CASE:002 きさらぎ駅 報告書
東京怪異捜査録 − 警視庁特対室CASE:XXX -
警視庁 特異事案対策室
特異事案報告書
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【案件番号】
C-2013-01
【事案名称】
きさらぎ駅
【分類】
C案件
次元外存在型一類 / 宗教的異常空間型一類 / 異界干渉型一類
【発生日】
不明(報告対象は2013年7月26日)
【発生地点】
静岡県浜松市 遠州鉄道 さぎの宮駅近辺(および異界空間)
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1. 初動報告
本件は、インターネット上で流布する都市伝説「きさらぎ駅」に関連する調査の一環として開始された。特異事案対策室は、当該地域における怪異の可能性を検証するため、2013年7月22日より5日間にわたり現地調査を実施した。
調査担当の捜査官・南雲美優が、遠州鉄道新浜松駅22:40発の西鹿島駅行きに乗車し、異界空間である「きさらぎ駅」への侵入を確認した。さらに、式神を用いた内部探索を実施し、当該空間の特性および異常性を記録した。
調査終了後、南雲美優は特定の精神侵食による極度の認識障害を発症し、当該空間に関する記憶の大半を喪失したため、回収された式神の依代を解析し、得られた情報をもとに本報告書を作成した。
解析の結果、「きさらぎ駅」は単なる幻覚や精神的影響ではなく、物理的・時空的異常干渉を伴う異界空間であることが確認された。さらに、当該空間はかつて■■■■■■を信仰する団体の祭壇として使用されていた形跡があり、■■■■の■■もしくは■■が直接顕現したものではなく、その影響の余波や接近に伴う干渉によって変質した可能性が示唆される。
この現象は、異界存在が特定の空間へ及ぼす影響として稀に観測されるものであり、当該空間の構造変化や物理法則の歪曲は、■■■■の■■が一時的に近づいた、もしくは何らかの接続が試みられた結果として引き起こされた可能性が高い。なお、現時点では、当該空間に明確な「意志」や「目的」が存在するかは不明であるが、継続的な監視が必要である。
※これらの異常現象は、人間の通常の知覚では認識・観測が不可能であり、特異な感覚を持つ式神によって感知・記録されたものである。
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2. 概要
「きさらぎ駅」は、実在しないはずの鉄道駅でありながら、特定の条件下において乗客が到達する異界空間である。都市伝説としての知名度が高いが、今回の調査により以下の事実が確認された。
1. きさらぎ駅は異界空間であり、通常の物理法則が適用されない。
2. 時間・空間構造が歪曲されており、物理的・時空的安定性が極めて低い。
3. かつて■■■■■■を信仰する特定の団体が異界との接触を試みた祭壇跡である可能性が高い。
4. 現在は「残響」のような形で存在し、異界のエネルギーが減衰しつつあるが、完全には消滅していない。
5. 「詩」の存在が確認され、これにより精神汚染が引き起こされることが判明。
当該空間が自律的な意思を持つかは不明であるが、内部での知覚異常が多数観測されていることから、何らかの外的干渉が継続している可能性を考慮する必要がある。
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3. 発生条件
当該怪異が発生する条件については、以下の要因が強く関連していると推測される。
1. 遠州鉄道 新浜松駅22:40発 西鹿島行きに乗車すること。
2. さぎの宮駅手前にて、特定の条件下で異変が発生する。
- 車内の乗客が突如として消失。
- 電光掲示板・広告の白紙化。
- 窓外の視界が完全な闇となる。
- 直後に異界の駅が出現する。
また、特異な要因として以下の可能性が挙げられる。
1. 特定の周波数を持つ精神波動(本件では、調査担当の南雲美優が該当)。
2. 外部からの干渉または不特定多数の意識が関与する現象。
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4. 空間内部の特性
※以下の情報は、式神の知覚を通じて得られたものであり、人間の通常の感覚では認識・観測が困難である。
(1) 空間構造の異常
- 床に脈動するような感触があり、無機物と有機物の境界が曖昧。
- 駅舎の構造が不定であり、戦前の木造駅舎・現代のプラットフォーム・未来的構造が同時に存在。
- 駅名標の文字が滲み、意識すると認識が逸れる。
(2) 音声情報の異常
- 時間軸を超えた会話の断片が浮遊。
例:「もしもし、お母さん?」「おーい、線路の上を歩いちゃダメだよ」
- これらの音声は、空間内に「染み付いた記録」のような性質を持つ。
(3) 祭壇としての痕跡
- 空間の奥部に、通常の鳥居とは異なる異常な構造物を確認。
- 何らかの祈祷の痕跡が存在するが、その意図については不明。
- 式神の解析によれば、空間全体に特定の「詩」の影響が見られた。
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5. 対処方法
- 本案件は「C案件」として分類し、接触を厳禁とする。
- 遠州鉄道の当該時間帯の運行を監視し、異常発生の兆候が見られた場合は即時対応を行う。
- 失踪事案が発生した場合、特異事案対策室が即時介入する。
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6. 現在の状況
- 本案件は「C案件」として分類され、接触禁止案件とされた。
- 異界空間が依然として存続している可能性が高いため、監視を継続。
- 「詩」の解読は精神的影響が極めて強いため、解析を凍結。
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【報告書作成】
特異事案対策室 室長 ■■■■■
(基礎記録:特異事案対策室 捜査官 南雲 美優)
(2025/2/22 誤字修正)