表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で幸せを手に入れました。  作者: 諏訪弘
プロローグ
22/40

その地の名は『ラザー大草原』

 夜の闇に紛れ、ラザー大草原とアーセン大平野のラザー大草原に近い場所から魔物を一掃した。


 ポヨポヨの様に綺麗な石を残し消滅する魔物は少無い。証拠を残す訳にはいかない。討伐しては左袖に放り込み証拠を隠匿した。


 レベルは99で上限に達している。これ以上レベルの上昇に伴っての成長は見込め無い。そうなると、己を強化する方法は、能力を強化するしかない。


 手拭でいつも戦えるとは限ら無い。私は、魔剣戦技Nを鍛える事にした。英雄王の剣が手元にあれば魔剣戦技を鍛える必要は無い。だが、腕時計と交換してしまった。


 陽が沈んでから朝日が昇るまでの約10時間。ただ只管討伐し続けた。レベルを上げる為に経験値と呼ばれる物があるとローザ姫様に教えて貰った。99で上限に達している私が魔物を討伐してもレベルを上げる為に必要な経験値が入らず勿体無い。ローザ姫様と私はパーティーメンバーだ。だがそれはギルドカードの編成情報であって所属を確認する為の便宜上でしかない。


 夜の闇に紛れる前に、王都の冒険者ギルドでグループを結成した。グループ名は【サジヴィラーフ】この国の言葉で、癒しと恐怖と言う意味だ。グループメンバーはローザ姫様と私の2人。


 魔物は雑魚ばかりだったが、ノーマルポヨポヨ約700匹で1cm~3cm大の水晶石を3622個。他にはベア―クローラビット14匹。クライスネーク9匹。スズメバチヤンマ44匹。アングリーヌー約400匹を、討伐した。冒険者ギルドに持ち込むとバレてしまう。私は自分で解体する事を決意する。


 ローザ姫様のレベルは、私に入る分の経験値も流れたのだろう。約10時間の討伐で私と同じ99になっていた。HP1666でMP1499。



 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽


 家に戻り、入浴も忘れベッドに倒れ込む泥の様に眠った。


 正午過ぎに目を覚ますと、ローザ姫様は隣でまだ眠っていた。前の日午前6時に起床し次の日の午前7時過ぎに就寝。移動役は私が全て務めた。禁断の森①での桧葉の巨木探し。狭いが快適な入浴で燥ぎ。少し早目の夕食を済ませると、闇に紛れて討伐開始。私は起こさない様に静かにベッドから降りると、いつもの入浴ポイント。ルシミール湖しか見えないロケーションの場所へ移動した。


 久々に入る1人での入浴。素晴らしい。足を伸ばせるって素晴らしい。私は野生の猿では無い。大自然の中で入浴を満喫する。そこまで野生児では無い。管理された自然と景色。管理された衛生環境の中で表現された世界。私にとっての入浴とはあくまでも人によって作り出された芸術の延長だ。大自然の力によって生まれただけの場所に魅力を感じる事は無い。人が感性と時間を紡いだ結果が入浴という極楽に繋がる。


 くだらない持論を改めて確認する必要は無い。そこに湯船があるだから湯を張り浸かった。在り得ない程にゴシゴシキュッキュッと磨き上げ限りなく衛生環境を高めた上での入浴。


 今の私には、そのゴシゴシキュッキュッ。磨き上げの時間が必要無い。そう魔法キュアがあるからだ。キュアにはこんなにも素晴らしい利用方法があった。入浴の始まりと終わりはキュア。良い響きだ。青春時代を思い出す。大学時代のあの貧しくそして有り余る時間と体力。今思えば実に貴重な時間だった。


「≪キュア≫」


 さてと、湯船の準備をするかな。



 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽


 入浴を満喫した後は、いつもの様に噴水と花花花に囲まれた東屋で麦茶を片手に寛ぎながら、腕時計の機能を眼球だけで操作していた。


 手拭いが高級手拭へ、浴衣が高級浴衣へ。スキルや魔法もおかしな事になっている。


 何だ。これは……


 宝石拾集 S+ ☆★★★★★★★★★★

 薬草採集 S  ☆☆★★★★★★★★★


 亡者集結 A  ☆★★★★★★★★★★

 人魂集結 A  ☆★★★★★★★★★★

 魔物集結 A  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★


 熟練習得 S3 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(カンスト)

  ※スキル&魔法の習得時ランクA☆1※


 手拭戦技 A  ☆☆☆☆☆☆★★★★★

 魔剣戦技 S3 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

         ☆☆☆☆★★★★★★

  ※剣戦技☆13(ランクS3)を吸収※

 聖 戦技 S+ ☆☆☆☆☆★★★★★★

 魔 戦技 A  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★

 下駄歩行 S  ☆☆☆☆★★★★★★★

 俊足歩行 A  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 水面歩行 A  ☆★★★★★★★★★★

 空中歩行 A  ☆★★★★★★★★★★

 手拭装備 S3 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

         ☆☆☆☆★★★★★★

  ※大盾戦技☆13(ランクS3)を吸収※

 浴衣装備 S3 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

         ☆☆☆☆★★★★★★

  ※重鎧戦技☆13(ランクS3)を吸収※

 下駄装備 S3 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

         ☆☆☆☆★★★★★★

  ※鉄靴戦技☆13(ランクS3)を吸収※


 聖 魔法 S1 ☆☆★★★★★★★★★ 

 土 魔法 A  ☆☆☆☆★★★★★★★

 水 魔法 S  ☆☆☆☆☆☆☆★★★★

 火 魔法 A  ☆☆☆☆☆★★★★★★

 風 魔法 A  ☆☆★★★★★★★★★

 光 魔法 A  ☆☆★★★★★★★★★

 無 魔法 A  ☆☆☆☆★★★★★★★

 闇 魔法 A  ☆★★★★★★★★★★

 雷 魔法 A  ☆★★★★★★★★★★


 ≪神聖魔法≫


 聖属性:習得難易度☆3 キュア

   修練度 A  ☆☆☆☆☆★★★★★

 聖属性:習得難易度☆7 ヒール

   修練度 S3 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

          ☆☆★★★★★★★★

          ★★★★★★★★★★

          ★★★★★★★★★★

          ★★★★★★★★★★


 ≪便利魔法≫※生活魔法※


 土属性:習得難易度☆1 ピソーク()   

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 土属性:習得難易度☆2 スカラー()

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 水属性:習得難易度☆1 ヴァダー()

   修練度 S  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(カンスト)

 水属性:習得難易度☆1 リョート()

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 火属性:習得難易度☆1 アゴーニ()

   修練度 A  ☆☆☆☆☆☆★★★★

 風属性:習得難易度☆1 ウラガーン(疾風)

   修練度 S  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(カンスト)

 風属性:習得難易度☆2 ヴィチローク(そよ風) 

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 光属性:習得難易度☆1 スヴェート()  

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 無属性:習得難易度☆1 ミュスクル(筋肉強化)

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 無属性:習得難易度☆1 ムイースリ(精神強化)

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★


 ≪便利魔法≫※応用魔法※


 土属性:習得難易度☆1 グリャージ()

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 土属性:習得難易度☆2 シチナー()

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 水属性:習得難易度☆2 リカー()       

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 水属性:習得難易度☆2 オーショード(熱い水)

   修練度 S  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(カンスト)

 水属性:習得難易度☆4 アゴスマ(聖水)

   修練度 S  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(カンスト)

 火属性:習得難易度☆2 ブラーミア()

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 風属性:習得難易度☆4 イコチル(聖風)

   修練度 S  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(カンスト)

 無属性:習得難易度☆3 ラダール(探知)

   修練度 E  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★

  ※N☆1で半径20mを電波探知※

  ※E☆9で半径300mを電波探知※

  ※S☆10(カンスト)で半径7000mを電波探知※

  ※解放①S2=S☆11=半径8000mを電波感知※

  ※解放②S3=S☆12=半径10000mを電波感知※


 ≪初級魔法≫※活用魔法※


 土属性:習得難易度☆2

   シュタインクーゲル(石の球体)

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 水属性:習得難易度☆2

   ヴァッサークーゲル(水の球体)

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 火属性:習得難易度☆2

   フランメクーゲル(炎の球体)

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 風属性:習得難易度☆2

   ヴィントクーゲル(風の球体)

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★


 ≪中級魔法≫


 風属性:習得難易度☆3 ブーリァ()

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★

 雷属性:習得難易度☆3

   グロームストリエラー(雷の矢)

   修練度 A  ☆★★★★★★★★★


 ≪称号≫


 魔物殺し S3 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(カンスト)

 亡者殺し S  ☆☆☆☆☆☆☆★★★

 人魂殺し S  ☆☆☆☆☆★★★★★

 悪人退治 A  ☆★★★★★★★★★

 

 救世主

 賢者

 奇跡を与える者  

 湯船を愛する者:習得難易度☆10

   修練度 S  ☆☆☆☆☆☆☆☆★★


 ドゥ―シャー


 ≪非公開・称号≫


 英雄王になるはずだった者

 ※変換→HPとMPの最大値を3001UP※


 ≪状態≫


 レベル99 +1  (100)

 HP5000+100 (5100)

 MP5400+200 (5600)


 攻撃力 S+ ☆★★★★★★★★★

 ①【 S+ + 魔剣戦技 + 魔剣エクス 】

 ②【 S+ + 手拭戦技 + 高級手拭 】

  魔力 S  ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

  【 S 】

 防御力 S  ☆☆☆☆☆☆☆☆★★

  【 S + 浴衣装備 + 高級浴衣 +

     下駄装備 + 下駄 + 高級手拭 】

 魔耐性 S  ☆☆☆☆☆★★★★★

  【 S + 浴衣装備 + 高級浴衣 +

     下駄装備 + 下駄 + 高級手拭 】

  速度 S+ ☆☆★★★★★★★★

  【 S+ + 俊足歩行 +

     下駄装備 +下駄 】

  幸運 sLe(超伝説) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(現時点ではカンスト)

  【 sLe + 腕時計 】 


 習得ポイント 29800


 2日前と比べ急成長している様だ。禁断の森①で桧葉の巨木を入手し、ラザー大草原とアーセン大平野で魔物を討伐しただけで、この様な事になったのか……


 そんな事はどうでも良い。入浴の素晴らしさを知って貰える素晴らしい機会を手に入れてしまった。ボディータオル……フッ。私の所持しているタオルのただのタオルでは無い。そう、手拭だ。何を以て永久物とのたうち回っているのは知ら無いが、入浴のいろはを叩き込むには最適だ。


 実に素晴らしい。……う~む。フッ フッ フッ……


「トシ様ぁ~。やっぱりこちらでしたか。1人でずるいですよぉ~」


「気持ち良さそうに寝ていたので、起こさない様に動いたのですが、起こした方が良かった様ですね」


「お気遣いありがとうございます」



 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽


「あぁ~気持ち良いですねぇ~」


「入浴は肉体だけでは無く精神の衛生面清潔さを保つのです。今は狭い浴槽ですが、近日中にはこの倍以上。いえ5倍以上の浴槽を準備します」


「泳げそうですね」


 泳ぐだと……海水浴や水浴びと入浴を取り違えているのか。……まさか、そんな事は無いだろう。18歳にもなってこんな簡単な事を……あぁ~これは比喩か。おっと、忘れるところだった。


「ローザ姫様。この手拭を差し上げます。ボディータオルとしてしか使う事が出来ませんが、ボーディーソープと併用する事で、美肌美白若返りの効果があるそうです。若返りと言ってもローザ姫様の場合は老化防止かもしれません」


 たぶんですが……


「それと、シャンプー&リンス―ですが、使用し続ける事で属性攻撃や状態異常攻撃に対しての耐性値が上昇するみたいないので、今後は毎日入浴してください」


「毎日ですか……」


「入浴は嫌いですかっ」


「いえ、寧ろ大好きです。ですが、イポーニィに現状帰国出来無い状況です。シャンプー&リンスやボディーソープや洗顔フォームは大切に使った方が良いのではないかと思いまして……」


 入浴は大好き。何て素晴らしい娘さんだ。しかも、私の持ち物の心配までしてくれるとは……あの(・・)鬼達が本物の地獄の鬼だったのだと痛感させられる。しかし、まるで天使だ。入浴が大好き。恥ずかしくてそうそう簡単に口には……うん……どういう事だ。


 レベルが+1から+2に上がっている。


 ≪状態≫


 レベル99 +2  (200)

 HP5000+200 (5200)

 MP5400+400 (5800) 


 習得ポイント 30000


 ……まぁ~取り合えず、手拭を渡して効果の程を体感して貰おうでは無いか。



 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽


「このボディーソープという石鹸ですが、このままでも凄い効果でしたが、手拭で身体を一緒に洗うと全然違いますね。見てください」


「……あのぉ~裸だって事を忘れ無いでくださいね」


「裸なのは当然ですよ。入浴中なのですから」


「そ、そうですね……」


 目のやり場に困るのです。見てください言われてもですねぇ~……


「ふと思ったのですが、トシ様は入浴や沐浴がお好きですよね」


「そうですね」


 沐浴……入浴を追求し極め続ければ、最終的に行きつく所は、清めだとは思うが。


「この国では、お湯は貴重なのです。ですので、入浴は家族にとって貴重な時間の1つなのです」


 なるほどぉ~。文化や風習、習慣による違い。それは分からなくも無いが、だからといって目のやり場の解決には成っていない。湯着を開発するべきか……いや、私自身が入浴は生まれたままの姿派だ。他人に湯着を強制する何て出来無い。自分自身が嫌な事を他人様に出来る訳が無い。


「それとですね。どうして、私の事をローザ姫様と呼ぶのですか」


「……そうでした。うっかりしていました。王女様に成られたのでしたね。以後気を付けます」


「そう言う意味ではありません。夫婦なのに様付けはおかしいと言っているのです」


 あれ……ローザ姫様は私の事をトシ様と呼んでいる。この国では夫婦は互いに尊重し合い、様付けをする。……王妃様も国王陛下も様付けで呼び合ってはいなかった。……マンダリーン王女様もオルゲルト聖伯爵様もだ。…………確かに様付けで呼び合っていては目立つ。日頃から意識し気を付ける事で、街での生活が目立たず安心安全で豊かで実りある物になるかもしれない。


「確かに改善するべき点の1つだと思います。それでは、ローザとトシ。今後はこれでいきましょう」


「はい。トシ様ぁ~」


『ザバァ~』


 やはり、湯船での作法から叩き込む必要があるな。湯船に飛び込み湯船で他人に接触して来るとは、マナー違反にも程がある。……う~ん。時間が必要そうだ。


 柔らかいな……

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ