエイモスの呪詛を受け止める。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
アギトは左腕を押さえ、悲鳴をあげる。そして、アギトの左腕全体にタトゥーの様な模様が浮き上がる。
「アギトさん!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「おぉ?これは良い発見です!勇者にも我が呪詛が通じるのですね。」
「アギトさん、しっかりしてください!」
「ぐぅぅぅぅぅぅうううううううう。」
「さぁ、勇者アギトどうしますか?その左腕はもう動きませんよ?右腕1本で私を倒せますか?」
(くそ、痛みはひいてきたがあいつの言う通り左腕の感覚がまるでない。ここはもう退くしかないみたいだな。)
「メイ、今から俺の言う事をよく聞け。あいつにはどう足掻いても今の俺達じゃ勝てない。だから、ここは一旦引く。」
「で、でも退くって言ってもどうやって。」
「これだ。」
アギトは1枚の札をメイに見せた。それは、自分の念じる場所に即座に移動できるという物。とても高価で、普通の冒険者ではまず買えない。
しかし、アギトは以前エリスからティファを救ってくれた時のお礼にと、ゴールドと帰還の札を3枚だけもらっていた。
「この札に魔力を込め、ライザの冒険者ギルドを思い浮かべろ。そして、ガイの手に握らせろ。そうすれば直ぐにその場所にたどり着く。その後は、メイが使え!その間俺が時間を稼ぐ、いいな!」
「う、うん。」
「大丈夫!俺もすぐに追いかけるからそんな顔すんな!」
メイはコクリと頷く。
「よし、行くぞ!走れメイ!」
メイはガイの元へ走り出し、アギトは木刀を片手にエイモスに攻撃を仕掛ける!
(魔力を込めて、ライザの冒険者ギルド・・・。)
メイは横たわるガイの元へ行き、魔力を込めた帰還の札をガイに握らせる。すると、一瞬にしてガイは消えこの場から姿を消す!
「よし!次はお前だメイ!」
「う、うん」
メイが魔力を込めようとした時、
「しょ、しょれを・・・よこへ・・・・・・・」
【ドンッ】
「きゃっ」
事もあろうことか、さっきまでもがき苦しんでいたダニエルがメイを突き飛ばし、帰還の札をメイから奪ったのである。
「しゃ、しゃな・・・・くひょ・・・ゆうひゃ・・・」
ダニエルもまた帰還の札を使い、この場から姿と消す。
「そ、そんな・・・・。」
「クソッ!何処までカス野郎なんだ、あいつは!」
アギトは、爆発の札数枚取り出して自分もろともエイモスを道連れに爆発し、大きく吹き飛ぶアギト。これは、狙い通りで自分とエイモスの距離を保つためだ。そこへ、メイが駆け寄る。
「アギトさん、しっかりしてください!死んじゃだめです!」
アギトもまた、爆発の札で全身が火傷だらけになる。
「大丈夫、これくらい。メイ、俺のバックから回復軟膏を出してくれ。」
「う、うん。」
「使い方は分かるな?」
「う、うん。待っててください、今塗りますから。」
するとアギトは手に隠し持っていた帰還の札に魔力を込め、ライザの冒険者ギルドを念じる。そして、その札をメイの洋服のポケットに入れる。
「え!?」
その瞬間、メイはこの場から姿を消す。
「さぁ、これで心置きなく戦えるぞ、クソ天狗!」
「まさか、あんな子供の為に使うなんて。あんなガキどもほおっておいて自分に使えばよかったものの。」
「うるせーよ!」
「いいでしょ、あなたはこの私が殺して差し上げます。」
【アイテム紹介3】
【帰還の札】効果→対象を念じた場所へと一瞬で移動させる 特徴→作るには高度な技術が必要 その他→買値→4000万ゴールド 売値1000万ゴールド




