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『ようこそ。終わりなき塔へ。あなたのお名前は?』
すごいな、VR。目の前のキャラは誰だか知らないけど、粗い3D映像おろか本物っぽく見えるぞ。
えーと、確か名前の入力。システムウインドウを操作して名前を打ち込む。
「うーん、どうするか」
俺は言っておくが、MMOなんてやったことがない。ゲームなんてマ〇オとかファイ〇ルファンタジーがせいぜいだ。
よし、まんまでいくか。『ユート』これでよし。
「『ユート』間違いありませんか?」
「ああ」
「では、種族を選んでください」
そういえばこの音声機械っぽさがないな。すごい流暢だ。
ふーん。種族って結構あるんだな。βテストですらこの量か・・・
そうだな・・・まず人間は切捨て。全体的にバランスがいいみたいだが、言い方変えれば何も得意とするものがないんだろ。
そうだな・・・エルフが辺りが無難か。でも魔法職向き・・・。ん?隣のダークエルフならいけるか?能力値を見てみると
うーむ、STRは高いけどVITが低いか・・・。よし、いけるな。どうせまだβテストだ。やりたいのをやればいい。
ダークエルフを選択。OKボタンを押した。
「ボーナスポイントを振ってください」
ボーナスポイント10
STR15
VIT7
INT10
WIS13
DEX15
AGI14
LUK9
どうするか。一応調べといたから分かるけど、上から順に攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力、命中補正、素早さ、運。この順だ。あくまでも俺流翻訳だから合ってるかわかんないけど。
「そうだなー、この場合は・・・こうか」
ボーナスポイント0
STR20
VIT7
INT10
WIS13
DEX20
AGI14
LUK9
STRとDEXに5ずつ振った。初心者には分からんな、これは。攻撃も命中率なければ意味ないだろうし。
「次にスキルを選んでください。検索して絞ると効果的です」
スキル・・・か。ここじゃ確か《剣》という名前のスキル取らないと剣持てないらしいし。
とにかくまずは《剣》。その次《鎧》。そんで今度は《鑑定》。そして次は《光魔法》。次はって・・・あれ、動かない。
「スキルは四つまでです」
「あ、そうなん」
あとはゲーム内で買えってことか。《剣》と《鎧》は生き抜く上で必要だろうし、《鑑定》は敵の強さを見極めて、《光魔法》はあくまで回復しか考えてない。魔法攻撃なんて論外だ。
「これであなたが行う設定はこれで最後となります。容姿を設定してください」
えーと身長173センチメートル。あとは肌の色は黒らしいな。変えられるのは瞳と髪の長さと色。それと性別か。
性別は論外すぎるけど。
いや、それは言ってはだめだな。ネカマというのもいるんだからな。
髪は男にしてはちょっと長いくらい。茶髪、瞳の色はとりあえず青。
「よろしいですね?」
「ああ」
再度確認。そりゃもう変えられないとなれば繰り返し言われるか。
「それでは、あなた様の活躍に期待を」
俺はまぶしい光に包まれ、気付いたときには大きな町へと出ていた。
駄文投稿です