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めそめそさん  作者: きつねさん
近衛騎士
18/38

あまねさんとお風呂

「人に迷惑をかけたくない。時にはその思いが迷惑を産むことになる。」

                          by,とあるサラリーマン


一面白い大理石の床、白だけでは味気ないとばかりに飾ってあるきれいな花々、

お香でもたいてあるのか一面にラベンダーのような心地いい香り、

さて、私はどこにいるでしょうか?


正解はお風呂でーす。

そう、お風呂なんです。あまねさんも一緒です。

案内の人はいるけど多分お風呂にまではついてこないからおそらく二人っきりに。

お風呂で裸で二人・・・・・・ぐふふふ。







「家族は元気でいます?」

「ええ、父はなくなりましたが母と妹が。」

「そうですか、私は母をなくしているんで逆ですね。」


と思ってたのに。

なんで案内の騎士の人までいるのさ。

「王族の方しか使えないところなんですけど勇者のあなた達は特別なんですよ。」って言ってたじゃない


ゲーム仲間のおんなじ道場の男子どもはよく私のことを百合だとかレズだとか言うけど、

別にそういうわけじゃないんだよ。

私はあまねさんが好きなだけで別段百合だとかいうわけじゃないんだよ。

だから騎士さんが裸になっても全然うれしくないし。

むしろ邪魔だし。


あまねさんが「いっしょにどうですか?」

って聞いたら王族じゃないし興味ないからからって断ってたのに、

あまねさんが「勇者の要望でもだめでしょうか?」って言ったら速攻で変わり身して・・・・・・・・

あーもう邪魔。


あまねさんもあまねさんだよ。

侍女の人たちが「お体をお洗いします。」

って言われたときは邪魔だからって断ってたのに案内の騎士の人は誘うなんて。

もう何を考えてるんだか。


朱里(あかり)?どうしたの、ボーっとして。」


「いっいえ、ちょっと考え事をしてたんですよ。何でもないですよ。」

っといけない案内の騎士さんに呪詛を送ってたらあまねさんの言葉を無視してた。

なんでもないといったのに、というか慌てて言ったからあまねさんが顔を近づけて覗き込んでくる。

わわわ、あまねさんの濡れた髪がかかった顔もきれいだし、その髪もすっごく綺麗。

肌も古武術なんてやってるなんて思えないようなきれいな肌で、

けど筋肉がついてるからかハリがすっごくて・・・・・・・・・・鼻血出そう。


「本当に大丈夫?」

あまねさんがじーっと私の眼を見て大丈夫なのか念押ししてくる。

その目はあまねさんが時たまする心の奥底まで見通してるような目で、

私は思わず不安を漏らしてしまいそうだった。


だってそうでしょ。

ゲームしてたら急にこの世界に召喚されて、

体も自前の物じゃなくてゲームの中のもので、しかも戦えって。

そりゃあゲームの中ではモンスターとかといっぱい戦ってたよ。

でもそれはあくまで命の危険のない戦闘で、

こっちは現実で、もし大けがを負ったらって思うともう・・・・・・・・。


けどそれをあまねさんにぶつけるのはだめだと思う。

だってあまねさんは多分とっても弱いもの。

私はジョブは魔導師でレベルはカンストの150。

ゲームの中だったから死んでもデスペナがあるだけでレベルは継続だったからここまで上がった。

けどこの世界では死んだらそこまで。

だからあんまりレベルの高い人はいないらしい。


それで肝心のあまねさんのレベルだけど多分1。

いやジョブの選択をしてないから0っていう可能性もあると思う。


向こうではかなり頼れたあまねさんだったけどこっちでは武力の面では頼れない。

あまねさんは大変だろうからあまねさんに負担をかけないようにしないといけない。

だから・・・・

「大丈夫ですよ、あまねさん。心配しすぎですって。

 今もあまねさんとお風呂に入れてラッキーって思ってるんですから。」


「そう。」

あまねさんはそう言ったきり追及をやめた。


ずきっって胸が痛む。

あれ?なんでだろう。

・・・・ああ、あまねさんが私を心配してくれることを期待してたんだ。

なんて厚かましい。

今自分で大丈夫って言ったじゃないか。なのにそんなことを期待してあまつさえ勝手に傷つくなんて。

ああ、自分が嫌になる。


朱里は「あかり」と読みます。「しゅり」ではありません。

それとあまねが案内の騎士さんに話しかけていたのは、

味方づくりと情報収集のためです。

手駒は多い方がいいですよね。

あまねは目的のためには手段を選ばない女なのです。


近衛騎士:(あまねたちをお風呂に案内した人)

ジョブ:剣士

あまねへの感情:護衛対象>親しみ

備考:剣士という戦闘職のジョブだったため騎士団に入団。

   その中で実力がひときわ目立ったため近衛騎士にスカウトされて入団。

   近衛騎士長からの信頼が厚い。だから勇者の案内というデリケートな役目を

   負わされている。

   現在あまねからのアプローチを受けている。

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