友人作り
「ぎゃぁああああああああああ!!」
「あー…樹ったら朝から元気にのたうち回ってますねー」
「あらあら、何かあったのかしら」
「タンスに小指うちつけたぁああああぁあ!!」
「馬鹿がいたわー」
「間抜けねぇ」
「そういえば夏芽ちゃんは学校どう?お友達できそう?」
「みんな良い人っぽいですがやっぱり少し入り難いですねー」
「あらまぁ…樹?夏芽ちゃんのお友達作りお手伝いしてあげなね?」
「了解ぃ……」
ーーー
「了解とは言ったけどさぁ、夏芽姉ぇはどんな人と友達になりたいの?」
「そうねー…年収1000万以上で外車乗りのIT系若手イケメン社長ならぜひ」
「そんなの誰だってなりたいだろ!!てか理想の結婚相手じゃねぇか!」
「ははは、冗談だって出来るだけユニークな人とお友達になりたいかな」
「ユニークねぇ…俺の友人何人か紹介するわ」
「ありがとうーやっぱ持つべきものは樹だわ」
「そうか?」
「ここまで都合よく話を進めてくれる人あんまりいないしー」
「おいちょっと待てやゴルァ」
ったく…もういい…こうなったら変な奴紹介してやる!!
ーーー
「じゃあまず一人目な篠原 雪さん、夏芽姉ぇの一つ後ろの席の人、少し人見知りだけどおっとりしてて優しい人だよ」
「篠原…雪…です」
「宜しくー」
「篠原さんの特技がすごいんだよ」
「え?そうなの?」
「そんな…すごいと言うほどのものでは…」
「謙遜しなさんなって、高校二年で出来るのは凄いぞ」
「えー?何々?」
「般若心境の丸暗記」
「おーすごーい」
「けどもっと凄い特技があるんだよ」
「え?何?」
「この黒くて綺麗なロングヘアーを最大まで活かした…」
「活かした?」
「樹君、ちょっと黙ろうか」
「あれなんか雪ちゃんめちゃくちゃ早口になってない?」
「幽霊の仮装」
「なるほど」
「町内の肝試しで毎回幽霊役やるけど違和感無いって話題なんだよ」
「ちょっとあなたを呪ってくるわ!!」
「普段は大人しくていい人なんだけど怒らせると藁人形持ってどっか行くから注意ね」
「あらー…凄い勢いで走っていったわね」
「じゃあ次の人ね」
ーーー
「学級委員長の井ノ原 香穂さん、凄い几帳面で真面目な人なんだ」
「へー…で、井ノ原さんどこにいるの?」
「足元」
「え?…きゃぁあああああああ!!」
「教室で何騒いでるのよ…静かにしなさい」
「は、はぁ…」
「香穂さんは日課で毎日教室の机のズレを揃えてるんだ」
「めっちゃいい人じゃん」
「ミリ単位で直すから朝5時から学校来てる」
「いや、凄い早起きだね」
「最早変態じみた執着だよね」
「あなた…人の事を変態って言ったわね」
「あ、ごめんごめん」
「許さないわ、今すぐマリアナ海峡に埋めてあげる」
「!?!?!?」
「ごめんって、せめて近場の東京海底谷にしない?」
「!?!?」
「そうね…いずれ時間があるときに埋めてあげる」
「ありがとう、辞世の句でも考えながら楽しみに待ってるよ」
「いやこれで納得するか普通」
「どうしたの夏芽姉ぇ」
「いやお前がどうした」
「じゃあ次いこっかー」
「おいこら樹スルーするな」
全く……大丈夫かな樹
ーーー
「はい、祓川 浩二君、空手部に入ってて座右の銘は「他力本願」、何にもやる気が起きないタイプの無気力ボーイだ」
「空手部なのに他力本願?」
「うん、あ、そうそう、今ここにいる浩二君は本人じゃないから」
「え?」
「他力本願が極まってて別な人に学校にきてもらtれるんぢょ…来てもりゃ…来t…もういい!!」
「めっちゃ噛んだな、そして最後諦めんな」
「ユーモアあふれるいい人だから仲良くしないと損だぞ」
「へー、宜しくね」
「ぁ…ぁあ……」
「あちゃー…忘れてた」
「え?浩二君なんか汗すごいけど大丈夫?」
「浩二君極度の女性恐怖症なんだった」
「なんで共学の学校に通ってる、そして何故私に紹介した」
「喋る時はこのマスク付けてね」
「え?ちょ、何このジェ◯ソンのマスク」
「それを付けてないと浩二君緊張して喋れないんだよ」
「へー…これで大丈夫?浩二君」
「何このジェ◯ソンのマスク被ったヤバい奴」
「え?めっちゃ態度変わったんだけど」
「夏芽姉ぇマスク取って、浩二君むしろこっちで緊張しちゃってる」
「あ…はい取りまーす」
「ぎゃぁああああああ!女ぁあああああ!!」
「いやいやいやいやいや」
「浩二君大変そうだから次いこっか」
「え?あれほっといて大丈夫?」
ーーー
「さて、このクラス最後の友達はこの人、薬丸 中読君」
「え?なんか字面すごい人きたけど」
「ふひ…ふひひ…ふひひひひ!!」
「この人の特徴はね」
「ちょっと待って、なんか想像できた」
「白い粉(フリ◯クを砕いたもの)をこまめに吸引しないと禁断症状起こすんだ」
「いや予想通りなんだけど!!」
「やめろって!!妙子ももう分かっただろ!!」
「え?妙子?」
「穴子さんはもう死んでるって!!!!」
「いやサ◯エさん!そしてどんなバイオレンスな幻覚!?」
この瞬間、夏芽姉ぇは理解した
この学校で通い、一年過ごした樹は…昔の樹ではないと言う事を…!!
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