再会3
「とってもきれいな音だね。久しぶりに澪のフルート聞けて感動しちゃった。」
「また、今度弾くね。」
ガチャ。
玄関でドアが開く音がする。
「ただいま。今のフルートの音聞こえた?この辺だよね。この家にはフルートないよね。……この靴誰の?麻夜姉のじゃ、ないね。」
「爽夜、お帰りなさい。麻夜の部屋に行ってみたら?麻夜じゃない人がいると思うわよ。」
「麻夜の部屋?麻夜じゃないのに?……さっきのフルート…えっ…もしかして……澪?」
階段を上がって自分の部屋にかばんをおいてから、澪のいる部屋をノックした。
「入るぞ。…………み…お…なのか?」
「そう澪だよ。お久し振りだね。爽君。」
「おかえり、お兄ちゃん。あたし、部屋に戻るね」
と言って部屋に戻っていった夏夜。それを見届けて、二人きりの部屋になった。
うちが引っ越す時にいろいろあってちょっと気まずいんだよね。
それもあって、やっぱり無言が続く。
先に口を開いたのは爽夜だった。
「澪、ごめんな。ずっと謝りたかったんだ。でも澪はメアド変えちゃうし、俺に教えてくんないし、夏夜に聞いてもメアドも住所も教えてくんないし。謝りたくても謝れなかったんだ。ほんとごめん。今更遅いのかもしれないけど、謝っとく。今は許してくれなくてもいい。そのうち許してくれ。」
「ううん。もういいよ。許す。けどさ、たぶんうちは、小学校の時のように今までのように接することは出来ないよ。うちの中でちゃんと区切りができるまで。」
「ありがとう。今はそれでいい。澪が傷ついてたってあとから夏夜に聞いたから、謝れなくてさ…じゃ、夕飯の時にな。」
と静かに言って、澪のいる部屋を出ていった。
その直後、ひょこっと夏夜が澪の部屋に顔を出した。
「どう?澪、仲直りできた?」
「できたんじゃんな…い…ヒック……」
「あ…泣かないで…ってかごめん。勝手に二人きりにしたりして。やっぱやめた方がよかったかな。」
「ううん、ありがとう。仲直りはできたから大丈夫。まだ、少しは気まずいけどね。」
「そっか。ならよかった。」
夏夜と二人でゆっくりしていたら、優子さんの声が聞こえた。
「みんなー降りておいでーご飯だから。」
「「はーい」」
家のなかにいるみんなが返事をした。
誤字脱字などや、本編で変えた方がよいところがあったら教えてください。
出来る限り直します。