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めそめそさん  作者: きつねさん
近衛騎士
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ビビりの女王

「ビビる事、それは人間が持つ防衛本能の一種である。

 もしこれがなければ人間の心は恐怖につぶされてしまうだろう。」

                            BY,とある心理学者


「じゃあ約束通りに女王の身柄は引き渡すわね。」

ちゃんと約束を守った少女から女王の身柄を引き渡される。

「ええ、そうしてください。」

片腕になった私は今結構ひどい顔をしてるだろう。

危うく死にかけたのだから。


「一応審判として聞いておくけどそれって何なの?」

少女は床に転がっている私の左腕のような物について聞いてくる。


「一種の偽腕ですよ。

 まあ生身の腕よりか性能がいいですけど。」

あの勇者相手にまともに戦って勝てるはずがなかった。

だから卑怯な手を取らせてもらった。

偽腕が故障しようとそれは怪我(・・)ではない。

だから試合は続行される。


そして奇妙なことに勇者は実践慣れはしているけれど、

命のやり取りのようなものについては経験が少ないように思えたのだ。

そう感じた私の直感を信じた行動はこうだ。


勇者を挑発して一騎打ちであることを忘れさせ感情のままに攻撃するようにさせる。

そして正面戦闘をして勇者の攻撃に耐えられなくなる。

勇者の剣を偽腕でガードして切り落とされる。

それに動揺するであろう勇者の首筋に剣を突きつける。


そういう筋書きだった。

だが勇者の攻撃が強すぎて偽腕をつけている肩の方に激痛が来て思わずうずくまってしまっていた。

それを心配して近づいてきた勇者に剣を突き付けるという何とも間抜けな結果になってしまった。


まあ勝ちはしたのだ。女王は帰ってきた。

ただ女王の普段の威厳が演技だというのがばれてしまったな。

これは結構まずいか?

と考えていると少女が目配せをしてきた。

何だ?私は目配せひとつで何をするかわかるほど有能ではないぞ。


とか思っていると少女は勇者を集めて何かを話しだした。

小声なので何を言ってるのかはわからないが。

そして勇者と共に女王の前に立った。


可哀そうに、女王は少女に首に手をかけられて殺すと脅されたからか微妙に足が震えている。

というかすっごく逃げ出したそうだ。


そして少女と勇者たちが突然女王の前で片膝をついた。

「女王様、演技までして頂きありがとうございました。」


なるほど、今までのおびえた女王の姿はすべて演技だということにするんだな。良い策だ。

後は女王が気付くかだが・・・・・・・。


「えっええ、当たり前です。

 あなた達はこの国の、いえこの世界の客人なのですから。

 我々が望まれれば出来る限りのことはさしていただくつもりです。」

少しどもったがまあ大丈夫か。

ただ少女にできる限りのことをするという言質を取られたのは痛いな。

まああの少女はこの国に害があるような行動はしないとは思うのだがどうにもな、

考えがいまいち読めん。

まあ、あの勇者の集団には少女に話をつければいいというのが分かったのは今回の収穫だな。


っと、少女が私に目配せしている。

「うむ、勇者たちよ、今日はいろいろあって疲れたでしょう。

 部屋のチェックなどをさせておきますから、

 あなた達はお風呂にでも入って待っていられるといいでしょう。

 

 おい、勇者様方を案内して差し上げろ。」


「「はい。」」

あらかじめ案内役として用意していた近衛騎士を呼びつけて風呂に案内させる。

案内するのは王族用の豪華な風呂だ。

勇者の位は一応王族と同等だからな。

命令権はないから実際の権力はかなり劣るがな。


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