表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

そんなこんなで、一ヶ月が過ぎた。βテストが終了し、もうすぐ《エンドレス・ラビリンス》のサービスが始まろうとしていた。

正直言って面白かったと思う。ほとんどソロだったけども。


「おっと、やばい。もう時間だ」


ベットに寝転がり、ヘルメットを装着する。

βテスターの引継ぎ特典は・・・なし!経験と情報だけだ。他のゲームだとスキルレベルとかゴールドとか引きついてるじゃん。・・・まあそんなことを言ってたって意味ないか。


容姿に関しては何も変わらない。種族はダークエルフだし、ステータスも同じ。変わったといえば《光魔法》が《料理》に変わっただけだ。ゲーム続けてると腹減るし、金かかるし、店売り美味しいとは言えないし・・・。

光魔法の威力は弱いし、回復量は多くないし、回復用のポーションがあるからいらなくなった。

《ダッシュ》は買えるし、《ローリング》という回避スキルも要らないからな。・・・まだ。


「よし、着いた」


最初の拠点にワープしていた、まずは《ダッシュ》が必要だな。買いに行こう。

やっぱり開始時刻ならこれだけの人数がいるか。という間にぽんぽんワープしてくるし。

スキル屋の商品は変わってないか。《ダッシュ》買ってと。


「よし、狩に行くか」


町の外に出てモンスターを倒しに行く。手ごたえないんだよな。そうだ、実験結果を教えてやろう。ゴブリン百回突きの内・・・

クリティカルヒット32回

スーパークリティカル47回

通常攻撃21回

となっている。

スーパークリティカルは一撃必殺だから、ほぼ二分の一で死ぬ。・・・やばすぎじゃね、俺の現実運リアルラック


まあとにかくレベル上げるか。


「けど、敵がいないな」


キョロキョロと首を振っても、ゴブリン一匹いない。探索のスキルどこで手に入るんだろ、非売品みたいだからな。

しばらく歩くと、「どうやら俺の出番だな」とか「左舷、弾幕薄いよ!なにやってんの!」とか聞こえてくる。人の多さにびっくりした。どこもかしこも数人でパーティ組んでいるみたいだ。リポップするまで時間かかるだろうからな。

そこを通り抜け奥に向かう。正確には近づいているのだが。


「そうだそうだ。最初のジョブのレベル上げはここでやったっけ」


森の中でも不自然に空洞になっているところに出た。確かここに、レアモンスター正確にはユニークモンスターのキラービーが出現する。この辺りに出現するハティービーの女王的存在で、経験値は多い。けれどレアモンスターにふさわしく、ハティービーよりも強いので油断したら死ぬ可能性がある。一度死にそうになったからな、俺が。まあ、助かったけど。


「そろそろ来るかな」


一体のハティービーがこの空洞内に現れた。三十センチくらいの大きな蜂型モンスターだ。腰のショートソードを手に取る。


「破ッ!」


《ダッシュ》で一気に接近。ショートソードを振り下ろす。HPを半分以上減ったところで相手の攻撃。針の部分で体当たり攻撃。剣で弾き(パリィ)防御する。

そこに二匹のハティビーが乱入した。


「ちっ、リンクか」


ハティービーなどのモンスターは戦闘中の同属を発見すると、近くにいるならばアクティブモードになって襲い掛かってくる。これで一対三でのバトルになってしまう。


「どけよ」


剣の腹を叩き込み、ハティービーの残りわずかのHPを削り取る。そのまま《ダッシュ》リンクで群がってきた仲間に近づく。


「邪魔だ。《スラッシュ》」


ショートソードの上段切り。システムのアシストがかかった鋭い太刀筋はハティービーを正面から切り裂き、残りHPをドット残さず削り取る。直後、わき腹にチクリとした痛みが。ハティービーが持つ唯一のスキル《ポイズンニードル》だろう。


―――バッドステータス:毒


「ちっ!」


俺の視界下のシステムウインドウに赤い文字が流れる。

毒は数十秒に一度、最大HPの一割を持っていく異常状態だ。これは解毒ポーションなどで回復しない限り、いつまでも持続する。あと他に治すとすれば町に入るとかだ。まだ《光魔法》のポイズンキュアはないだろうしな。

この毒こそが、この辺りで経験値稼ぎをしない理由である。


「おらっ!」


ニードル弾を打ち出したハティービーに袈裟懸けを食らわす。そのまま流れるような動きで水平切り。


「またリンクかよ」


切り裂いて死んだモンスターのエフェクトを確認し、再びモンスターが来たのを確認する。

その数五匹。その中には、飛びぬけて大きい蜂がいた。間違いないユニークモンスターのキラービーだ。

俺はアイテム覧からポーションを取り出し、自分にかける。濡れない。

ポーションは飲めば一気に一定量回復し、かければリジェネレーションのようにちょびちょび回復する。ここで俺がちょびちょび回復を選んだ理由は、毒で削られるのを相殺するのと、リジェネレーションのほうが回復量が多いからだ。およそ1.5倍の差がある。


「疾ッ!」


まずはキラービーのとりまきであるハティービーを倒す。殲滅開始。

《ダッシュ》で接近。剣を振り下ろす。一撃で絶命。一瞬危ないと思い、後ろに振り向きガード。ハティービーの体当たりを受け止める。

そのまま水平切りをかまし、HPを根こそぎ奪い取る。

そして上段切り。初期スキル《スラッシュ》を発動。アシストが掛かり、体の軸がぶれず、剣筋が整い、速度が一定になる。体重操作は無理までも、おおよそ悪くない型の一撃がハティービーの腹部に叩き込まれる。


「―――ぐはっ!」


背中に強烈な衝撃が走った。これはもしや・・・

後ろを振り向く。キラービーが尻の先端をこちらに向けていた。大きな針が妖しく輝く。


《パラライズマグナム》


バッドステータスに麻痺が追加されていた。

序盤なら一撃でHPの三割以上を持っていく、凶悪なスキルだ。


「くそがっ!」


体当たりを決行する二匹のハティービーの片割れに《スラッシュ》をぶつける。もう片方の一撃を食らい、HPが赤に迫る。ポーションを飲もうとして・・・鋭い痛みと共に俺の動きが止まった。バッドステータスである麻痺の効果。五分の一の確率での硬直。

針が迫ってきた。この一撃で俺のHPはゼロになる。当たる、そして死ぬ。そう思った直後。


「《ファイアボール》!」


突如現れた火の玉に吹っ飛ばされ、HPを全て持っていかれた。


「助太刀です!」

「助かる!」


あれ?この少女の声、どっかで聞いた事あるような?


「その声もしや『チート』君ですか!」

「『チート』じゃねえ!『ユート』だ!」


同じくβテスターだった少女、『アル』だった。

投稿しました。明日も投稿できるかも。・・・続きですからね。駄文かもしれませんが

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ