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めそめそさん  作者: きつねさん
女首領
32/38

一年後

長らくお待たせしました。ただ、残念ながらまた期間が開くと思います。

こちらに来てから一年がたった。

でもスライムは討伐しきれていない。

いや、この言い方は正確ではないだろう。

スライムは依然として脅威をふるっている。むしろ私たちがこちらに来る時より、進行している。

私を除いて、ゲームの世界の体を持っていたというのになぜこんなことになったか?

それにはいろいろ理由がある。


まず朱里、魔導師である彼女はスライム討伐に対して結構貢献している。

スライムはレジスト、つまり魔法防御が高いが、朱里の魔法はそれをものともしない。

本人いわく、スライムに多少魔力を吸収されてる感じはするものの、

それを上回る威力で攻撃することは可能とのこと。

まあ、あくまで朱里にしかできないことなので、その貢献はあくまで個人の範囲となっているが。



次に直哉、召喚士なのだが、彼のゲーム時代での召喚獣は呼ぶことができなかったのだ。

現在はこちらで複数の精霊などと契約しているが、ゲームほどの力は出せていない。


次に圭吾、鍛冶師である彼は、他の勇者と比べると戦闘面では劣る。

もちろんこちらの人よりは強いが、彼の本職は鍛冶師である。

だからスライムを殺せる魔剣などを作って貢献しようとした。

しかし、ゲームの時とは違い、すべての工程を行わなければならない。

まあ、当然のことで、ゲームが異常と言えば異常なわけであるが。

だけど、鍛冶の仕方はなぜか体が覚えているらしい。

それで魔剣を作ったのだが、まず、材料の質が、ゲームの時より低い。

次に、手作業なので、大量生産に時間がかかる。

最後にスライムが武器を溶かしてしまうので、質の低い魔剣では焼け石に水。

などの理由で、現在は質のいい材料を自分で取ってきて魔剣などを打つという日々を送っている。

長期的に見れば、一番圭吾が貢献するだろう。



お次は高次、バーサーカーという物理職だから、彼はスライムへの対応はいまいちだ。

高次はこっちに来た時に持っていた大剣が聖属性で、

聖属性は魔物全般に対してにかなり有効な属性なのだが、

このスライムなぜかは聖属性に対してむしろ親和性を持っている。

だからメインウエポンである、ゲームの世界から持ってきた高次の大剣はスライム討伐では使えず、

圭吾がこちらの世界に来てから作った大剣を使っているため、ゲーム時代ほど活躍はできていない。


似たような状況の、フィリー(なぜかアバター名を名乗ってたので私もそう呼んでいる)

彼はアサシンで高次と同じく物理職だ。

フィリーは短剣で二刀流で、片方が雷、もう片方が氷だ。

スライムに対して特に有効でもなく、効かないというわけでもない。

ゲーム時代の魔剣頼りというところから、スライムに武器を劣化させられるわけにもいかず、

魔力を纏わせたりといった訓練をしてからスライム討伐に参加したため、

戦果は未だに朱里に負けている。



零次がいたらと思わなくもない。

エンチャンターである彼がいれば、一般兵でもスライムに対抗できる存在にすることができる。

朱里も普通の武器へのエンチャントはできなくもないが、効果時間は短いは、

効果は対魔力効果を考えるとそこまででもないわで、

それをするぐらいなら彼女自身が戦った方が効率がいい。

スライムの数が多いのだからこちらも人海戦術が一番だというのに。


彼は現在スラムのマフィア的なモノと手を組んで動いているらしい。

マフィア的なのの名前はチャーズー。現在勢力拡大中だ。

ゲームの中でも結構なトッププレイヤーであった高次達。

その一員である零士が入ったマフィアが戦力的にどこかに負けるはずがない。

幸いなのは、チャーズーが勢力拡大とかはしているけど、テロ活動的なのはしていないっていう事かな。

マフィア的なのどうしで戦っている時はあるものの、国に対して攻撃してきたりはしていない。

・・・・・・武力をかさに要求してきたことはあったけど。

そのせいでそちらに兵をさかなくてはいけなくて、スライム討伐が遅れたという事もある。

目下、スライム以外での主要な悩みの種だ。





私?私は

「非公開国属特別査問官官長及び非公式特別諜報員隊長」というやたらと名前が長い役職についている。

主な仕事は情報集め。

その中で悪事を働いている貴族の情報があったら、お金をゆすりに行く仕事。

いや、むしろ現在はこちらの方が主な仕事かも。

なにしろスライム対策でお金が山のように飛んでいく。一時期は軍事費がやばかったところだ。

現在は私が作った組織の、

「非公開国属特別査問官及び非公式特別諜報員」達がお金を調達して事なきを得ている。

なにしろ、貴族などたいてい悪事を働いている。小さいことから大きいことまで。

それを国の公認の非公開組織である私たちが見つけて証拠を集めると、

国に報告をせずに、貴族に私たちが知ったことを知らせる。

そして、その情報を国に報告しない代わりにお金をもらうのだ。

ここでポイントなのが、額を設定しないこと。あえて貴族の側に払う額を決めてもらうのだ。

少なかったら、次の催促はせずに国に報告。多かったら、国の国庫が潤う。

心配な貴族たちは国に報告されないためにも多額の金をはらう。

たまに見せしめとして少なかった貴族を国に報告して潰すのもいい。

他の貴族たちはますます心配してもっと多額の金を出してくれる。

それに潰した方が、国の国庫的にはうれしいし。

けど、潰しすぎたら貴族の反発が大きいのでこんな方法を取っている。

私の仕事はこんな感じ。

後は他国の対応を探ったり。スライムで世の中が荒れてるからね。

その隙に、と考えてる国は多いわけよ。そこら辺も調べてはいる。


そして私にとってはここからが本題なんだけどうちの組織の仕事はもう一つある。

茜の情報を探すこと。

・・・・・・・残念ながら上がってきた報告は全部外れだった。

魔法の技術を使って現代の写真並みの精度の絵を作って部下には渡してあるけど、

もう、八、いや九年たっている。容姿も変わっているだろう。

だから、育ったらこんなふうになるんじゃないかな?という人はマークしてその後接触。

茜かどうか確かめるという方法を取っている。

茜がどうしても見つからない。

まあ、他の仕事が忙しいからね。スライム騒動が終わったら大々的に探す。

だから、今はスライム騒動をどうにかする。それだけを考えて行こう。



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