CASE:012 笑み女 報告書
東京怪異捜査録 − 警視庁特対室CASE:XXX −
警視庁 特異事案対策室
特異事案報告書
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【案件番号】
T-2013-07
【事案名称】
渋谷駅南路地における精神吸気型憑依事案
【分類】
精神吸気型四類 / 憑依型三類
【発生日】
2013年4月17日
【発生地点】
東京都渋谷区S丘町二丁目周辺
JAWSONS丘町南店 及びその周辺路地
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1.概要
倒れていた男性 吉田拓生(都内在住・会社員・32歳。以降、Aと記載)が日常的に立ち寄っていた店舗に勤務する女性従業員 頼谷癒雨(以降、Bと記載)との接触を繰り返す中で、精神吸気型憑依存在がBを依代として発現していた可能性が高いと判断。Bは、Aとの直接接触の際に精神エネルギーの吸気を行ったものと思われる。
対象存在は古代文献に登場する、鬼のルーツといわれる隠に準拠した特性を持ち、酷似した存在もしくは眷属と推測された。
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2.初動報告
2013年4月17日22時13分、渋谷区内にて通行人からの通報あり。「男性が路地で倒れており、呼びかけに応じない」との内容。現着した渋谷署員により当該男性の意識は確認されたが、表情固定・眼球反応不良・四肢反応なしの状態にあり、病院搬送。検査の結果、薬物反応および脳機能異常は確認されず、精神性要因の疑いが強まる。
当室に情報共有がなされたのは4月20日8時02分。対象男性の所持品および携帯端末より、ある特定店舗の女性従業員への異常接近履歴が確認され、当該従業員を軸とした事案可能性が浮上したため、同日12時より調査開始。
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3.発生条件
・対象存在は依代となったBとの直接接触を行った人物に対し、特定条件下(周囲に人目のない空間)で反応。
・AがBに対し強い執着を持ち、精神的依存傾向があったことから、特に対象存在の選択的吸吸気が働いた可能性がある。
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4.特性
・依代を介して接触した対象の精神エネルギーを吸収
・吸収過程において対象に一時的な恍惚感が生じる。
・依代本人に対する肉体的及び精神的侵害は現時点では認められないが、一定期間以上の憑依継続は依代の精神負荷を蓄積させる危険性がある
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5.対処方法
・当室所属蜘手捜査官による霊糸(保持恩寵 操糸による)を用いた意識接触・分離処理により、憑依存在の干渉部を外部に抽出
・続いて、南雲捜査官による分解処置(保持恩寵 分解による)を実施。存在の解離および非物質情報の消滅を確認
・Bに対しては当室にて簡易精神安定措置、三級記憶処理を施し、依代としての影響の残留は確認されず
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6.現在の状況
・Aは搬送先医療機関にて一時的な精神反応の鈍化を示すも、現在は日常生活に復帰可能な段階まで回復中。携帯端末より発見されたBの盗撮については回復後、所轄署(渋谷警察署)生活安全課による任意の事情聴取が行われた。
・対象存在は完全消滅を確認済
・依代となったBについては精神的影響の長期的モニタリングが必要と判断され、当室にて月一度の経過観察・面談を実施予定。必要に応じ、蜘手捜査官または久世捜査官による補助的精神安定措置を行う。
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【報告書作成】
特異事案対策室 捜査官
蜘手創次郎
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