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第九話 失礼します
早足くらいのスピードで、麗の部屋へと向かう。
(たしか…私の部屋の隣だったよね)
扉がなぜか開けっ放しだ。
中から麗と猯ちゃんの声が聞こえるので、事件と言うわけではなさそうだが…
(不用心だなぁ……)
開けっ放しの扉をノックし、失礼しますと声を掛ける。
「ひぃっ…!来ないで!!」
枕が飛んできた。
それをキャッチする。
「猯ちゃん、どういう状況なの?」
布団の近くでオロオロしていた猯ちゃんにサッと近付き、問う。
「…朝はいつもこんな感じで…」
ボソボソと決まりが悪そうに呟く。
(えぇ…それは大丈夫なやつなの…?)
不安だが…まぁ、やれることだけやろう。
「麗様、ご無礼をお許しくださいませ」
すっと流れるように姫抱きした。




