勇者は何とかシルバーウルフの群れを撃退する
アギトは王女を助けるべく、昼間に男と王女を見かけた場所へと急いで向かっていた。そして、街を出て1時間が経とうとしていた時ようやくその場所までたどり着いた。
そして、手にしている灯りで馬の足跡を見つけ地図を開き、馬車の向かった先を予測する。進行方向に、洞窟でも廃墟でも何でもいい、とにかく人目に付かずやり過ごせる場所を。
しかし、進行方向の先にはいくつもの洞窟が記載されていた。虱潰しに探している暇はない。時間をかければかけるほど王女の命が危険だ。アギトは仕方なく、男達が向かったと思われる方へと走り出す。
走り出すこと20分。ようやくここで馬の進行方向が変わる。馬の足跡は北へと向かっていた。地図を広げ、ここから北の方向で身を隠せる場所を探す。
すると、1つの洞窟が記載されていた。
アギトは、「ここだ!」と思ったその時、後ろから物音が聞こえた。
【ガサッガサツ】
「ガルルルルルルルルルルルッ」
そこにはシルバーウルフの群れがアギトを見ていた。10匹は居るだろうか、そのうちの1匹がすぐさまアギトに向かって飛び掛かる。
「クッ!」
アギトは、とっさに木刀2本を出しシルバーウルフの攻撃をガードして、シルバーウルフを弾き返す。他のシルバーウルフは、アギトを睨みつけながら四方八方に散らばりアギトを囲む。
群れでの行動を好み、流石は言わんばかりに連携が取れているシルバーウルフの群れ。そして、1匹が走り出した途端他のシルバーウルフもアギトに向けて走り出す。
アギトは冷静に左手の木刀をしまい、アイテムバックに手を入れ爆発の札を念じて取り出す。そして正面から大きな口を開け向かってくるシルバーウルフに口元めがけ左手に握りしめた爆発の札ごと口の中におみまいする。
すぐさま左腕を強引に引き抜く。その際、シルバーウルフの牙がアギトの左拳をしっかりとらえており、引き抜いた衝撃で拳が噛み千切られる。
アギトの左手は肉が見え血だらけになり、口に爆発の札を銜えたままのシルバーウルフは時間共に発動した爆発の札により顔が爆発して、顔が粉々になり、それを見た他のシルバーウルフ達が突進を止めアギトと距離を取る。
「ガルルルルルルルルルルル」
一気に警戒心を強めたシルバーウルフは、中々アギトには近づこうとはせず、群れで固まる。お互い睨みあいが続き、アギトはその間に、アイテムバックから水の札を数枚取り出し魔力を込めた後自分の数メートル先に水の札をばらまく。
水の札の効果が発動して、アギトの正面には巨大な水たまりが出来る。そして、背中に背負っているショートボウを装備し、冷気の札が結ばれた矢を1本と爆発の札を数枚出す。
そして、シルバーウルフを挑発して自分自身の方にかかってくるよう誘導した。罠とも知らずシルバーウルフの群れは一斉にアギトに向かって襲い掛かる。
アギトはすぐさま冷気の札に魔力を込め水溜まりへと矢を放ちシルバーウルフの群れへと向かい走り出す。絶妙なタイミングで効果が発動して水溜まりが凍り付き、その上を走ってきたシルバーウルフの群れは次々と足元を取られ転びだす。
そんな中、アギトは態勢を低くし氷の上をスライディングしながらシルバーウルフの近くに魔力を込めた爆発の札を散りばめる。
氷の上を滑り切ったと同時に、効果が発動して爆殺の連鎖が起きる。アギトも爆風で吹き飛ばされる。
「いててててててて。やっぱ上手くはいかねーか。」
頭をかきながらシルバーウルフの群れを見ると、奴らは毛皮に火が引火し燃え上がっている。全部のシルバーウルフを仕留め終えたアギトは立ち上がり、服に着いた泥を払いアイテムバックから回復軟膏を怪我したところに塗り始めた。
「さてと、こうしちゃいられない急ぎ王女様への下に向かわないと。」
治療を終えたアギトは、王女様が居ると思われる洞窟へと急いだ。
【街紹介2】
【ヴィータ】この国で2番目に大きいクラン、天使の宴が拠点を構える街。人口15万人。街の治安は、この国の五大都市の中で最も良い。天使の宴により治安は守られている。街のシンボルは天使の宴の屋敷。




