CASE:011 とりまがいの姿見 報告書
東京怪異捜査録 − 警視庁特対室CASE:XXX −
警視庁 特異事案対策室
特異事案報告書
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【案件番号】
T-2012-011
【事案名称】
異常性古鏡及び鏡像複製存在に関する特異事案
通称 とりまがいの姿見
【分類】
異常存在生成型四類 / 物品型四類
【発生日】
2012年6月16日
【発生地点】
東京都八王子市南部 山間地・貸別荘 望影荘
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1.概要
対象施設内に設置された古鏡に起因し、当該空間に滞在していた人物の鏡像的複製存在が発生。当該存在は原型個体(宇津木誠)の死亡後、行動および記憶を伴う形で複製として出現し、施設内において実体として活動。
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2.初動報告
2012年6月16日 22時04分、対象施設にて異常存在の発覚、及び死亡事故を装った痕跡および不審な行動履歴を現地にいた当室捜査官 葦名透真により確認。事案化判断により当室管轄として即時対応を実施。
3.発生条件
・対象が対象鏡(識別名「とりまがいの姿見」、以下「事案鏡」と呼称)に映り込んでいる状態で急性の死を迎えた場合、対象の生前の記録を元にした鏡像的複製存在が発生する。
事案鏡原型は破壊されたが、サンプルとして採取した破片にも同様の怪異性を確認。マウスを使用した検証により現象の再現が確認される。昆虫を用いた検証では鏡像的複製存在の発現はされず、また当事案で出現した個体に自己に対する執着の傾向が見られた為、対象に自我を持つ知性が必要なものと推測される。
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4.特性
・外見・音声・挙動は原型個体とほぼ同一
・細部の記憶・言語選択等に軽微な齟齬あり。
・自己認識を有し、自己が本物であると信じる傾向
・利き手や一部の記憶については鏡像的なものとなっている。(例:スマートフォンのロック解除パターン)
・実体性を帯び、完全に破壊されるまで外的物理干渉を受容可能
・透視(恩寵保持 当室捜査官 葦名透真)などによる判別が可能。
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5.対処方法
鏡像的複製存在は発生源である事案鏡の破壊により、活動を停止。破壊時、対象の身体表層に事案鏡鏡面と同様の亀裂が発生し、速やかに崩壊・消滅。同時に存在に関連する残留反応(温度変化・静電気的歪み等)も収束。
なお、マウスによる検証で同破片から異なる個体由来の複数の複製存在出現の確認もされたが、いずれの個体も同破片の破壊による同時の消滅を確認。
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6.現在の状況
・原型個体(宇津木誠):死亡確認
・関係者(白洲環奈):傷害致死容疑で任意同行、自白済
・記憶処理:対象 関係者三名(白洲環奈・清水拓巳・山野理沙)恩寵 操糸(恩寵保持 当室捜査官 蜘手創次郎)により済
・事案鏡:破壊・回収済(破片一部をサンプルとして確保、破片にも異常性保持を確認)
・関連空間:「望影荘」封鎖措置済。周辺住民等に影響なし
・他の鏡像的複製存在:現時点で確認されず
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7.備考
破片を通じた再現性の確認を受け、同型鏡の存在調査を継続中。鏡像的複製存在は自発的に増殖する兆候は確認されていないが、同種の素材・加工技術を持つ鏡製品が市場に流通していた可能性が否定できず、現在も情報収集中。
なお、本件の鏡像的複製存在は、自己意識における正当性を強く主張し、極めて自然に周囲へ同化を試みる傾向がある。仮に発生直後に発見されなかった場合、存在のすり替えが完全に成功する可能性もあった点には留意が必要。
追記(庁内回覧)
現在、関連性の疑われる材質を用いた製品が古物市場を経由して都内に複数流通していた可能性あり。
以下のキーワードで絞り込みを実施中
「無銘」「黒檀装飾」「寸法1800mm以上」
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【報告書作成】
特異事案対策室 捜査官
葦名 透真
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