僕はそこにいなかった
どんな本を読んだのか
何の事を書いたのか
何を研究したのか
書いてある紙を暗記しました
今はおぼえていません
一つだけ思い出せるのは
先生の顔で
きれいな女の先生でした
夏休みの宿題を提出すると
先生は
かなしそうに見たのです
今にも泣きそうな顔で
くやしそう、だったのかも
絵日記
読書感想文
自由研究
お母さんに任せればいいの
と言われ
お母さんに任せました
お母さんは僕の知らない人に
任せました
僕が書いていない
僕の言葉
僕が描いていない
僕の絵
が
先生をかなしませたのか
よくわからないまま
過ぎていきました
何が悪いのか
わからないのです
今も