スキル【調べる】を使って人助け
転生するまでの流れを思い出していたアギト。
「使ってみた方が早いか・・・。なら早速使ってみるか。」
アギトは目の前に落ちている石に【調べる】を使ってみた。
「スキル発動」
すると、
【ただの石 攻撃力1 装備して投げる事が可能】
「簡単な情報だけがわかるのか。ま、調べるって事だからそれが何なのかわかるの当たり前か。まずはこのスキルを手当たり次第使ってみるか。」
アギトは周辺にあるものにスキルを使って行く。
【木の枝 攻撃力1 装備する事→可能 燃やす事が出来る 売値1ゴールド】
【オークの木 伐採して薪にする事が出来る 武器の材料にもなる】
【薬草 飲食→可能 調合→可能 売値1ゴールド】
「なるほど。売れる物は売値も出るのか。これは便利だな。金策にも困らん。」
ある程度使って【調べる】の事を理解したアギトは落ちていた木の枝を武器に周りを散策してみる。散策を始めて30分、1人の女性を見つける。
「すみません、ちょっといいですか?」
警戒されない様に低姿勢で女性に話しかける。
「珍しいですね、こんな森の中で。どうかなさいましたか?」
「俺はアギトと言います。実は道に迷ってしまって。この辺の者じゃなくて土地勘がなくて。近くに村や町はありますか?」
「ああ、そうでしたか!私はハツネといいます。村はここから向こうに10分ぐらい歩いた所にあります。小さい村ですが。私もそこに住んで居ますのでよろしかったらご案内しますよ?」
「本当ですか?それは助かります。ところでこんな森の中1人で何をやっているのですか?」
「病気の母の為に毎日薬草を取りに来ています。もう少しで終わるので少しお待ち頂けますか?」
「分かりました。なら、自分も薬草取りを手伝いますよ!」
「ありがとうございます!」
こうして2人は必要な分の薬草を取り終えて村に向かう。
「助かりました。お陰でいつもより早く終わりました。ありがとうございます。」
「いえ、こちらこそ村までのご案内ありがとうございます。あの、さっきいつもより早く終わったと言ってましたが、毎日薬草を摘んでるのですか?」
「はい。ここ1ヶ月ほど毎日。母の病気はお医者も原因が、わからなくて。薬草なら体力も回復するから今はそれで何とかしてます。お金がなくて大きな病院には行けないので。」
「なるほど。そー言う事でしたか。もし、差し支えなければお母様に合わせてもらっても?力になれるかもしれません。」
アギトのスキルは【調べる】。もしかしたら、ハツネの母親に使えば症状がわかるかも知れないと思ったのでお願いしたアギト。
「それはよろしいですけど、少し散らかっているのでそこはご了承下さい。」
「全然構いません。こちらからお願いした事ですので。」
こうしてアギトはハツネの母親が居る家と向かった。
「ただいま母さん!帰ったよ。体調は大丈夫・・・・・?母さん!!!!!」
そこにはハツネの母親と見られる女性がベットから落ち意識を失っていた。
「母さん!母さん!大丈夫!?しっかりして!ハツネだよ!」
母親からの返信はない。パニックになるハツネは、
「母さん!母さん!ど、ど、どうしよう。朝は何とも無かったのに。ああ、母さん。」
泣き崩れてしまうハツネをみたアギトは
「すまん、ちょっと失礼。」
母親の様子が尋常じゃないと察したアギトは母親にスキルを使う。
「スキル発動」
【ユイカ 38歳 職業農民 状態→毒 死に至る可能性→有 アキサリ草の調合で作れる回毒薬で治療可能】
「なるほど!ハツネさん、この辺にアキサリ草って物はあるか?」
「アキサリ草?確か、森の中にあるって聞いた事があります。私は見た事無いのですが。確か白いお花だとか。」
「そうか。お母さんは毒に侵されている。アキサリ草があれば助かる!ちょっとアキサリ草を探してくる。このままだとかなりまずい!ハツネさんはお母さんの側にいてやってくれ!」
「わ、分かりました。けど気をつけて下さい。森の中には魔物も居ますので!」
「わかった!それと、何か武器になりそうな物あるか?何でもいいんだけど。」
「えっと・・・・包丁ぐらいしか。」
「よし、それでいい!借りていくよ。」
アギトはそう言って刃渡り24㎝くらいの包丁を持って森にいく。
村を出て20分。森へとやってきたアギトは
「白い花、白い花、白い花と・・・・・・」
隈無く探すも、中々見つからない。
「もう少し情報が欲しかったな。これだけ広いとキリがないな。」
すると水辺を見つけて、お目当ての白い花を見つける。
「お!?これか!?早速スキルで調べてみるか。スキル発動」
【アキサリ草 飲食→可能 調合→可能 売値10ゴールド】
「よし、これで大丈夫だ。後は村で調合できる人に渡せば。」
〈ガサガサッ〉
「ん!?何だ!?」
アギトが音のする方を見るとそこには1本の角を生やしたウサギが1匹居た。
「あれは・・・・・・ウサギ?」
するとそのウサギはアギト目掛けて角で攻撃しようと突進してくる。
〈ドドドドドドドドド〉
「うお!あぶね!いきなり攻撃してくるのかよ。」
結構なスピードを出して突進してきたが、アギトは余裕で交わした。
「包丁借りてきてよかったぜ!スキルであいつを調べてみるか。スキル発動」
【1本角ラビット 得意技→突進タックル 凶暴 弱点→斬撃→火 魔石→有】
「おお!【調べる】便利だな!弱点もわかるのか!戦いやすいぜ!それなら!」
再び突進してくる敵を躱し、回り込んで後ろから攻撃する。
「ドスッ!」
後ろから刺された1本角ラビットは、チリになり消えて魔石を落とす。
「良し!俺でも倒せたぞ!魔石を回収して村に戻らないとな。っとその前に魔石も調べてみるか。」
魔石にスキルを使ってみる。
【魔石(小) 何らかの力を帯びている ギルドで売れる】
「何らかの力ってのが気になるが今は村に急ごう。」
アギトは急ぎハツネの待つ村へと帰ることにした。