勇者は初めてのクランメンバーを仲間にする
【翌日】
アギト、アリス、ヴィクトリアの3人は下見がてら、ブレイブハートが所有する土地へと向かっていた。馬車に乗る事1時間。3人は目的地へと着いた。
その場所は、奥には手つかずの山、そして山のすぐそばに川が流れ、手前が更地になっている土地だ。するとアギトが、
「ここに俺達の街が出来るのか。」
「街とは言ったけど、そんな大きくするつもりはないわ。あまり人の往来があっても困るから。あくまでも、ブレイブハートのメンバーが快適に住める街を作るの。」
「なるほど。アリスは具体的にどんな街にするかはもう決めているのか?」
「ある程度わね。取り敢えず、最優先で作るのは家、井戸、畑、家畜小屋、道具屋、酒場って所ね。まずは、道具屋と酒場でアギトの旅に必要なお金を稼ぐわ。それから徐々に鍛冶屋、防具屋、監視塔などね。建てる場所はアギトが決めなさい!あなたの街なんだから!」
「お、おう。でもすごいな。もうそこまで考えていたのか。俺なんか、とりあえずは寝るところがあれば良いかなぐらいしか考えてなかったよ。」
「フンッ!これだから田舎者はダメね!」
「すまん。」
「まぁ、別にいいけど。今に始まったことじゃないし!とりあえずまずは、木工師から見つけましょう!建物を建てられる者が居ないと始まらないからね!」
「そうだな、1度ライザに戻るか。」
「そうね。ギルドで募集を懸けてもいいんじゃないかしら?アギトは今、いくら持ってるの?」
「あんまり持ってないぞ?如何せん、モンスターを倒すのにも一苦労だし、クエストも全然受けてないしな。今の手持ちはざっと200万ゴールドだ。」
「思ったよりは持ってるわね。」
「あぁ、エリスがティファを助けてくれたお礼にってくれたお金だ。」
「ふーん、そう。」
「何だよ!?」
「別に。じゃ、私のお金と合わせて1000万ゴールドってとこね。」
「はぁぁぁぁぁぁぁ?アリスそんなん持っているのか?」
「当り前じゃない!あたしを誰だと思ってるのよ!この国の第3王女よ!これでも少ないくらいよ!」
「王族恐るべし。」
「ちなみに兄さんはもっと多いわよ?ね、兄さん?」
「え!?あ、あぁ。ざっと5000万ゴールドくらいかな。俺の場合は、お金のかかる武器やら鎧やらを国が出してくれるからね。使い道が無いからどんどん貯まっていたって感じさっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「さて、じゃぁそろそろライザに戻ってさっそく募集をかけにいきましょ!」
「あぁ。っとその前にアリスこれを。」
アギトは1枚の紙を出し、アリスへと渡す。
「こ、これって・・・・・・。」
「あぁ、クラン加入申請書だ。ブレイブハートへようこそ!アリスがメンバー1号だ!」
(結局、ティファは入ってくれないか。)
「しょ、しょ、しょうがないわね!アギトがそこまで言うなら入ってあげてもいいわよ!べ、べ、べ、別に、う、う、う、嬉しくなんかないんだから!しょ、しょうがなくよ!あくまでもしょうがなく!まぁ、アギトもようやくあたしの必要性が分かったのね!こ、こ、これからも、な、な、仲良くしてあげてもいいわよ!フンッだ!」
「良かったな、アリス!」
ヴィクトリアがそう言うと、
「べ、別に。当然よ!」
「全く素直じゃないな、アリスは!」
「う、う、うるさいわね!ほ、ほらさっさと行くわよ!」
こうして、アリスは照れながらもブレイブハートに入れた事を喜び、3人はライザへと戻っていった。
【とある田舎町】
「じゃ、お母さん行ってきます!」
「本当に1人で大丈夫?お母さんもついて行こうか?」
「お母さん心配しすぎ!大丈夫よ!ちゃんと馬車で行くし、それに私はもう子供じゃないんだからね!」
「そう?じゃ、くれぐれも無理するんじゃないわよ!何かあったらすぐ戻って着なさい!」
「うん、じゃ行ってきます!」
「行ってらっしゃい!気を付けてね!」
「さて、まずはヴィータに行って情報を集めないと。それからギルドに行って私の職業を調べないと。よーし、頑張るぞー!」
【大都市ライザ】
再び、ライザに戻って来たアギト達はヴィクトリアと別れ、アリスと共にギルドへ向かうアギト。
「なぁ、アリス。」
「何?」
「とりあえず木工師は何人雇ううんだ?」
「そうね。欲を言えば5人位は欲しいけど、後々の出費を考えると3人ってところかしら。最低でも、木工師1人と見習い木工師2人ね。今はそれで十分。」
「なるほど。でも、そんな直ぐ集まると思うか?」
「集まるわよ!直ぐにね!」
「マジか!」
「マジよ!アギトは知らないだろうから教えておいてあげる。今ではこの世界で、戦闘系の職業以外は役立たずって言われてるの。」
「なぜ?木工師とか、家を建てるには重宝するだろ?それなのに役立たずなんて何でだ?」
「答えは簡単よ!溢れかえっているからよ!木工師なんて、1つの小さな町を作るには5人いればあっという間よ!」
「その人数で町をあっという間に?」
「そうよ!言葉で言うより、アギトのスキルで木工師を見れば早いわ!」
そう言うと、アリスはギルドと違う方向に歩き出す。
「お、おい、アリス!ギルドはそっちじゃないだろ?」
「分かってるわよそんなの!いいから黙ってついてきなさい!」
そう言うと、アリスは木材屋へと向い中に入った。
「いらっしゃい!」
「少し見させてもらうわ!」
「これはこれは、アリス様。どうぞゆっくり見て行ってください!」
そして、
「アギト、あのおじさんにスキルを使ってみて!」
「あ、あぁ。」
【スキル 調べる】
【ロブ 58歳 職業→木工師 状態→良 冒険者ランク→F 木を伐る時間短縮。木材の加工時間短縮。木材の重さを軽減。建築物を建てる時間短縮。】
「すげー。これなら確かに少人数でも町を作れるな。」
「でしょ!?じゃ、次はあの男の子を調べてみて!」
「あぁ。」
【スキル 調べる】
【ライアン 13歳 職業→見習い木工師 状態→良 冒険者ランク→F 木を伐る多少時間短縮。木材の加工時間多少。木材の重さを多少軽減。建築物を建てる時間多少短縮。】
「なるほど。見習いでも【多少】は短縮出来るのか!」
「そう。だから町なんかあっという間に作れるの。そして、木工師が溢れ仕事を探している人が多いのよ。まぁ、これは木工師に限った話じゃないけどね。」
「よし、じゃギルドに行って募集をかけてこよう!」
「気が変わったわ!ねぇ、おじさん?」
「ん?何ですかアリス様。」
「勇者様の街を作って見たくはない?」
「勇者様の?」
「そう、ここに居る男は勇者なの!そして今、街を作ろうとしている!半年間、雇われてみない?」
「うーん。ちなみに賃金はいくらになりますか?」
「200万!お弟子さん達は、それぞれ100万でどう?食事と寝る場所も用意するわ!」
「そんなに!?」
「えぇ、もしこの条件を呑めるなら明日からでも働いてもらえないかしら?」
「勇者様の街を俺達が作る・・・・・。是非やらせてください!お前達もいいな?」
「もちろんです!」
「勇者様の街を僕たちが・・・・・。」
「でわ、これから詳しい話しをしましょ?」
「わ、わかりました!今日はもう、店を閉めます」
こうして、アギト達は自分達の街づくりに大きく一歩前進した。
【人物紹介10】
名前→アリス・ライコネン 職業→見習い魔法使い 冒険者ランク→F アギトとの出会い→カイル達に拉致された所をアギトに助けられる 武器→杖 年齢→15 性別→女 身長→140cm 体重→38kg 髪→金髪でロング スキル→低級魔法 クラン→ブレイブハート その他→アギトが転生された国の第3王女。アギトの事が好きなツンデレお嬢様。髪を結んでいる真っ赤なリボンが特徴。ブレイブハート最初の仲間。ティファを敵視している。頭の回転が速い。背の低さと胸の小ささがコンプレックス。




