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8/11

憂鬱な木曜日

ひーまー…


今日は木曜日…授業が本気で暇な日…


せめて途中で体育か何か入ってればよかったんだけど


「夏芽姉ぇどうした?何か怠そうだね」


「樹かー…今日の授業暇だなって」


「リラックス系の体育とか何も無いからなー…」


「樹ー、そこのベランダから飛び降りなさいよ」


「なんだよそれ!死ぬじゃん!」


「大丈夫大丈夫、根拠無いけど」


「根拠無いのかよ!!」


樹をいじっても面白く無いしなー…


「あ、次の時間化学じゃん、昨日解雇になった先生の代わり誰やるんだろ」


「あ…確かに気になるね」


キーンコーンカーンコーン


「あ…授業始まるね…さて、蛇が出るか鬼が出るか…!」


ガラガラガラガラ


「クックックックック…」


ん?眼帯?


「諸君…深遠なる闇より来たりし我が…世の断りを説いてやろう…!!」


「「「なんか濃いやつ来た!!」」


うわぁ…どう見ても30代だよ…


それで厨二病治ってないのはヤバいって…


「先代のやり残した部分を補填する形となるが…貴殿等には先代以上の講義をすると約束しよう…!」


ここは真面目なんだな


「さて…先ずは…」


先ずは?


「自己紹介からだ…如何に聡明たる我とは言え流石に全員の名前と顔を覚えている訳では無い故だ」


そりゃそうでしょうなー


「出席番号1番から順に自己紹介してもらおうか」


「フッハッハッハッハ!!出席番号一番隻眼のアークこと衣帯 奴だ…!」


一人目でキャラ被ってるじゃん


「あ、そういうの良いんで早く次の方」


お前がいうのか


「えっと…出席番号2番…篠原雪です…」


自己紹介は順に進み


「えっと…出席番号14番 加藤 樹です、よろしくお願いします」


「なんかお前だけ普通だな」


何だこいつ


おい、夏芽姉ぇこっち見て笑うな


そして…


「出席番号35番、小鳥遊夏芽です」


無難に決まったわね!


「よし…我は其方等の顔と名前を認知した…これから一年、貴様等をみっちり扱き上げてやろう」


こいつこんなめんどくさそうな教師だったの!?


「では先ず基本中の基本、バタフライ効果に於けるー」


待て待て待て待て、それのどこが基本だ、そんなもの触れてないぞ


「先生!そこやってないです」


おお!流石委員長!!こういう時ビシッとー


「今からキチンと私たちに講義してください」


そっちじゃないってば


「ふむ…先代が言うには先の分野まで進んでいると言う話だったが…先を急ぎすぎたか、では初歩的な部分から行こうか」


最初っからそうして欲しかった


「一足す一はー」


バカにしてんのか


ーーー下校ーーー


「ねぇ樹」


「何?夏芽姉ぇ」


「この学校の先生振れ幅広すぎない?」


「奇遇だね…俺もそう思っ


「ドSな女教師に厨二病教師…これ普通なら解雇されてるよね」


「まぁ…普通じゃないから」


「あー…にしても今日はどっと疲れたわー…」


「ははは…今日はゆっくり休んだ方が良いな〜…俺も疲れた」


ガチャ


「只今ー…あれ?結衣さんは今日休みじゃ…」


「なんか机の上に書き置きあるよ?」


「どれどれ…“少し緊急性のある急患が来たので病院に行ってきます、良い子で待っているように”」


「急患か〜…結衣さんも大変そうだね」


「でも結衣さんが休日出勤なんて久しぶりだな…よっぽどのことが何か何かあったんだろうな…」


「ふーん…」


すると夏芽姉ぇは意地の悪い笑みを浮かべながら樹を呼ぶ


「ねぇねぇ樹君」


「なんだ…また嫌な予感がするんだけど」


「結衣さんが帰ってくるまで私たち二人きりだね」


「ブッフォ」


「なぁにぃ〜?夏芽お姉様と二人っきりがそんなに嬉しい?」


「ん、んなわけあるか!!」


何を言い出すこいつは


「じゃあ…私のこと…嫌い?」


上目遣いを使うな上目遣いを


はぁ…なんだか家にいるはずなのにどっと疲れた気分だよ


「いや…その…」


「どっち?好きなの?嫌いなの?」


「えっと…」


「嫌いなんだ…いいや…私なんて…」


「好き好き!!すっごい好き!」


「それでよろしい♪」


なんかいいように操られた気がする…


さて、と夏芽姉ぇは向き直り


「そんな私のことが大好きな樹君に試練を出そう」


はぁ?


「お前…あの教師に影響されたか」


「そんなわけないでしょw夕飯よ、夕飯…頼んでいい?」


「まぁ…いいけどあんまり大したもの作れないぞ?」


「それでもいいのよー…他人が作ったご飯ほど美味しいものはないわー」


主婦か!!


まぁ夏芽姉ぇの場合調理の問題もありそうだけど


「何か食べたいものとかあるか?」


「うーん…特にはないかな、樹君の好きにしていいよ」


「了解ー」


ーーー


「チャーハンだけどできたぞー、夏芽姉ぇ」


「お!ありがとう!!どれどれ〜?あ、美味しい!」


「そうか?」


なんか照れるな


この時俺は思いもしなかった


夏芽姉ぇの笑顔を見ることができるのは今年の夏で最後だったなんて…

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