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剣と魔法・・・時々超能力  作者: しう
超能力の章
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1章 28 エイヤクノ

町から離れた場所であった為に少しの間シーナ先生の講義に耳を傾けた


魔法


この世界でも全てが解明されている訳ではなく未知な領域が多く存在する


例えば俺が求めている『魔法を覚えるにはどうすれば良いか』


研究してくれている人がいると助かるのだけど、研究する人って魔法を覚えている人だったらそこまで情熱は傾けないだろうな。だって自分は使えるのだから・・・それに魔法を使えない人がいるからこそ重宝されている部分もるだろうし・・・


また、これは驚いたのだが『魔法はどれくらい種類があるのか?』


とっくに解明されていると思ったが、どうやらそうでも無いらしい


今判明しているだけで七系統。火・水・地・風・草木・神聖・無属性


毛色の違う無属性は前の六系統に当てはまらないから・・・簡単に言えば分からないから無属性という括りに入れたろって感じらしい


例えば雷・・・魔法で雷を使う事が出来たら、雷属性ではなく無属性となる。じゃあ属性と位置付ける基準は何かと言うと、精霊の有無らしい。火の精霊、水の精霊はいるが、雷の精霊はいない・・・よって雷は無属性となっている


「じゃあ雷の精霊が居たら系統は増えるって事?」


「そうなるね。よっぽどの人じゃないと精霊は見えないらしいし・・・見える人でも余程高位の精霊じゃないと見えないんだって。私も神聖魔法の精霊だったら見てみたいけど・・・」


神聖魔法の精霊ってどんなんだ?・・・神様か?


「神聖の精霊は未だ見た事があるのはレーネ様だけみたい・・・羨ましいなぁ」


レーネ・・・魔王を倒した勇者パーティの1人か


「レーネ様は凄いんですよ!どんな傷も治したり、一気にみんなを治したり、死んだ人を生き返らせたり・・・」


ベ○マ・ベホ○ラー・ザオ○クの使い手か・・・頼もしい


「レーネ様は魔王と相討ちになりお亡くなりになられた勇者アイオン様を生き返らせそのまま結婚・・・全人類の憧れとも言えるベストカップル・・・」


「凄いな・・・そしたらシーナも俺が死んだら生き返らせてくれよ。そしたら・・・」


「え?・・・そしたら?」


あれ?この流れって・・・レーネはアイオンを生き返らせて、2人は結婚・・・シーナが俺を生き返らせたら・・・


「す、好きな物買ってあげるよ・・・」


「ふーん・・・ふーん・・・」


心做しかシーナの肩を持つ手に力が入っているような・・・怖くて振り向けないな・・・生き返らせる対価にしては安いだろ!ってツッコミをくらいそうだ


にしても、生き返せるか・・・レーネが生きててヒカリとかに会わせたら生き返らせてくれるのかな?でも・・・あの状態って死んではないよな?どうなんだろ?




考えている内に正門に到着。シーナは恥ずかしかったのか門番に見られる前におんぶから降りて俺に肩を借りている状態だ


「怪我か?なら町の中心付近に教会があって、そこで治してもらえる・・・あまりおすすめはしないけどね」


ギルドカードを提示した際に門番がシーナの足の怪我に気付きそう教えてくれた。シーナの家みたいな感じで教会に神聖魔法使いがいるみたいだけど、教えてくれた門番は含みのある発言をする


気になったので聞こうとするが、ちょうど馬車がやって来てそれ以上話す事は出来なかった


仕方なく教会に足を向けるとシーナは少し困った様子・・・あー、さすがにこの人通りじゃ肩を借りて歩くのは恥ずかしいか


振り返り町を見ると早朝にも関わらず普通に人が行き交っている。アンテーゼと違い門を抜けたら広場になっており、その先に商店らしき建物がズラリと並ぶ


アンテーゼが住宅街ならここエイヤクノは商店街のイメージだ


「ふあー、これがエイヤクノの町・・・」


歩けず立ち止まっていたシーナも顔を上げてアンテーゼとは違う町並みを見て感動していた


せっかく知らない町に辿り着いたのに、俺に肩を借りて恥ずかしい思いをしながら歩くのは可哀想だな・・・よし


「シーナ・・・普通に歩いてみて?」


「えっ・・・でも・・・」


「大丈夫。片方裸足で恥ずかしいかも知れないけど、歩けるようになるはずだから」


シーナは俺の言葉を聞いてコクンと頷いた。そして、恐る恐るだが傷付いた足を踏み出すと不思議そうにこちらを見た


「地面に足が・・・」


足に負担がかからないように、浮遊の容量でシーナを浮かせていた。シーナの体重と同じくらいしか浮かせてない為に地面には触れている。でも、浮かせている分シーナには地面に足がついていないように感じるはずだ


シーナはこれならと笑顔になり、足を木にする事なく町並みをキョロキョロと見渡しながら歩き始めた


シーナが片方の靴を履いておらず、更に乾いているとはいえ血だらけになっている事から若干の人目は引くが、自然に歩いている為にそこまでジロジロと見られる事はなかった


逆にシーナは目を輝かせ、あれは何の店だろう?、あっ、あれアンテーゼには売ってない、などと全開で初エイヤクノの町を楽しんでいた


しばらく歩くと教会に到着・・・他人の身体を浮遊させながら歩くのは結構しんどかった為に助かったと思った・・・ところが



「200ゴールド!?治療費で?」


「治療費ではない。教会への寄付だと言っているだろう」


いやいや、寄付を強要するなよ!


目の前にはこの教会の神父


ぶくぶく太り、強欲が人の面を被ったような顔をしているが、神父なので見た目は悪どそうだが、実は・・・を期待したが予想通りだちくしょう


シーナの足を見て、200ゴールドを請求・・・いや、寄付の強要。この世界でも非課税とかあるのだろうか・・・治療費は課税対象で、寄付なら非課税とか・・・


「慈善事業ではないのでな・・・寄付が出来ないのなら帰ってもらおう」


おお、神よ・・・なぜにこの豚野郎に神聖魔法を授けたのか


「はい・・・ありがとうございました」


シーナは深々と頭を下げ礼を言うと振り返り歩き出す。慌てて足が地面に触れないように調整し、俺もそのままシーナの後を追った


「シーナ・・・そういうものなのか?」


外に出た瞬間にシーナに尋ねると、シーナは首を振る


「お父さんは寄付を強要した事はない・・・けど、寄付で成り立っている部分もあるから・・・もしかしたら他の町の住民は寄付をしなければいけないとかあるのかも」


あー、それはありえるか・・・町の住民は日頃から寄付とかしているから取らないけど、他の町の住民は何もしていない・・・だから寄付を強要する・・・でも別に俺らはアンテーゼから来たとは言ってないし、全ての住民をあの豚野郎が覚えているとは思えない・・・それに門番が言っていた言葉も気になるし・・・


「大丈夫!少し休めば・・・それに血も止まってるし。今日一日安静にしとけば治ると思うし、私は宿に居るからアタルは町でも散策して来て」


「う、うん・・・」


血は止まっても痛みはかなりあるはず・・・一日安静にした所で果たして・・・シーナも散策したいだろうに・・・あっ


「シーナ・・・その宿屋代は・・・」


「それくらいなら任せておいて!さあ、行きましょ!」


もしかしたら足手まといになりたくないと無理してるんじゃ・・・


宿屋に着くと金額が案内された。2人で2部屋、夕食付きで20ゴールド・・・足の治療費で200ゴールドだったから、如何に治療費が高いのが分かる


にしても一日生活するのに最低1人10ゴールドは必要だな。宿屋に泊まって昼飯を食べるとなるともう少し・・・必要な道具を揃えたりするならかなり稼がないといけない


今後の事を話す為に俺はシーナの部屋を訪ねるとノックしても返事がない・・・やましい気持ちは全くないが、そろりとドアを開けると・・・部屋にあるベッドにもたれかかるようにして寝ていた。そりゃあそうか・・・昨日は歩き通して寝ずの番・・・眠くないはずがない


俺は部屋に入り起こさないように念動力でベッドイン・・・布団をかけてそっと部屋を出た



何をするにしても金が必要・・・それはどこの世界でも一緒か・・・なら・・・稼ぐまで。目指せヒモヒキニート脱却!






薄暗い部屋の中、電子音とたまにコポコポと音が鳴る


目を閉じる事もままならないこの状況で、精神が保っていられるのは城島の能力であるテレパシーでこの状況を共有出来る仲間がいるからであった



・・・やはりアタルに伝えるべきじゃないか?・・・



・・・でもまだ確定した訳じゃ・・・



・・・確定してからじゃ遅いかもな。だが、無駄に不安がらせるのも・・・難しいところだな・・・



・・・せめてアタルからこちらにアクセス出来るようになれば・・・



・・・念動力では無理よね・・・



・・・そうだな。テレパシーは俺発信のみ。となると、必要なのはコンタクト・・・交信だな・・・



・・・この中にいるのかい?その交信の超能力者は・・・



・・・多分・・・いるはず・・・私達が何も出来ないと思ってマッド篠塚が・・・言ってた・・・



・・・そいつの目覚め待ちか・・・もうすぐ目覚めそうな奴が1人いる・・・それが交信だといいけどなて・・・



・・・存外便利だな・・・透視能力・・・



・・・馬鹿と鋏は使いようってか?・・・生前使えこなせてりゃあ良かったんだけどな・・・



・・・生前会わなくて良かった・・・



・・・そうだな・・・



・・・城さん・・・男は覗かねえよ・・・



・・・女も覗くなよ、ケン・・・チッ来やがった・・・



城島は誰かが入って来た事に気付きテレパシーを遮断した


入って来た研究所職員である瀬名は入った瞬間に違和感を感じて片眉を上げるが、すぐに気のせいかと首を振り実験に取り掛かる


超能力を解明する為の実験に・・・


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