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剣と魔法・・・時々超能力  作者: しう
超能力の章
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1章 15 土狼1

受付に居た受付嬢は冒険者登録の時に居た女性だった


大人の魅力を感じる美人さん・・・泣きぼくろがまた良い味を出している


一瞬キョトン顔になるが、ようやく俺を思い出したのか『少々お待ちください』と言って奥へと引っ込んだ


で、戻って来た時には1枚のカード・・・ギルドカードを手にしていた


スっと俺に渡すと受付嬢は簡単に説明してくれた


このままギルドカードは全世界共通で、ランクとかは特にない・・・つまりどんな依頼でも全世界で受けられるという夢のようなカードだ。反面、依頼には期間があり、それを越えると罰金が発生する。なんと依頼達成料の半額も罰金として取られるのだ


基本、依頼は受けてから2週間・・・越えると罰金となる


中には死んだ事にして別のギルドで依頼を受けようとする者もいるが冒険者ギルドのネットワークで『コイツ依頼放ったらかし』とバレて罰金を徴収されるらしい


つまり紐付けされてるから逃げられない


素直に罰金払うか冒険者辞めるかの2択になる


「あのー・・・『土狼』は止めておいた方が良いと思いますが」


あれ?やっばり犬っころ結構強い?操思った時、周辺からクスクスと笑い声が聞こえて来た。どうやら冒険者に登録したばかりの俺に犬っころは荷が重いらしく、聞こえて来るのは物を知らない俺をバカにするような中傷の声・・・むぅ・・・まあ見た目貧相だしそうなるか・・・


「おう!笑うカスは俺が相手になるぜ?それとも代わりに受けっか?『土狼』の依頼を!」


聞いた事ある声・・・と思ったらやっぱり髭面オヤジのダルスだった


ダルスの登場に笑ってた連中は視線を逸らして黙り込む。どうやらギルド内でそれなりの実力者らしい・・・って、確か1番大きいチームだったか?


ダルスは俺の前まで来ると厳つい顔で見下ろした後、ニカッと笑う


「朝死にそうなツラしてた奴が『土狼』とはな!」


「・・・アンタも笑ってるじゃねえか・・・」


「他の奴らと一緒にすんな!これは嬉し笑いだ!俺の喝が効いたって言うな!」


「どうだか」


「おう!一つだけ忠告してやる・・・無謀無茶と勇気を履き違えんなよ・・・弱え奴が無謀無茶で挑んで魔物に力付けさせるのは面白くねえ・・・ハッキリ言って迷惑だ」


「安心してくれ・・・勝てる算段はついてる・・・後はそれを俺が実行出来るかどうかだ」


「ほう?そんなに俺の娘が欲しいか?」


「どうしてそうなる?」


「ガッハッハッ!・・・生きて帰って来い・・・兵隊は貸せねえが、訓練なら参加させてやるぞ?」


訓練・・・そうか、冒険者は体が資本・・・そりゃあ訓練もするわな・・・でも・・・


「気が向いたらな・・・1人でやるだけやってみるさ」


主に念動力の訓練だから、手伝ってもらうのは無理だ。今後、他の訓練を手伝ってもらうことがあるかもしれないから、やんわりと断っとく


「・・・あのヘナチョコパンチじゃ死ぬぞ?」


「あれが本気といつ言った?」


「言うじゃねえか。おもしれぇ・・・勝ったら奢れや」


「普通逆じゃねえか?」


「これから稼いでくんだろ?細けえ事は気にすんな!最低5匹は狩って来いよ!じゃねえと足りなくなるぞ!」


何食う気だよ・・・ダルスは俺の背中を叩くと大声で笑いながらどっか行っちまった


5匹か・・・確か1匹300ゴールド・・・3万円としたら・・・15万!?マジかよ・・・


とりあえず依頼書を詳しく見ると討伐証明部位には鼻を剥ぎ取って持って帰らないといけないらしい。ゴブリンは耳が特徴的だから耳でいいらしいが、犬っころは鼻が特徴的らしいが・・・覚えてないな。手で持って帰る訳にもいかないから、それなりの袋を持って行かないとな・・・それと注意事項とか色々書いてあるな・・・なになに・・・


期限内なら依頼取り消し可能・・・ただし達成料の1割取られる


依頼を受けてない者も達成料は支払われる・・・ただし正規の達成料の5割


ふむ・・・つまり偶然遭遇した場合も倒せば金が入るのか・・・ゴブリンとかクマの討伐証明部位覚えておけば良かったな・・・


袋はお金がないからハムナさんに借りるか・・・言いにくいけど・・・いや、依頼を受けなくても達成料を貰えるなら・・・


俺は他の依頼書を見て各魔物の討伐証明部位を覚えた


これで小銭を稼げば袋ぐらい帰るだろう


俺は依頼を失敗しないように計画を練る


まずは修行・・・で、腕ならしと実益も兼ねての実践・・・で、犬っころ!


都合良く魔物が出てくれるか分からないのは不安だが、とりあえずそれで行こう


さっそくいつもの川に向かい修行開始だ




川に到着すると前に持ち上げた大岩を再び持ち上げる


コツが掴めたのか前より楽に上げれているような気がする・・・で、この状態で・・・おっ、あの辺でいいか・・・手頃な石を見つけて同時に持ち上げようとした


ズゥン


先に持ち上げてた大岩が地面に落ちて物凄い音を立てる・・・そんなに簡単にはいかないか・・・片方に集中すると片方が疎かになる・・・分かってた事だけどこれは難しいぞ


右手と左手で同時に違う動作をする・・・念動力に必要なのは集中力・・・動けと念じると手を触れずに物を動かす事が出来る・・・集中力が散漫になると当然動かせない・・・もしかして2つ同時に違う動作させるのは無理?・・・いや、何早々に弱気になってんだ・・・出来る・・・出来るはず・・・まずは小さいペンとかで慣れるか・・・家でやろう


次に石を数個持って上に放り投げる。突然石は落ちて来るが避けずに・・・防御っ!・・・痛っ痛っ!


漠然と防御しようとしても無理か・・・『理力斬』の時のようにイメージ・・・防御のイメージと言えば盾・・・鎧・・・よし!盾ぇ!・・・ううむ・・・出ない。なら、全身を覆う鎧ぃ!・・・ふっ、依頼を取り消ししようかな・・・


くそっ・・・すぐ湧いてくる弱気の虫を追い払い、俺は何度か盾や鎧を出そうと試みた・・・結果はダメだったが、これも家で出来る・・・こりゃあ寝る間もないな・・・


最後に自然に念動力を使えるようになる修行


これは犬っころの時は必要ないが、今後念動力がバレないようにするには必要だ


近くの木の前に立ち、漫画やアニメを参考にした必殺正拳突き!・・・予定では拳は木に当たることなく木は破壊されベキベキと音を立てて倒れるはずが・・・俺の拳が折れそうだ・・・痛みでピョンピョンと跳ねて、拳に息を吹きかけて痛む拳を冷ます


「あかん・・・心折れそう・・・」


拳の痛みはすぐに収まったが、予想外に上手くいかずにへこたれそうだった




教会に戻りシーナ達と会話などして時間を潰し、夕食を食べた後自室に戻る


部屋に入って深呼吸すると部屋にある物を確認し浮かしてみる


ペン、毛布、机、ベッド・・・軽い物から順に浮かせては戻しを繰り返し、ベンを2本同時に浮かせた


同じ動きをさせるのは複数でも比較的簡単だ。そこから2本のペンを別の動きをさせるのが難しい・・・両手をペンに向けて試行錯誤やってみる


「んぎぎぎぎ」


相当変な顔してるだろうな・・・どう力を入れていいのか分からずに、変な力が顔にかかる


か、回転させるのは難しいな・・・これならどうだろうか?


両方の手のひらをそれぞれのペンに向け、上下に動かしてみた


右手が上の時は左手は下へ、右手が下の時は左手は上に・・・するとペンはその動き通りに動く


別の動きをする事は可能だ・・・手を向ける事により集中力を分散出来る・・・なら・・・


俺はベンを下ろすと毛布と机に手のひらを向けた


少し離れた場所にある物・・・それを同時に浮かせる


!・・・浮く・・・浮くぞぉ!


離れた場所でも浮かせられる・・・手のひらで指向性を持たせてやればいけるんだ・・・希望が見えてきた・・・ただ2週間か・・・少し早まったな・・・


それから頭痛がするまで寝る間も惜しんで繰り返す・・・成せばなる成さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなり!やるぞぉー!


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