最強スキル【調べる】
とある異世界の森の中。
「・・・・・・・・・ここは。」
異世界の森の中で目を覚ました青年アギト21歳。職業勇者、
使えるスキル【調べる】のみ。
「異世界か。そういえばさっき・・・・・・。」
遡ること少し前。
「アギト起きなさい・・・・・。」
「ん、ん、ん!?ここは何処だ。」
「ここあなたが居た世界とは別の世界。あなたは現世で難病を患い死ぬ1歩手前です。」
「ああ、そうだった。俺は治る見込みがわずか1%にも満たない難病に侵されていたんだ。」
「もちろん、その難病が治る見込みもあります。ですが、アギトのいた世界ではそれを【調べる】術が無いのです。」
「そりゃ、そうだよな。難病が100%治す事が出来たら、それは難病じゃなくなるからな。治す事が難しいから難病なんだ。」
「そうですね。それが出来たらどれほどの多くの命が救われることか。」
「んで、俺はこれからどうなるんだ?」
「あなたは別世界でもう1度人生をやり直してもらいます。」
「そりゃありがたい話しだ。」
「ずいぶん淡泊ですね。」
「そりゃそうさ。現世では人生諦めていたからな。もうどうにでもなれって感じさ。」
「そうですか・・。では、ここからはやり直す人生の事についてお話ししましょう。」
「おう、助かる」
「まず、あなたには異世界で勇者として生きてもらいます。そして魔王討伐を託します。」
「へ!?」
「だから、あなたには異世界で勇者として生きてもらいます。そして魔王討伐を託します。」
「ちょっと意味が分からないが。普通に暮らせるんじゃないのか?」
「もちろん、普通に暮らすことも可能です。ですが魔王が復活した世界で普通に暮らすことなど出来ません。いつも死と隣り合わせです。」
「なるほど、そのまま暮らしても魔王に世界を滅ぼされると。」
「そうです。なので魔王を討伐したら、もう1度元の世界に行けるようにします。向こうの世界で目を覚ました時には、難病は治しておく事を約束しましょう。今、向こうの世界は時間が止まっています。なので倒した後は元の世界で元気に暮らしてもよし、こっちに残っても構いません。」
「魔王を倒した後はその後どうするかは自分で決めろと。」
「そういうことです。話しが早くて助かります。」
「一応、理解力はある方なんでな。」
「どうしますか?この話しを受けますか?受けないのであれば元の世界に戻しますけど」
「はん、そんなの決まってる。受けるさっ!受けて元の世界で生きていく!」
「わかりました。では、あなたには【調べる】のスキルを授けます。このスキルをうまく使って、魔王を討伐してください。」
「その【調べる】ってスキルは何なんだ?」
「そのままの意味です。聞くより使った方が早いので、新しい世界に送った後使ってみてください。」
「わかった。考えても仕方ない。さっさと向こうに送ってくれ!」
「では、異世界転生を始めます。少しの間、目を瞑ってください。起きたらそこはもう異世界です。」
「了解!色々ありがとな!女神様!?」
「ふふふっ、女神様か。それはどうでしょうね!?では行きますよ」
「おう、じゃまた会えたら!」
「そうですね!また会えたら。ではご武運を!」
こうしてアギトは転生した。ここから勇者アギトの魔王討伐の物語が始まる。