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調理実習と樹君

「樹ー、そこのボウル取ってくれ」


「はいよー」


「樹君…そこの包丁…取って…?」


「はいよー」


「樹君、ここにサインを」


「さらっと俺名義でサラ金行こうとしてんな」


ーーー


「じゃあ生活班で6人1班になって、事前の確認通りに調理実習を始めます、包丁などは危ないので振り回さないように、それじゃあ初めてください」


ガヤガヤ


「樹君は…野菜を切る係だっけ」


「うんー…俺これしか出来ないからね」


「そう…なの?」


「まぁなー…母…結衣さんの料理旨くてあんま自分で作ることがないんだよね」


      コロス アンナ美人デ料理ノウマイ義理ノ母親モチヤガッテクソガ


なんか今男子数名から殺気を感じたが…気のせいか


「そっか…家事上手そうだもんね、結衣さん」


「そうそう…じゃ無かった…雪さん、一つ頼んでいいかな」


「…なに?」


「夏芽姉ぇああ見えて料理が…その…まぁあれなんだ、しかもよりによって調理する工程にいるから………ね?言いたい事は分かるかな」


「あー…うん…察した」


「じゃあ頼んだよ…この班の濃いメンツの中じゃ雪さんしか頼めなくて…」


「まぁみんな…個性強いもんね」


今回俺が同じ班になった奴等、悪い奴じゃない、ただクセが強すぎる


モヒカンヘッドに肩パッドが特徴で世紀末物のSFに出てきそうな見た目だけど趣味はスイーツを食べる事… 阿部史 田和馬 君


見た目からしてモロなヤンデレ系で中身がそれを裏切らない 深井 愛衣 さん


「お前その見た目で高校生ってマジ?」と言いたくなるような見た目幼女の 長内 露理 さん…


みんな悪い人じゃない、ただ…


クセが強すぎる!!


一芸入学があるこの学校だけど「こんなのアリか?」と言いたくなる人までいる


まぁ…夏芽姉ぇも十分その類なんだけど


「ねぇねぇ樹君、包丁、取ってくれるかな?」


うわぁ…考えてたら来たよヤンデレお嬢…じゃ無かった、深井さん


「ほいほい…ちょ、ちょっとくだらない事聞いて良いかな?」


「なあに?樹君」


にっこりと素晴らしい笑顔を浮かべながら返事をする


いや、その笑顔が怖いっす


「深井さんってなんの係だっけ…?」


「私はー…お肉を切り刻んで(ピーーーーーーー)する係よ」


いやなんかモザイク入ったんだけどおおおおおお!!


「いや何をするの!?」


「お肉を(ピー)して(ピーーーーー)するのよ」


これは深く聞かない方が吉か


「じゃ、じゃあガンバッテネ」


「うん!樹君のために頑張って作るね!」


おい、止めろ、周りの目が痛い


「あ…ははは…」


「おい樹!そこのしょーゆとってくれないか」


「あー、はい、これね」


「ふむ、感心感心、このお姉さんがナデナデしてあげよう」


「いや良いっす」


「なんで!!」


今度は長内さんか…身長低いことにコンプレックス持ってるからこうやって事あるごとに自分の背が高いアピールしようとするんだよなぁ


「樹ー、野菜切り終わった?」


「あー、もうちょい」


急かすでない夏芽姉ぇ、ちゃんと野菜は切れるぞ


ーーー


「あー…できた、阿部史君は後片付けだっけ?」


「ヒャハハハハハ!!汚物は消毒だぁーーーー!」


クセつえぇ


まぁいい…ここまでは問題ない、いや、あるとすれば深井さんの作業してる方向から肉に向かって


「あなたは私だけのもの」「嘘つき…中に誰もいないじゃない」など小声で物騒な言葉が届いた事だろうか


ヤンデレコワイ


「じゃ、パパッとやりますかね」


今回作るのは野菜炒めだ、幾ら夏芽姉ぇでも流石に失敗はー


         ボン!!


え?


野菜と肉と油でどうやって爆発させた?


お前はある意味天才か?


「あら…よく燃えるわね」


おい何入れた


「油と水ってやっぱ混ぜない方がいいわね」


当たり前だバカ


知ってるなら何故やった


「さて、気を取り直して炒めるわよー」


「夏芽ちゃん…まずはお肉から…」


「あ、そうだったわね、ありがとう雪ちゃん」


ナイスフォロー雪さん、やっぱ雪さんが鍵だ


「お、いい感じ」


いい感じじゃない、見てる方は「大丈夫かこれ」だ


周り見てみろ、長内さんなんか怯えて隣の班のテーブルに逃げてるぞ


「えっと…次は野菜を入れてっと…」


そうだ、それでいい、流石にそれは失敗のしようがー


パァン!


お前マジ何やった


そう言う爆発ネタは科学の実験でやれ


「お、焼けてる焼けてる」


どれどれ…


わー、本当だー、鍋の中で野菜が燃えてるー…


何やってんだ、中華料理作るんじゃないぞ


雪さん、諦めた顔でこっちを見るな


深井さん、恍惚の表情で火を見つめてるあなたが俺はとても怖いです


阿部史さん、そんな見た目してるのに火が苦手なんだな、「ヒャ!」なんて叫び声…


お前は少女か


結局野菜炒めは他の班から分けてもらった


当の夏芽姉ぇは「失敗しちゃった☆」と言っているが常人の失敗を超えている


やっぱ天災だよ、夏芽姉ぇ



この作品が面白いと思ったら評価やブクマ、感想を頂けると“次の話も頑張って書こう”というか気力が湧きます!

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