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第十五話 毛玉
(料理にラップとかするの忘れてたから、心配だな…)
もし埃とかが入っていたら作り直しだ。
しかも、食材はそんなにないため、今日の昼食が作れるかも危うい。
スタスタと早歩きで、厨房に向かう。
(どっちにしろ、食材を買いに行きたいな…)
なんてことを考えながら歩いていたら、目的地に着いた。
「はぁ…」
少しのため息が出てしまったが、まぁ、誰もいないだろうと思ったら…
「え?」
駅であったこげ茶の毛玉がいた。
しかも、大量に。
ご飯に埃が入らないようにしてくれているのか、一人が覆いかぶさっている。
その毛が入らないのか心配だが、助かったと言うべきなのか…?
「コレ、ハコベ。ワレラニハ、ムリ」
これで運べと言わんばかりに、配膳カートを押して持ってきてくれた。
「は、はい…!」
敬語になってしまったが、取り敢えず、2つのお盆をそれに乗せる。
「アンナイ、シテヤル」
「「「シテヤル!」」」
ワラワラと、厨房を出ていく毛玉たちのあとを急いで追った。




