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はじめてのショッピング

全くからかえてない…!!


夏芽姉ぇはこう感じていた


昨日の友人紹介で薄々思ったけど樹は着実に進化している…


あのキワモノをたやすく扱うなんて並大抵の事じゃないわ


何かいい策はないか…


その時、テレビから天の声が響く


「連日の真夏日の猛暑で少し早い水着の購入が始まっている模様です、ここで四越に居るリポーターの坂田さんに中継をー」


「これだ!!!!!」


〜〜〜


「樹、今日6時限よね、放課後水着を買いにいきましょう」


「はい…?」(急に何言ってんだこいつ)


「最近暑いじゃない?夏到来!と言うわけよ、夏といえば海!そう!海といえば水着!水着といえば女の子!!」


「一人で行ってくれば?」


「しかーし!私は数年ぶりでここらの店を微塵も覚えていないわ!覚えているのはパチンコ屋だけ…!」


「いやなんでパチンコ屋だけ覚えてんだよ」


「と、いうわけで町のお店巡りも含めて買い物付き合って」


さぁ樹…今日と言う今日は存分にからかってー


「雪さん、夏芽姉ぇの買い物付き合ってあげてくれないかな?」


「亜khc栄えk血くsdcbくあdkjbxくcがづkぁkしlんk、xkjxbさkxじゃbぁjぉあsぁkx」


「はい…夏芽さんすごい声出てますよ…?」


その逃げ道があったかぁああああああああああ!!!


圧倒的不覚…!!


「どうした…?」(何やってんだこいつ)


「な、なんでもない…雪さん付き合ってくれるかな…?」


「はい、私で良ければ…」


ーーー放課後、デパート水着売り場ーーー


「雪ちゃん付き合ってくれてありがとうね」


「いえ…そういえば気になってたんですが樹君のお姉さん…ですか?」


「いや、そう言うわけじゃないんだけどね…あいつとは幼馴染みで昔からああ呼ばれてたのよ」


「そうなんですね…あら…?彼方にいるのは…井ノ原さん…?」


「え?委員長…あ、本当だ」


雪が指を指したほうには真剣な顔で水着を物色する香穂がいた


夏芽がいたずらっぽい笑みを浮かべながら井ノ原に近付く


ゆっくりと…ゆっくりと…気配を消しながら


「なーに見てんの?」


「うきゃあああああああ!?」


よほど集中しているのか夏芽に気付いていなかったらしい


「うーわぁ…こりゃ随分とまた際どい水着ですなぁ」


「そう言うのじゃないと入りきらないのよ!!」


「どれどれ〜?」


むにゅ、おぅ…これが天国か


3万までなら出すぞ


「うきゃああ!?い、いきなり胸を揉むなぁ!」


むにゅむにゅ


「夏芽さん…井ノ原さん…会って3日で…///」


むにゅむにゅ


「え?」


むにゅむにゅ


「雪は実家がお寺だから色恋と無縁で生きてたからそう言うのに敏感でって…いつまで揉んでるのよ!!」


「あ、ごめんごめんもみ心地が良くてつい」


「ついじゃないわよ、もう!」


「そういえば…私達も水着を買いに来たんですが中々良いのが見つからなくて…お勧めとかあります?」


「そうね〜…可愛いのが良いんだったら向こうの棚、大人っぽいのがいいんだったら今私がいる棚、見た目を捨てて出会い厨の男ガン引きさせるレベルでガチで泳ぎに行くなら後ろの棚かな」


「今中々のパワーワードが出たな、私も大人っぽい方が好みかなぁ…あ、これとか良さそう」


「わ…私は向こうの可愛いのを見てきますね…」


「雪ちゃん可愛いのも似合いそうだね」


「えへへ…そうですかね…?」


ーーー数十分後ーーー


「雪ちゃんどう?いいの見つかった?」


「はい!これとか可愛くないですか?」


「えー?どれどれ…おぉう…」


「どうしたの?夏芽…うわ…」


「可愛くないですか?これ」


二人がドン引きしたもの…囚人服を思わせる白黒ボーダーの全身タイツのような、センスの欠片も無い水着である


「雪ちゃん、悪いことは言わない…やめよう」


「え?なんでです?」


「私も夏芽に賛成ね…てかどこで見つけてきたのよ…」


結局雪の水着は3人で競技した結果青いビキニに決定した


雪本人はぶつぶつ言っているみたいだがあの囚人水着よりは絶対にマシだろう


「雪ちゃんに井ノ原さん、今日ありがとうね〜」


「はい…また近いうち3人でお買い物行きましょうね…!」


「そうね…悪く無いかもだけど…胸を揉むのはやめてね…」


そうジト目で見るな、興奮sじゃなかった、来るものがある


ーーー


「ただいまー!」


「お帰り夏芽姉ぇ、良いのあった?」


「うん、あったわ〜途中井ノ原さんに会ってねー」


「あ、そうなんだ中々帰ってこないから心配したらそういうわけか」


「あれぇ〜?心配してくれてたんだぁ〜」


此奴、意外に可愛い所あるじゃないか


「そ、そんなんじゃないし!!」


「照れてもう可愛い奴よのぉホレホレ、おねぇさんがナデナデしてあげやう


「やめろ!!もう俺先風呂入ってるからな!」


「お〜う…ん…?」


「え?」


「樹…」


え?なんですかこの空気、俺何かしました?結衣さん、笑顔が怖いですよ


「夏芽姉ぇ、俺何か言った?」


ヘルプ!夏芽姉ぇ!


「ば…ばかぁ……」


何故に赤面!?え?本気で俺何かしました!?


「樹…お母さんがいる前で堂々と不純異性交友を言ってのけるとは度胸があるのねぇえええええ!!」


「あ…あぁああ!!」


やっちまったぁあああああああ!


「そそそそ、そういう意味じゃなくて!つい昔みたいな感じで!!夏芽姉ぇも何か言ってよ!!」


「…お互いの同意の上なら…その…」


ぶつぶつ言ってて分からん!!


「樹…?」


「は、はひぃ…!?」


樹は普段温厚な結衣から発せられた絶対温度にも近い視線を向けられビクゥッと背筋が伸びる


「ちょっとお母さんとお話ししましょうか〜」


ズルズルと襟首を掴んで部屋に連れて行かれる樹、「すみませんでしたぁあああ!」という断末魔が聞こえるが「パシャリ」と障子が閉まり途中で途切れる


これ私がからかわれてるんじゃないかこれ!?


夏芽姉ぇがからかう側から、無自覚にからかわれる側に移行したことを理解した瞬間だった

この作品が面白い!もっとからかわれろ!などありましたら是非評価、感想をよろしくお願いします!!

大変モチベにつながりますゆえ!

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