表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
めそめそさん  作者: きつねさん
零次=ケイジ
29/38

ボスと対面

中は予想に反して食堂のようだった。

「んじゃあ、ちょっと待っててくれ。ボスに到着したことを伝えてくるから。

 ああ、そうだ。ここでの飲み食いはうちが持つから適当に食っててもいいぞ。」


「なんかあるんじゃないのか?」

疑えというようなことを言ってくる。


「いやいや、何もないって。

 これから交渉なんだから機嫌は取っておくに限るっていうことだよ。

 さすがにそんなとこに罠ははらないって。」

そうやって笑っておくに行ってしまった。

ああ言ってたけど一応罠の可能性を警戒して食べないでおこう。


ぐー



・・・・・・少しぐらいならいいか。






「おーう、たくさん食ったなあ。

 朝ご飯はちゃんと食べろよな。一日は朝ご飯から始まるんだぞ。」


「お前はオカンか!」

強面のくせに。


「なっ、オカンとは聞き捨てならねえな。これでも兄貴で通ってるんだぞ。」

「あー、確かにそんな感じだな。」

「だろ、だろ。」


「そのオカンみたいな世話焼きなところもあるし納得だわ。」

「なっ、ちがう!」


「兄貴、用件忘れてますよ。」

手下に注意されてるし。


「ん、ゴホン、ボスの部屋まで案内するからついてこい。」

「はーい、兄貴。」


「ちょ、お前が呼ぶなよ。」

からかうのたのしー。

「ほら、さっさと行こうぜ、兄貴。」

「だから・・・・・」

「待たせるとボスに怒られるぜ、兄貴。」


「・・・・・・・はぁ。もう兄貴でもなんでもいいからついてこい。」

ちっ、もう少し楽しませてほしかったな。

まあいいや。あんまりからかうのも悪いしな。

「りょーかい、兄貴。」

兄貴って呼ぶのは楽しいからやめんけど。


それでその兄貴について行ったんだけどこの建物の一番上の階にボスの部屋はあるらしいな。

「ここがボスの部屋だ。

 先に注意しておくけどボスに変なことするなよ。」


「変なことってなんだよ。」

「お前がボスに襲いかかったりだな(性的に)。」

「大丈夫だって、(戦闘的な意味で)襲ったりしないって。」


「・・・・・・・お前ほんとに分かってるか?」

「大丈夫だって、兄貴。どうせ中に護衛いるんだろ。」


「いや、ボス一人だし、護衛もおらん。

 しかも部屋は完全防音な上にこの階自体に人が入らんように人払いしてあるからな。

 お前が部屋に入ったのを確認したら俺もこの階から出ていくし。」


「ワオ、すごい信頼されてるな。」

襲わないって思われてるんだろうなあ。


「はあ、お前なあ。お前が暴れたらどんな護衛がいたところで一緒だろ。

 見たとこお前は魔法職っぽいからこの距離なら前衛の方が有利だけど、

 お前ほど格が違ったらどれだけ抗っても無理だろ。」

ああ、忘れてた。

こっちの世界では俺は限りなく強いんだった。


「まあ、暴れたりしないから安心してよ。」

「いや、お前がボスの魅力に取りつかれて襲わないか心配だ。」

「いや、ないない。」

ボスって男だろ。

そっちの気はないって。


「まあいい。これ以上ボスを待たせるのもなんだからな。絶対襲うなよ。」

そっちの気が合ったと思われてたのか。かなりショックだぞ。


兄貴がその強面な感じに反して丁寧にこんこんと扉をたたく。

「ボス、例の奴を連れてきやした。」

「分かりました。お入れしてください。そのあとは手筈通りに人払いを。」

「うす。じゃあ、俺は一階にいるからな。襲うなよ。」

ちょっ、兄貴聞いてないよ。ボスが女なんて。

しかも声がむっちゃきれい。

俺はボスが待っているであろう部屋の扉を恐る恐る開けた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ