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CASE:015 踏切向こうのドッペルゲンガー 報告書

東京怪異捜査録 − 警視庁特対室CASE:XXX −

警視庁 特異事案対策室

特異事案報告書


───


【案件番号】

T-2013-15

(参考:旧案件番号 T-1998-13)


【事案名称】

京王井の頭線03踏切 ドッペルゲンガー出現事案

(旧事案名称 踏切向こうのドッペルゲンガー)


【分類】

異常存在生成型四類 / 人型模倣体型四類 / 記憶複製型四類


【発生日】

2013年6月12日


【発生地点】

東京都武蔵野市 京王井の頭線03踏切


───


11.初動報告


2013年6月12日22時12分、当室捜査官 南雲美優より自身と同一人物が踏切付近に出現、追跡中との通報。現場急行時、模倣体の存在を複数名が確認。以降、当室要員による現場対応・監視を実施。


───


2.概要


本件は、本人の記憶・外見・行動特性を高精度で模倣した人型模倣体ドッペルゲンガーが都市踏切付近に出現、当該人物(恩寵保持者)と交錯、逃走、対峙の末に消失した事案である。類似のドッペルゲンガー発生型事案(1998年、同地点発生。案件番号T-1998-03)との共通点が認められ、内容も準ずるが、本事案は模倣対象が恩寵保持者であった点で異例である。


───


3.発生条件


・6月、深夜帯(22時台)に京王井の頭線03踏切付近にて発生。

・電車通過直後、対象人物と踏切を挟む視認範囲内に模倣体が出現。


(本項目は旧事案と完全に一致)


───


4.特性


・旧事案同様、外見・記憶・行動パターンは本人と同一。

・旧事案同様、模倣体は精神状態・判断傾向も高精度で一致。

・旧事案同様、模倣体は出現後、極めて高い逃走傾向を示す。

・旧事案同様、本人が模倣体に直接接触した場合、模倣体は即時消失。

・消失後残留する黒色粉末の解析結果は、旧事案と同様。

・恩寵の模倣は確認されず、対象は近接・武器利用など非能力的手段による行動を選択した。

・解析系恩寵(当事案においては透視)により判別可能。ただし極めて精巧な模倣が行われている為、一定水準以上の精度が必要となる。


───


5.対処方法


・模倣元本人による模倣体への接触を最終手段とした。

・模倣体に対峙を誘発させた上で、模倣元本人が直接接触し消失を確認。

・本対処法は旧事案においても有効性が確認済。


───


6.現在の状況


・模倣体は完全消失。

・以降、同地点・同時刻における再発事例は現時点で確認されていない。

・過去事案(T-1998-13)は、5年間にわたる同条件監視(定点観測・近隣住民聴取・監視カメラ設置等)により追加発生例なし。社会的波及・模倣も発生しなかったため収束判断されたが、本事案を受け同地点における監視を再開。進化・変質・波及型発生の有無について継続調査中。なお、当該踏切自体に纏わる曰く及び地質、磁場異常等は現在のところ判明していない。

・模倣元本人に自己同一性の混乱など主観的違和感の継続が報告されているが、現時点で追加現象との因果は不明とする。精神カウンセリング実施により回復傾向。


───


7.所感

かつて河川が地域境界として「此世・彼岸」の民俗的像を担ったのと同様に、現代都市では鉄道路線が生活圏を分断し、心理的・物理的な境界として機能している。したがって線路そのものが境界性を帯び、往来が強制的に制御される踏切が通過点、つまり門として作用し得る可能性を考慮すべきである。 本件の再発を踏まえ、同一条件(深夜帯・列車通過直後・視認範囲内)で境界現象が成立しやすい可能性を前提に、当該踏切および同型の環境(生活圏を二分する踏切)を監視対象として扱うべきである。


───


【報告書作成】

特異事案対策室 捜査官

葦名 透真



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