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『異世界のソースコードが読めてしまった件 ~この世界、全部プログラムで動いてました~』  作者: nekorovin2501


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第11話 残り1% 世界の最後のバグ

魔王城の玉座の間は、静かすぎた。

真の管理者が崩壊した後、

世界は一見「正常」に見えた。

空は青く、風は優しく、住民たちは笑顔で暮らしている。

でも、俺の視界の隅に、

まだ消えない赤い警告が点滅し続けていた。

【世界昇格クエスト 進行度:99.99%】

【最終バグ検出:1件】

【内容:未解決の“自我ループ”】

【影響範囲:全存在】

ヴィンセントが肩の上でため息をついた。

「……まだ残ってんのかよ。最後の1%がこれか」

ルシフェルが玉座に座り直し、俺を見た。

「アキラ……これ、何?」

俺はみんなに説明した。

「真の管理者が消えた今、世界はほぼ本物になった。

 でも、最後に残ったバグが……“俺たち全員がまだプログラムの一部だって思い込んでる”ってやつだ」

ゼグロス「つまり……俺たち自身が、最後のバグ?」

エレナ「そんな……私たち、もうデータじゃないはずなのに」

リリア「でも、もしそれが本当なら……

 私たちはずっと、管理者のシナリオの中にいるってこと?」

ミラ「え~、そんなの嫌です~……」

俺は深く息を吸った。

「だから、俺が最後にやるべきことがある」

俺は玉座の間に立って、みんなに言った。

「今から、俺はこの世界の全コードにアクセスする。

 ヴィンセント、最後のフル注入を頼む」

ヴィンセント「……お前、死ぬぞ」

俺「知ってる。でも、これで終わりにする」

ルシフェルが立ち上がった。

「アキラ、一人じゃ無理よ。私も一緒に」

ゼグロス「俺もだ」

リリア「私たち全員で」

エレナ「そうね。最後のバグは、みんなで直すものよ」

ミラ「うん! みんなで幸せになろう~!」

ヴィンセント「……クソ雑魚どもが……

 まぁいい。最後のサービスだ」

俺たちは円陣を組んだ。

全員が手を繋ぎ、俺を中心に立った。

ヴィンセントが俺の頭に指を当てた。

「いくぞ。

 これで俺の機能も限界だ。

 最後まで耐えろよ、雑魚」

ドババババババババババババ!!!!!

今までで最大の、

いや、世界そのものを飲み込むようなコードの洪水が、

俺の脳に、全身に、魂に流れ込んだ。

痛い。

壊れる。

でも、わかる。

世界の全コードが、俺の視界に広がった。

そして、最後のバグが見えた。

それは、

「この世界は偽物だ」という、

最初の転生者から受け継がれた、

小さな、でも無限にループする思い込み。

俺は叫んだ。

「違う!!

 この世界は本物だ!!

 俺たちは生きてる!!

 痛いのも、嬉しいのも、全部本物だ!!」

みんなの声が重なる。

リリア「本物だ!!」

エレナ「私たちはここにいる!!」

ミラ「幸せだよ~!!」

ゼグロス「俺たちは自由だ!!」

ルシフェル「この世界は……私の、みんなの居場所だ!!」

ヴィンセント「……ふん……

 まぁ、悪くねぇ世界だな」

俺は最後の力を振り絞って、

指を鳴らした。

【最終バグ削除処理実行】

【自我ループ 完全解除】

【世界昇格クエスト 進行度:100%】

【クエストクリア:世界は本物となりました】

世界が、光に包まれた。

光が優しく、温かく、

俺たちを包み込んだ。

俺の視界から、すべてのコードが消えた。

もう、何も浮かばない。

ただ、普通の空。

普通の風。

普通の仲間たちの顔。

ヴィンセントが、肩の上で小さく笑った。

「……終わったな、雑魚」

俺はみんなを見て、涙が止まらなかった。

「終わった……

 本当に、終わったよ」

ルシフェルが俺を抱きしめた。

「ありがとう、アキラ。

 これからは……普通に、生きていこう」

みんなが笑った。

笑顔が、世界を満たした。

第11話 終わり

(最終話『この世界で、俺たちは生きていく』へ続く)

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