共通Aバッドend なかったことに
「うーん。自分からいっておいて難だけれど、ごめんなさい」
助けてもらったけれど知らない人をそうそう仲間に率いれるのはよくない。
「そうか、残念だが仕方ないね」
彼はすぐにアクアルドへ向かう。
私はお金を持っていないし近くに店がない。
食糧を調達すべくもうしばらくこの辺りを歩くことにした。
なにやら向こうでなにか羽のついた生物がプカプカ浮いている。
「グルウウウ!」
「あれは……鳥かしら竜かしら?」
●はじめましてこんにちは!
【小さなドラゴン】
→【小さなチキンさん】
「こんにちは小さなチキンさん」
私は鳥さんに声をかけた。
「オレは鳥なんかじゃねぇ!!」
そう言って火を吹いている。
「ヴライズっつう立派な名前があるドラゴンだ!!」
よく見たらそれはミニドラゴンだった。
「ごっごめんなさい」
私は去りゆくドラゴンのヴライズをただ見つめた。
私達は火をかこんで野宿をすることになった。
アクアルドにいくはずだったが海賊と海軍の戦いにより海が激戦の最中のため、船に乗れなかったアルトラやお腹をすかせたヴライズがなんやかんや仲間になった。
「さっきはごめんなさい」
「人間の戯れ言なんざ気にしてねぇ……」
私は夜に浮かぶ月を眺める。
「え?」
―――いま月の向こうから人が降りてきたような。
「みんなは月と太陽どっちが好きなの?」
「俺は太陽だな。春のポカポカ陽気」
ルヴァトがいった。
「オレは月がいいな。背が高いと太陽が暑くて」
「どっちでもいいだろ」
「ヴァリハナは?」
●太陽と月ならどちらが好き?
【月】
→【太陽】
「私は太陽が好き」
月も綺麗だし、どちらが好きかなんて決められないけど。
暗いと何も見えないから、やはり太陽がより大事だ。
―――私はいつの間にか眠っていた。
◆
「いつになったら夜になるのかしら」
目が覚めていつまでたっても明るいまま、一行に日が暮れる気配がない。
「もう夕方になってもいい頃なのにな」
ルヴァトは空を見上げる。
「あー腹へったー」
ヴライズはお腹を鳴らしながら言った。
「とりあえず先へ進みましょう」
冒険へ向かった彼女達、朝は終わらず来る日も来る日も先へ進む。
夜がこなくなったこの世界の人間はいつしか疲弊していきました。
おしまい。
【end・No.1夜の来ない世界】