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めそめそさん  作者: きつねさん
女王
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何を考えている?

「誇りとは時に厄介なものである。

 それが邪魔をして最善の行動をとれないときがあるからだ。」

                        ――by,とあるセミナー主催者


私はブラト・カヴァリエールだ。

カヴァリエール家は代々近衛騎士の騎士長を輩出している騎士家だ。

身分は準貴族なのだがたいていの貴族よりか権力を持っている。

なぜそれだけの権力を持っているかというと私の家は王族に信頼されているからだ。

近衛騎士として代々王族を危険からお守りし、時には命を投げ出してでも王族を守る。

そして今まで護衛に失敗したことのないからこその権力だ。

だが先祖から続いていたそれも今日までのようだ。



勇者召喚、

それによって呼び出されたものは端的に言って今の状況もわかっていないアホばかりだった。

その身に宿っている力こそ強大なものの身のこなしはそこら辺の達人と同程度かちょっと勝るくらい。

そして周囲への警戒も薄い。

確かに勇者達と近衛騎士が戦えば我々が負けるだろう。

ただ、不意打ちなら可能性がある。

そう思わせる者たちだった。六人は。


召喚された者は全部で七人だった。

七人だと最初に数えたはずだったのに私はその少女の事をいつの間にか意識の外に置いていた。

なぜか?少女の体内に宿っている力が他の者に比べて格段に少なかったからか。

それは分からないがとにかく私は意識の外に置いてしまっていたのだ。


少女が女王の方に接近してきたのに気付いた時はもう遅かった。

あわてて少女と女王の間に入ろうとするも初動の速度が足りない。

それに完全間を盗まれていた。



そして今少女は女王を押し倒し首に手をかけていろいろと聞いている。

これでは騎士たちは手を出せない。

そしてその内容はいきなり召喚されたにもかかわらず、冷静ですべて的確、そして効率的な質問だった。

その内容から少女は賢いと推察できる。

だというのにこんな事をするなんて少女はなにを考えてるんだ?


確かに騎士がまわりを囲んではいたが別に武器に手をかけていたわけでもない。

威圧もしていない。

むしろ女王自ら声をかけるなどかなり融和的な行動だったと思う。

それならばとりあえずそのまま情報を収集するのがセオリーだろう。

だが少女はそれをしなかった。

他の六人と違ってちゃんとものを考えられているみたいなのだから、

これぐらい考えつかなかったということはないだろう。

少女は何を狙っている。


ふむ、とりあえず一当てしてみるか。


「そこの少女よ。

 目的は何か知らないが俺と一騎打ちしろ。そして俺に勝てば女王様を開放しろ。」


「ふーん、この人女王様だったんだ。」

まずい、情報を与えてしまった・・・・・・・・・


というわけではない。

わざとだ。もしかしたら女王だと知ったら開放するかと思って行ってみたがそこまでは期待していない。


「一騎打ちねえ・・・・・・・。」

少女が悩んでいる。

これは脈ありか?

何をたくらんでいるのかはわからないがこれで女王を助けることができる。


「じゃあ女王様、最後の質問。

 この世界で人を探すにはどうしたらいい?」

「へっ、あの、そんなこと言われても困ります。

 私政治的なことや今の情勢についてならいくらでも答えられますけどそういうことはちょっと。」

「ふーん。」

「ひぃっ、あぅ、あのぅ、ごめんなさい。」

女王様の威厳がゼロだ。

今までは演技で結構頑張ってらしたのに仮面が完璧に外れてしまっている。


「じゃあ、そこの騎士さん・・・・じゃなくて近衛騎士さんかな?

 一騎打ちの条件は人探しの協力といくつかの質問、

 それと私たちの今までの行動を不問にすることでどうかな?」

それなら乗れるな。

今までの行動の不問で私たちとしておいたのは、

最初に女王が話しかけた時に他の六人が結果的に無視した形になったからか。


「わかっていると思うが今の情勢では人探しの協力などほぼできないぞ。」

「それぐらいわかってるよ。今話を聞いたばっかだし。

 それと戦うのは私じゃないから。」

まあ当然だろうな。

彼女のみに宿っている力は小さい。

おそらくジョブのレベルも一桁ぐらいだろうか?

それにしては女王に接近したとき身のこなしなどが気になるがそれは今は良いだろう。


「それで戦うのは誰なのだ?」


「じゃあ戦ってきてね。」

少女が背中に大剣をさした男を指さす。

「ええっー、あまねさんそれはないですよ。

 さっきここが現実だといってたじゃないですか!

 っていうことは怪我したらすっごく痛いですよね。」


あの勇者はなにをいってるのだろうか?

痛みがどうのこうのと。

よくわからないが勇者の一人はごねていた。

ただ少女の一言で態度が変わった。

「さっきのことを不問にしてあげるわ。」

それはもう早い切り替わりだった。


「よっしゃー、行ってやるぜ。

 じゃあ騎士さんあんたには恨みはないが覚悟するんだな。」

ふむ、正面戦闘では勝てなさそうだな。

だがまあ、うまくやればあるいは。

女王の身柄がかかってるのだ。これぐらいうまくやるさ。


騎士という単語がイタリア語ではカヴァリエーレなのでそれの最後のレをルに変えただけという安直なものです。


ブラトの方は特に意味はありません。

趣味で外国人の名前を集めてネットに挙げている人のところから音が気に入ったものを拝借しました。

そこに自作小説に使うのは問題なしと書いてあったので問題はありません。


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