CASE:009 姦姦蛇螺 報告書
東京怪異捜査録 − 警視庁特対室CASE:XXX -
警視庁 特異事案対策室
特異事案報告書
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【案件番号】
T-2013-26
【事案名称】
姦姦蛇螺 擬神変異事案
【分類】
神霊型二類 / 呪詛型二類
【発生日】
2013年11月25日
【発生地点】
長野県M郡K村及び周辺山中
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1.概要
本事案は、かつてK村にて封印された異形存在である姦姦蛇螺の再顕現、およびその討伐行為が新たな擬神顕現儀式へと変質したことによる、極めて異例な変異型事案である。
姦姦蛇螺は過去に該当区域に存在した大蛇型の怪異存在と、生贄とされた巫女の怨念が融合・変質したものと考えられる。
しかし、第零特別戦闘群の行った討伐行為そのものが“生贄儀式”として成立し、姦姦蛇螺の死体を依代とした擬神、禍神へと再構成され、最終的には封印空間そのものの逆転現象が確認された。
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2.初動報告
2013年11月25日、長野県警より住民複数名の失踪および山中での未確認存在の視認報告を受信。当該地域は過去に特異災害履歴を有する区域であったため、即時、陸上自衛隊第零特別戦闘群および警視庁特異事案対策室に対応権限を移管。
当室より捜査官 蜘手創次郎・轟雷蔵・久世灯里・葦名透真・南雲美優の五名を派遣。現地にて第零特別戦闘群と合流。調査の結果、封印構造の完全崩壊および擬神の顕現を確認、即時対応を実施。
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3.発生条件
姦姦蛇螺は以下の複合的条件により顕現し、その後擬神へと変質。
長期にわたる封印構造の劣化
地域祭祀の継承停止および封印儀式の形骸化
境界保全区域への民間人侵入(登山者・山林作業者の記録あり)
封印内部に蓄積された穢れの臨界突破
討伐行為自体が擬神顕現儀式へ転化した点は、これまでの事案とは一線を画する性質を持つ。姦姦蛇螺の存在は以後、不可逆的に禍神へと吸収・消滅したと判断される。
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4.特性
姦姦蛇螺初期形態における特性
六本の腕を用いた高速度・多方向干渉
下半身の蛇型構造の視認不全(条件不明)
封印空間内部における実体・霊体の同時重複性
禍神(擬神)変質後の特性
高濃度穢れの常時放出(人体・機材・霊的構造体の劣化誘発)
構文性を持たぬ呪詛音声による精神攪乱・呪的感染
恩寵との共鳴・吸収(特に穢れに近似した性質のもの)
人間的感情の模倣と精神干渉による判断力の低下及び共感性誘導
5.対処方法
本事案における対処は、以下の段階にて構成された。
Ⅰ.高火力及び拘束的性質を持つ恩寵、結界を用いた物理的・霊的拘束による対象の行動制限
Ⅱ.雷獄(当室捜査官 轟保有)による雷撃、および断罪(第零特別戦闘群隊長 刀堂陽真保有)による対象との呪的連結の利用など、穢れを中和する性質の恩寵による除染
Ⅲ.第零特別戦闘群隊長 刀堂が交戦時喪失した左腕に当室式神(護法童子)による変質を行い、呪的連結を持つ封印用依代として転用。
Ⅳ.境界(当室捜査官 久世保有)により封印用依代内に封印空間を構築。
Ⅴ.封印直前に発生した穢れの残響に対し、分解(当室捜査官 南雲保有)により解体・無効化。
上記をもって、対象存在を依代内部に完全封印。
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6.現在の状況
封印は完了し、依代は特異事案対策室 室長の管理下に移送済。関係者全員に対し中〜高濃度の呪詛影響が確認され、全員に呪詛転移媒体が配布された。既に呪詛の影響は転移済ではあるが、継続的な監視が必要と判断される。
また、当室室長が独自に収集した「呪詛の残滓」等の二次資料については現時点で非公開とされており、内部監査の対象として検討中。
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【報告書作成】
特異事案対策室捜査官 久世灯里
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