診療所で受付嬢の見舞い?
「脅すときのコツを知ってるかい?コツはね相手から条件を出させることだよ。」
――by,とあるインテリヤクザ
「・・・・・ん、・・・・さん、起きてください。
何があったんですか?」
目の前にあの受付嬢がいる。
「お前っ、グァッ、痛たたた。」
こいつのせいでひどい目にあったと言いたかったがものすごい痛みで中断された。
「あー、もう何してるんですか。
あなたの体は今ボロボロなんですからね。無理をしないでください。」
俺はお前のせいだって言ってやりたかったが、
さっきに激痛がまた襲ってきたらたまらないからおとなしく黙っていた。
「さて、では森で何があったのか教えてください。」
はぁ?こいつ今おとなしくしてろって言ったばっかりだろ。
それが今すぐに何があったかしゃべれだって?
そんな俺の顔を見て受付嬢は勝ち誇ったように言った。
「あなたここの治療費払えるんですか?」
うっ
いやギリギリ払えるはずだ。
だがそんな俺の考えはお見通しだったようだ。
「さて状況を整理しましょうか?
あなたは依頼を受けてぼろぼろになって帰ってきた。」
それはギルドが情報を誤ったせいで・・・・・・
「まあそれはギルドが情報を誤ったせいなんですけどね。
でもいちよう利用規約にも書いてありましたよね。
ギルドからの情報は嘘ではないですが、正しいとは限りません。
偽の情報で何らかの損害があったとしても当方は責任を負いません。
まあ細かいところは違うかも知れませんがこういう内容のことを書いてるんですよ。」
「あったような、なかったような。
・・・・・・・・いや多分なかったはず。」
「ありましたよ。
私はこれでも受付嬢ですよ。利用規約の説明をすることもあるんですよ。
それにこれはあなたが生まれる前からあるものですから最近追加されてあなたが知らないとかいうので もないですよ。」
くっ、先読みしやがって。
「それでですね。
あなたの装備、ほとんど全部だめになってますよ。
その買い替えも含めてどんだけかかるんでしょうねえ。」
くっ、絶対こいつSだ。
すっごく生き生きしてやがる。
「さて、ここで優しい優しいギルドからの救済策です。
あなたが森であった事を話したらここの医療費を全額免除してあげましょう。
さすがにあなたほどの人がぼろぼろになって帰ってくるような危険度だと思ってなかったようですし。
幸いここはギルド直轄の診療所です。ただにするのも簡単なようですし。」
それを先に言えってんだ。
まあ助かるからいいけどさ。
「じゃあ全部話すからちゃんとメモ取れよ。」
そうして俺は森でのことを全部話した。
そうそう、俺が森で五匹ぐらいスライムを倒したことも言って報酬ももらった。
受付嬢はわざわざ愚者の水晶を持ってきやがった。
それぐらい信用しろよなっていうことだ。
「それでは、これで全部ですね。」
「ああ、全部だって、何回言わせるんだよ。」
「はい、ではこの愚者の水晶にこれで全部だって誓ってください。」
「おいおい、そこまでしなくちゃいかないのか?」
信用しろよ。
「・・・・医療費。」
ボソって言ってきやがった。
あーもうやるよ。やればいいんだろ。
「森であったことをこいつに全部話したことを誓う。」
「色は青ですね。確かに嘘ではないようです。
それではありがとうございました。後治療はまだ残ってるので勝手に帰らないでくださいね。」
「おう分かった、分かった。」
そうして受付嬢は帰って行った。
「あっ!」
あの少女のことと大きなスライムのことを話してない。
その時俺はなぜか受付嬢に話す気にはならなかった。
受付嬢の態度にむかついてたのか、はたまた少女に魅入られたからか
どっちだったかは覚えてはいない。
二話前で黒いフードをかぶった人たちに全部かと聞かれてはいと答えたのに嘘だとばれなかったのはこの男が少女はもうスライムに消化されてるだろうから話す必要はないと思っており、つまり(話すべきことは)全部話したということです。




